市民ランナーの大きな目標の一つであるウルトラ100kmのサブ10(10時間切り)は、フルマラソンのサブフォーペース(5分30秒/km)で走り続ければ達成できます。4分10秒で走り続ける、フルマラソンのサブスリー(3時間切り)より、難易度は低いです。
先日のチャレンジ富士五湖100kmで、3レース目にして、サブ10を達成できました。その経験を元に、サブ10を達成するための方法をまとめてみました。
今後、目指す方の参考になれば、幸いです。
レースを選ぶ
なるべくフラットなレースを選ぶ
ウルトラマラソンといっても、難易度はさまざまです。100kmありますので、ずっと平坦なルートは珍しく、アップダウンはあります。
飛騨高山ウルトラマラソンや、星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソンは累積標高差(登りの合計)が2,000m以上あり、サブ10を狙うにはきついコースになっています。
なるべくフラットなレースを選ぶと、タイムが出やすいです。
開催時期に注意する
気温が高い時期のウルトラマラソンは、発汗が多くなり、スピードを出すのが難しくなります。最近の春は5月でもかなり暑く、秋は9月までは真夏と変わりません。
開催地の緯度や、標高でも気温は変わってきます。なるべく気温が上がらないレースを選ぶのが良いでしょう。
以上を考えると、サブ10を狙えるウルトラマラソンは、チャレンジ富士五湖がおすすめです。4月中旬の開催で標高が高いため、気温は10℃台が多いです。累積標高差は800mほどで、フラットな区間が多く、ウルトラマラソンの中では楽な部類に入るレースです。サブテンを狙いやすい環境が揃っています。
今年から始まったOSAKA淀川ウルトラマラソンも、3月開催でフラット。記録を出しやすそうです。
四万十川ウルトラマラソン、サロマ湖100kmウルトラマラソンは、気温が高め。柴又100Kは34℃まで上がったことがあったそうです。
トレーニング
キロ6分で走りきれれば、100kmを10時間で走り切れます。実際のレースでは、トイレやエイドに寄る必要があるので、キロ5分30秒ペースを目標にします。上手く走れれば9時間10分で、50分の余裕ができます。後半ペースが落ちても、乗りきれるでしょう。
100 kmマラソンや24時間マラソンに参加するランナーのトレーニング内容と競技パフォーマンスとの関係性について分析を行なった研究では、月間などの積算によるトレーニングの総走行距離よりも、①トレーニング中のペース、最大酸素摂取量、フルマラソンのベストタイム、②1回に最も長く走った距離、などとパフォーマンスの関係が高くなることが報告されています。
筑波大の鍋倉賢治教授によれば、ウルトラマラソンのタイムは、フルマラソンのタイムと相関があるそうです。フルマラソンのタイムを上げる練習を積んで、フルマラソンのレースに積極的に出場しましょう。
また、事前に一度に走った距離とも関係があるとのことです。一か月前までに50km-60kmを走る練習も入れておきましょう。
上手く補給する
サブ10を達成できれば、朝5時にスタートすれば、15時前にはゴールできます。朝ごはんをしっかり食べておけば、レース中にお昼を食べて、そのままゴールという感じです。補給は必要ですが、補給で時間をかけすぎると、タイムの余裕が少なくなってしまいます。
ウエストポーチにジェルなどを持って、エイドでの補給は水分をメインにして、エイドでの滞在時間をなるべく少なくするよう心がけます。ただし、たくさんジェルを持って走ると重くなります。エイドの位置と補給内容を良く調べて、エイドの食事も利用しましょう。
コースの途中に荷物をデポできるレースなら、あらかじめジェルなどを詰めたウエストポーチを送っておきましょう。ポーチを付け替えるだけで補給が完了するので、時間を短縮できます。袋の中からモノを取り出して、ポーチに入れる作業は思いの外時間がかかります。
焦ってスピードを上げない
サブ10はキロ6分以内で走り続ければ、達成できます。キロ6分はかなり遅いペースです。例えば50km地点までキロ5分30秒で走れれば、25分の貯金ができます。後半50kmを6分を超えないように走れば、サブ10達成です。
マラソンで一番怖いのが、失速です。足が終わってしまうと、キロ6分も難しくなります。ある程度貯金ができたら、その後はリラックスして、キロ6分を超えないように走れば、消耗せずに距離を伸ばせます。
焦らずラップを刻み続けることが大切です。