全国で、高校受験が始まっていますね。受験生の皆さん、悔いの残らぬように頑張ってください!
そして、来年受験というご家庭も多いと思います。
我が静岡県の高校入試の仕組みは、全国的に見て希少な方法です。
静岡県のご家庭だけでなく、他県の方にとっても参考になると思います。ぜひ読んでみてください。
入試を制するには、入試を知ることから
我が家は、静岡県に住んでいます。
子どもたちは、よほどのことがない限り、県内の高校を受験します。そして、その多くが県立高校へ入学します。
試験の必勝法は、まず相手を知ることです。静岡県の県立高校の入試の仕組みを徹底的に調べました。
そして、静岡県が全国的に見ても、珍しい受験システムを採用していることがわかりました。
その仕組みの良し悪しはわかりませんが、我が家はその仕組みを十分に理解したうえで、受験に臨み、良い結果を得ることができました。
静岡県に限らず公立高校の入試には、一般試験の他に、裁量制度という推薦入試のような制度があります。今回は、多くの学生が受験する「一般入試」についてお話することにします。
高校入試は基本的に「内申点+当日入試」
一般入試とは、三年生の終わりの時期に、入学希望の高校で学力テストを受験して、合否が決まる受験方法です。どの高校でも7-9割はこの入試方法で入学します。
当日の試験の点数で決めるのが非常にシンプルでわかりやすいのですが、残念ながら、当日の試験だけでは決まりません。
中学校から提示される内申書、特に評定を合算した「内申点」が重要になってきます。つまり、試験当日の点数と、内申点の両方を総合して、合否が判断されるのです。
多くの都道府県では、内申点と入試の点数を合計したもので、合否を決めます。ただし内申点と入試点は、単純な足し算ではなく、加重和をとります。
内申点と入試の割合は、7:3や8:2、9:1など。学校によって決められることが多いようです。
また内申点は、1年生から3年生までの成績すべてが加味されることがほとんどです。ただし、1年生より2年、3年生の成績の方が優先されるよう、荷重和を取るケースが多いです。
静岡県の独特な入試システム
しかし、静岡県の入試システムは、若干異なります。
内申点と入試の点数の両方が必要であることは同じですが、点数の荷重和は行いません。
まず、内申点で受験者を並べ、募集数で切ります。このグループをI群とします。
次に、I群の中で更に入試の点数で並べます。そして、上位70%ほどが合格です。
残りの30%は、合格が決まっていない受験生の中から、内申書の内容や、入試の点数を参考に総合的に決めるとなっています。
その方法は、詳しくは色々あるのですが、各校で異なるそうです。
よって、「内申点でI群に入り、当日の点数で上位70%以内」に入ることが、最も確実に合格できるのです。
内申点が満点でも優位性はない
「要するに、内申点と当日の入試のどちらも高得点を取れば良いのでしょ」と思われるかもしれませんが、それだけでは理解が不十分です。
まず内申点でI群に入る必要があるのですが、I群に入れさえすれば、その後は内申点の優越は考慮されません。
静岡県の内申点の計算方法は、主要五教科+実技4教科で5段階評定なので、満点は45です。
仮に入学希望している高校の内申点のボーダーが38点であれば、38点の受験生はI群に入れます。そして、入試の結果が上位70%であれば合格です。
一方、内申点が45点の受験生もI群に当然入りますが、当日の入試の結果が、上位70%からこぼれてしまうと、一回目の選抜では不合格になってしまうのです。
つまり、静岡県における内申点は、大学入試の「足切り」と似ているのです。いくら一次試験が良くても、二次試験が良くないと合格できませんよね。
実際に、内申点45でも不合格だったという話を、ちらほら聞いています。
ある意味公平な仕組み
静岡県では、内申点は「3年生の点数」のみを採用します。よって、1-2年生で勉強がうまくいかなかった子でも、3年生で挽回する余地を残しています。
そして、当日の入試の結果を重視しています。
なぜ、このような方針にしているのかは不明ですが、大学入試に近い仕組みを採用しているのは事実です。
内申点は、学校や教師の裁量による部分が多く、ブレが大きい可能性を拭いきれません。
静岡県の入試の仕組みは、ある意味、より公平なのかなと感じました。
ただし、内申点がボーダーに明らかに足りない場合は、ほぼ合格できないことも理解しておきましょう。
他県のようす
ほとんどの都道府県では、内申点と入試点の荷重和を採用しています。内申点は確実に加点されるので、内申点が高いほうが有利です。
静岡県のような「内申点足切りシステム」を採用しているのは、私が調べた範囲では茨城県だけでした。私が茨城県出身なので、不思議な縁を感じます。
まだ東日本しか調べていません。もし情報があったら、教えて下さい。追記します。
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