人生において、意味のないことは起きないと言われます。
たとえ不幸に見舞われたとしても、後から振り返ればその後の飛躍へのターニングポイントだったりします。
私も最近、大ピンチに陥りましたが、偶然も重なり、浮上のきっかけを掴みつつあります。チャンスだと思えるようになりました。
心が折れかかった、アキレス腱断裂
約10年かけて、少しずつマラソンタイムを伸ばしてきました。自己ベストを更新できなかった年はなかったです。
昨年の春には3時間8分10秒の自己ベスト。25kmまでサブスリーペースで走れたレースもあります。ウルトラ100kmでは9時間43分で念願のサブ10を達成。今シーズンは本気でサブスリーを目指そうと考えていました。
ところが、秋口にフットサルでアキレス腱を断裂。2ヶ月間は両足で歩けず。レース復帰まで半年かかりました。アキレス腱再断裂の恐怖から、追い込んだトレーニングができずにいました。
もうサブスリーを目指すことは無理かもな。と思い始めた矢先に、思わぬチャンスが巡ってきました。
富士登山競走への挑戦
幸運にも、今夏の富士登山競走への出場権を獲得することができました。毎年申し込みが殺到して、ネットでのクリック合戦では15分ほどで締め切りとなってしまいます。
4年前から毎年チャレンジしてきたのに、一度も申し込めたことはありませんでした。今年は奇跡的にエントリーできたのです。
富士登山競走の完走は市民ランナーのグランドスラムの一つであり、モチベーションが上がります。
コースはずっと登りなので、トレーニングも登りが中心となります。登りのトレーニングは足首に負担がかかりにくいので、アキレス腱に不安がある私でも追い込んだトレーニングができます。
とりあえず今年は五合目コースですが、登りのトレーニングをすることで、サブスリーを目指せる走力を取り戻せるのではと、俄然やる気が出てきました。
鏑木さんの言葉
そんなタイミングで、ランスマで富士登山競走の再放送がありました。ハブ君がプロトレイルランナー鏑木さんの指導を受けながらトレーニングをしている様子を見て、刺激を受けました。
ハブ君は当初、トレーニングを最後まで追い込めていませんでした。その様子を見た鏑木さんは、微笑みを浮かべながらも、
「最後まで振り絞って」「自分から気持ちのブレーキをかけている」「100%出し切る」「自分に厳しく」
と、厳しい言葉が。私自身に言われているようで、グサグサ胸に来ました。
マラソンだけではありません。仕事についても、自分にブレーキをかけていないか? 100%出し切れていないのでは? 考えさせれるきっかけになりました。
坂道インターバルなどの強いトレーニングを再開しています。辛くなった時に鏑木さんの言葉が脳裏をよぎります。
新しい自分になるために
時を同じくして、ニーチェの「ツァラトゥストゥラ」にある文章を知りました。
きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう!
東京大学教養学部の2015年卒業式で、学部長の石井洋二郎さんが卒業生に送った式辞で引用されました。ネットで話題になったそうです。まさに、鏑木さんの言葉と同じことを言っている気がしました。
100%を出し切ることが、より高いレベルの自分へとつながる。自分を焼き尽くすことでしか、新しい自分にはなれないのです。
人生を燃やせるか?
「マラソンは健康に悪い」
「大の大人が何やってるんだ」
とか、言われるかもしれません。私は健康のためにジョギングをしているわけではありませんし、自分を燃やせる目標があることは、人生において必要なことだと思っています。
人生はあっという間に過ぎてしまいます。年をとるほど、時間は早く進みます。ちょっと前にお正月があったと思ったら、もう3月も終わりです。
子育てが落ち着いてから、定年を向かえてからと、歳をとってしまうと体力も気力も落ちていきます。何を始めるにしても億劫になります。思わぬ病気やケガをする可能性もあります。
やりたいと思ったら、今しかないのです。
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