立て続けに、堂場瞬一さんの駅伝・マラソン小説を読みまくっています。
チームⅢ 堂場瞬一スポーツ小説コレクション (実業之日本社文庫) 文庫
日本新記録保持者の「山城悟」。引退して5年後のお話。スランプに陥っている若手エース「日向誠」の個人コーチとして奮闘するお話です。
エースの悩みは、エースにしか知り得ない
新記録を持っている選手には、トップ選手ならではの悩みがあるはずです。しかし、新記録を経験したことがあるのは自分だけなので、他人に相談しても、的確な応えがあるとは限りません。
それでも、過去に新記録を持っていた人であれば、トップに君臨した期間の悩みは共通するところがあるでしょう。エースの悩みは、エースにしか知り得ないということです。
元トップ選手が、自身が積み重ねてきたノウハウを後輩に伝えていくことで、記録は伸びていくのです。
教え子の成長は、何よりの喜び
自分が指導したチームや個人の成績が伸びていくのは、この上ない喜びです。自分の子供が活躍すると嬉しいように、スポーツや勉強でも教え子が活躍すると、自分ごとのように嬉しいです。
若い頃は、「まだ自分は行ける」と、他人に対して指導したいという欲望は湧かないかもしれませんが、歳をとり、第一線を退いたあとは、自分の経験を、後輩たちに伝えたいという気持ちになってくるでしょう。
「チーム」は自作のチーム4で完結
本作品は、シリーズ3作目。文庫本のあとがきによれば、4作目で完結するそうです。
2020年の作品です。これまでの作品は5年ごとくらいに出版されているので、最終作は、来年2025年あたりに刊行されそう。
最終作のテーマは何なのか? 再び箱根駅伝を舞台にしたストーリーになるかもしれませんね。
今から楽しみです。
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