人生を変えるには「ゼロにイチを足していく」しかない

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

元ライブドア社長。ホリエモンこと堀江氏が精力的に活動をされています。

以前は球団やラジオ局の買収など、会社の時価総額を上げることに邁進していた感がありました。今は「自分が本当にやりたいこと」だけを楽しそうにやっているように見えます。

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

昔は企業を立ち上げて組織で動かないと大きなことが出来ないイメージがありました。最近はIT技術が発達して、個人でも世界中のプロフェッショナルと協力し合って、面白いことが出来るようになってきたように見えます。その良い例が堀江氏の現在の姿です。

インターネットの出会い、企業としてのビジネスの躍進、挫折、そして再起。堀江氏は同い年なので、彼の歴史はそのまま自分に投影することができ、面白く読むことができました。

読みながら身につまされた、3つのポイントを紹介します。

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新しい可能性に勝負できる力

「こ、これは……」 あまりの興奮に、ページをめくる手の震えが止まらなかった。

圧倒的な自由があった。無限の可能性に満ちていた。

世界中のコンピュータと相互につながることのできるインターネット。

しかも「ハイパーテキスト」というシステムによって、ブラウザの一画面上に世界中のありとあらゆるデジタルデータを一括して表示することができる。

大学生時代にインターネットを初めて利用しました。まだYahoo!Japanが生まれる前の時代です。アップルトークという細い線を回線につなぐだけで、アメリカのNASAのホームページにアクセスすることができました。当時のブラウザはモザイクでした。

我々が物心ついたときにはすでにカラーテレビがあったように、今の子供達にはインターネットがすでに生活にあります。インターネットを当たり前に利用する世代には絶対に感じることができないだろう変化と感動を受けました。

パソコンや携帯電話やスマートフォンといった機器の出現も、インパクトは大きかった。しかし、インターネットの出現ほどのものではないです。

今思えば、歴史の転換点に立ち会えて幸運でした。

チャンスの見極め方がわからない? 桃と葉っぱの見分けがつかない? 僕に言わせると、その発想がすでに「ノリの悪さ」を表している。

チャンスを見極める目なんて、必要ないのだ。

少しでもおもしろいと思ったら、躊躇せず飛び込む。

そうしないと、せっかくやってきたチャンスは流れる桃のように過ぎ去ってしまう

堀江氏はインターネットの可能性にかけて大学をやめて会社を興して、会社を上場させてさらに成長させていきます。その後の顛末については賛否両論はあると思いますが、インターネットの可能性にかけて勝負し切れたのはすごいことだと思います。

インターネットがすごいとはいえ、まだ混迷期。私にはそこまで情熱をかけることはできませんでした。私は画像技術への興味と共に企業へ就職。再びインターネットに戻ってくるまで5年かかりました。

それでも今は細々とではありますがネットを生業として暮らしができています。それだけインターネットは裾野が広いマーケットなのです。

諸行無常

ときおり、「堀江さんの座右の銘はなんですか?」と聞かれることがある。

もともと座右の銘など持っていないのだが、あまりに多く聞かれる質問なので、いつのころからか「諸行無常、ですよ」と答えることにしている。

これは座右の銘でも仏教的な心構えでもなく、世の中の真理だ。

世の中は常に入れ替わります。商品もサービスも芸能人も、本当のトップの以外は、入れ替わり立ち替わりです。トップですら長いスパンで見れば、入れ替わっています。諸行無常は世の真理です。

しかし、商品が廃れても、商品を開発した人の価値が下がるわけではありません。開発した実績は「人」に蓄積されていきます。実績は信用です。信用こそが利益の源泉です。信用の無いものは安くでも買えないですよね。逆に信用が高いものは高くても購入します。

やる事は色々変わっても、自分への蓄積を意識して信用を積み上げていくことが、諸行無常の世を渡り歩く方法なのです。

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バランス感覚

これまで僕は、自分ひとりで突っ張ってきた。裸の王様を指さして、世の中の不合理を指さして、ひとり「なんでみんなネクタイなんかしてるの!?」と大声で笑ってきた。それでみんな気づいてくれると思っていた。

でも、そんな態度じゃダメなのだ。

世の中の空気を変えていくには、より多くの人たちに呼びかけ、理解を求めていく必要がある

安定した言論というのは、一方向からの突き抜けた意見ではなく、反対の意見も認めた上で主張を伝えられるかどうかだと感じています。

新しい価値観で意見を言う事は構わない。それは自分の決意であって、発言後に自分の行為で正当化していけばよい話ですので。

しかし、ただ思ったことをズバズバ言い過ぎると、伝わるものも伝わらないです。これは年齢を重ねれば誰でも理解してしていくことで、堀江氏も伝え方の大切さを意識しているようです。月並みな言葉ですが、何事もバランス感覚が大切なのです。本当に。

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本書では「ゼロの自分にイチを足していく」というメッセージが繰り返し登場します。シンプルなメッセージで胸に刺さります。

刑期を終え41歳を迎えて、これからどんな面白いことをしてくれるのでしょうか。同い年の堀江氏を応援していきたいです。


慶応SFCでの講演の様子。楽しそうに話してます。

今日のわかった

今週末に浜松で堀江氏の講演会があります。楽しみです!

俺だったら浜松でこう稼ぐ、みたいな話になるそうです。

読書2013
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