世の中悩みは尽きません。しかし、世界の最新の学問の研究では、「人々が直面する悩み」に対して、一定の正解を出せるようになっているそうです。
サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている
科学とは「ある事象を統計的に裏付けて、他の人にも理解できる方法を確立したもの。つまり、「再現できるもの」です。個別の事情も含めてすべてを解決できるわけではありませんが、科学的な指針を知っておくだけでも、我々にとって大きな支えになってくれるはずです。
「天職」という考え方
本書で一番共感した内容。出世したり、成功するためには、「天職」を見つけることが大切だということです。ポジティブ心理学という分野の研究結果です。
人生の基本は「暇つぶし」だと思っています。一週間くらい寝なくても、お金がもらえなくても、ひたすら没頭できるような仕事を見つけることができれば、お金を使う暇がないので、お金は必要なくなりますよね。
暇な時間ほど苦しい時間はありません。走るよりも同じ場所にずっと立っていることの方が辛いのと同じで、何か熱中できる仕事や趣味があれば、人生が楽しくなります。成功も転がり込んできます。好きでやっている人にはかなわないのです。
高次元で目的を持つ
ポジティブ心理学者たちは、病院の清掃員にも、「汚れたものを片付けること」ではなく、「困難な状況にある人たちに美しいものを提供して勇気づけること」を仕事としているひとと答えた人がいたと明らかにしました。
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こういった、自分の得意とすることに対してより高次元の目的を持って情熱を傾けている人たちに、仮に同じ時間をかけて挑んだとしても「嫌々がんばっている人たち」はどうやっても勝つことができません。
via: P105
自分が一番喜び・やりがいを感じるものに、すべての行動を集中させることで、大きな成果を上げられます。
作業自体を目的にしてしまうと、人は疲れやすくなります。上記の清掃員は、掃除の作業を目的にするのではなくて、一つ上の次元から自分の仕事を見つめることができています。自分が本当にやりたいことは何か?つまり「ミッション」は何かを考えることは、成功への第一歩なのです。
ギフトを与え続ける
ちなみにお金の使い道と幸福度の関係ですが、物よりも経験、すなわち行ったことのない場所に旅行してみるとか、パラグライダーで空を飛ぶ経験をしてみることなどに使うほうが同じ額でも長期にわたって幸福度に繋がるという結果がでています。
またそれ以上に幸福度に影響するのは、大切な人にプレゼントを上げて喜んでもらうことなのだそうです。
via: P233
人はお金が絡むと、モチベーションが急激に下がることが心理学で証明されています。金銭的な見返りはとりあえず期待せず、周りの人々に尽くす、つまり「ギフト」を与えて、喜んでもらえることが一番幸せです。
与え続けることで、周囲から注目されるようになれば、社会的地位や金銭的な見返りは、後からついてきます。まずは、自分の天職と呼べる得意分野を見つけて、周りに与えることです。
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本書では、多くの人々が持つ悩みについて、学問的な答えを提示しています。
- なぜ、いくら頑張っても給料が上がらないのか?
- なぜお金が貯まらないのか?
- どうすれば楽して出世できるのか?
- どうすれば職場の人間関係はうまくいくのか?
- どうすれば仕事はうまく回るのか?
- なぜ、いくら仕事をがんばっても家庭がうまくいかないのか?
- それでも悩みのつきない日々をどう生きれば良いのか?
学者さんの考えていることはもっと高尚で、普通の生活には関係ない研究しているようなイメージがあるかもしれません。本書はとても読みやすい内容になっています。社会学や心理学に興味のある方は楽しく読めると思います。
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