清水エスパルスのJ2降格が決まりました。高校サッカー選手権の静岡県決勝では、清水桜が丘(旧清水商業)が、藤枝東に敗退。全国行きを逃しました。静岡市に住む身としては、残念な結果が続いています。
サッカー王国と言われてきた、清水のサッカーが瀕死の状態です。実際に何が起きているのか?息子も同じ地域でサッカーを習っていて、清水の現状についての記述もあったので、本書を手に取りました。
バラバラな育成システム
静岡市内の小学生のサッカー環境は、エスパルスが運営するスクール&クラブ、中小のクラブチーム、小学校別のサッカー少年団があります。
トップに君臨するのは、エスパルスです。4年生からジュニアユースのセレクションが始まり、市内のトップクラスの子が集まります。エスパルスに入れない子は、中小のクラブチームへ。クラブチームに入れない子は学校のサッカー部へ。という図式です。
レベルに応じて、色々な選択肢があることは良いと思うのですが、「清水」の地域として、目指すところが無い気がします。みんなバラバラにやっている感じです。
エスパルスはプロサッカーチームとしての論理があるでしょう。清水東、桜ヶ丘、東海大翔洋、静岡学園といった全国優勝経験のある高校は、独自の理念でしのぎを削っています。それはそれで良い面もあるのでしょうけど、エネルギーが分散してしまっています。
ユースチームと高校サッカー
最近の高校サッカーは、北陸や東北のチームが勝ち上がっています。良い指導者が全国に育ったとか、練習環境が整ってきたためと言われています。
確かにそういう面もありますが、県内にJ1クラスのプロサッカーチームが無い県では、サッカーの上手い子の多くは、県内のサッカー強豪校に進学するというところも大きいのではないでしょうか?
北陸のサッカーレベルが上がり、ユースに優秀な子が流れてしまった他県の高校のレベルが落ちている。清水はまさにこの状態なのかと。トップレベルはエスパルスへ行き、市内に強豪校が何校もある状態です。
一方、同じ静岡県内の藤枝市(こちらは元祖サッカーどころ)は、エスパルスのチームもありますが、藤枝東FCというクラブチームがあって、藤枝東高校に選手を送り込んでいます。育成が一本化しています。過去10年の選手権県大会で、優勝4回、準優勝が2回と、他校を圧倒しています。本書でも言及されていました。
エスパルスを頂点に再編成
清水の高校が全国優勝しなくても、地域のサッカーのレベルが全国的に高ければ良いと思っています。清水地区には、エスパルスユースだけでなく、学業優秀でサッカーの強い高校。人間教育に定評のある高校。徹底的にテクニックサッカーを目指す高校もあり、環境的には全国区です。
しかし、やっぱり地域としての「核」がないと、さすがのサッカーどころ清水でも、サッカー熱が下がってしまうのかなと。
残念ながらJ2降格が決まってしまった清水エスパルスは「市民クラブ」です。今回を機に、エスパルスを頂点とした地域サッカーの再編成をしたらどうかなと思います。
エスパルスユースは優秀な子が集まっているのですが、その活躍が市民に伝わっていない感があります。エスパルスユースと市内強豪校で大会を開催したり(すでにやっているのかも?) 、オール清水チームを作って大会で活躍(ちょうど良い大会があるか?)してユースの存在感を高める。市内の高校もエスパルスの下部組織的な扱いにして、エスパルスにプロ選手を送り込む。
バラバラ感のあるところを、少しでも束ねられれば、強い清水サッカーが戻ってくると思います。
コメント
ジュビロ磐田がJ1に昇格が決まり、とりあえず静岡県勢はトップリーグでの継続となりましたね。
最後の笛が鳴るまで諦めないで闘う気持ちがホント大事だなと思う次第です。
で、Jリーグのチームでいえば鹿島アントラーズが一番Jの理念に基づき着実に運営していると思います。
一貫したチームの強化、世代交代もうまく進んでいます。
参考になりました。私の感覚的にはまだまだ静岡のサッカーのレベルは高いと感じています、サッカー文化が静岡が日本で一番育まれているような気がします。最近はなかなか結果がついてきていませんが、やはり静岡のチームは相対的にサッカーの本質を知っている選手(子供)が多いように思います。女子も含め。いつも好きで読ませて頂いてたブログにサッカーのことが書いてあるのは嬉しいです。これからも楽しみにしてます。