少し前までは、企業に勤めていたら、副業は厳禁でした。就業規則で定められていて、副業をするなら、こっそりやるのが一般的でした。
しかし、今は状況は一変しました。企業は副業を解禁して、働き方は多様化しています。
裏を返せば、企業が従業員を安定して養えなくなってきているとも言えます。
新しい技術や価値観が生まれ、ビジネスそのものの移り変わりが激しくなり、我々も変化に対応できるスキル、キャリアを作る必要があるのです。
日本一カンタンな「副業」と「お金」の教科書 単行本(ソフトカバー) – 2021/5/6
副業に関する最新の書籍を読ませていただきました。サラリーマンでもできる副業をいくつかの型に分け、自分に合った副業の形を考えることができる本です。
これからの副業時代を生きるため、一読をおすすめします。
なお、本書は出版社から献本していただきました。誠にありがとうございます。
初めての副収入100円に興奮した!
私は16年前に、東証一部上場している企業を退職して、ネットビジネスで独立起業しました。
とはいえ、いきなり独立したわけではなく、2年ほど副業でおこなっていました。サラリーマンと副業の二足のわらじを履いていたのです。
2003年のゴールデンウィーク。どこにも出かけない日は家の中に閉じこもって、朝から晩まで一日中ホームページを作っていました。そして、最終日に5月5日に完成して、公開しました。
その後、泣かず飛ばずの日々が続きましたが、より良いホームページにするために、夜遅くまで更新作業をしていました。会社もなるべく仕事を早く終わらせようと心がけました。
初めての収入は、副業を開始してから数ヶ月後でした。しかも100円くらいでしたが、すごく興奮したことを覚えています。あの興奮は、多くの人に味わって欲しいです。
ちなみにその時作ったのは「金持ちサラリーマンへの道」という、サラリーマンの副業と投資をすすめるホームページです。
キャッチフレーズは「残業するな!副業をせよ!」 仕事を早く終わらせ、空いた時間で副業をして、副収入で投資をして、資産を雪だるま式に増やそうという内容です。
ちょっと、本書と似てますね。
好きなこと、得意なことで大量の熱量を無償で投入
副業をするなら、好きなこと、得意なことをやるほうが良いと言われます。私もその意見に賛成です。
なぜなら、最初からいきなり収入が入ってくることはないからです。始めた当初は、無収入の状態で作業を続けないといけません。
無収入の状態で、時間をかけて作業を続けていれば、普通は苦痛を感じるでしょう。
ところが、その作業が好きなこと、得意なことであれば、苦に感じません。ものすごい熱量で長時間作業することができます。
私は、子供の頃に家庭新聞を作ってましたし、ウェブサイトの制作も好きだったので、ホームページを更新することは、全く苦になりませんでした。
無収入な状態でも、100時間以上の時間をかけて、コツコツ自分のホームページをブラッシュアップし続けて、ブレイクすることができました。
金を掘るより、ツルハシを売れ
私の副業の収入源はアフィリエイトでした。本書では、アフィリエイトによる副業は取り上げられていません。おそらく、アフィリエイトはビジネスと呼ぶには、個人レベルだとリスクが大きすぎると著者が判断したからでしょう。
集客源である検索エンジンの順位は、いつ大きく変化するかもわからない水物ですし、アフィリエイトの広告主もいつ辞めてしまうとも限りません。自分でコントロールできることが少ないのです。
しかし、ウェブサイトの制作、運営で得たスキルを利用した、ウェブサイト制作の受注、バナー作成や、ツールの提供も立派なビジネスです。アフィリエイター向けに展開しても良いでしょう。
まさに、「金を掘るのではなくツルハシを売れ」というゴールドラッシュでの話と同じですね。スマホが流行れば、スマホケースや防護フィルムを売ると儲かるのも同じです。
最初はアフィリエイトでも良いですが、確実に収入を上げられる「実業」の可能性を、常に考えた方が良いでしょう。
時間の切り売りはしない
仕事が終わってからや休日に、コンビニや飲食店でアルバイトをすることも、副業の一つと言えます。
本書では、そういった「時間の切り売り」の副業は勧めていません。私も経験上同感です。
確かに働いた分、確実にお金は入ってくるのですが、時間は1日24時間しかないので、収入アップするにも限りがあります。
一方、ビジネスを成功させれば、収入の上限が飛躍的にアップします。注文をインターネット&プログラムで自動化したり、市場を全国、全世界に広げれば、収入は青天井です。
他人のビジネスを成功させるために、自分の時間を売るよりも、自分のビジネスを成功させるために、自分の時間を利用する方が、期待値は大きいと思います。
仮に、うまく行かなくても、チャレンジした経験は確実に残ります。そして、次の副業のチャレンジの時に役立ち、成功確率が上がるはずです。
投資を並行して行うと効果的
副業と並行して行って欲しいのが「投資」です。副業収入を得られるようになったら、全額を証券会社に入金して、株式や投資信託を購入しましょう。
所詮、副業で得たお金はあぶく銭なのです。日々の生活は本業収入でまかない、副収入は投資に回すのです。
最初は少額でも、積み立てていけば、複利の効果が働き、予想以上のリターンになります。
本書でも、副業の一つに「投資」を紹介しています。一定の資金額を超えると、投資は非常にパワフルになります。
日々のやりくりを節約して、資金を捻出して投資する方法もありますが、他の副業とかけ合わせると、効果的です。
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本書は、サラリーマンが偶然、猫が経営する屋台で飲むことから始まります。ストーリー仕立てになっているので、非常に読みやすいです。
伏線の回収もあって、スッキリとした読後感がありました。
後半には実際に副業で成功した方々のインタビュー記事もあって、とても参考になりました。
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