ソーシャルメディアが普及して良かったなと思うことがあります。ソーシャルメディア上では、ネット上でビジネスやセルフブランディングをしかけようとする仲間同士で応援し合えることです。ちょっと前のSEO時代には考えられなかったことです。
SEO集客での交流は不毛
ネットビジネスの集客が、検索エンジンからの流入がメインだと、各々が「集客の秘密のキーワード」を持つようになります。交流と情報交換を求めてイベント等に参加しても、自分のことは極力話をせず、美味しいキーワードの探り合いになってしまい、まったく交流にならない、不思議な雰囲気に包まれます。
SEOはゼロサムゲームです。あるキーワードで相手が1位で、自分が2位だとして、順位がひっくり返ってしまうと、集客量も大きく変動します。誰かが上がると、誰かが下がるという、勝つか負けるかの力学で支配されています。
相手のサイトを自サイトからリンクを貼って紹介するなど、もってのほかです。被リンクはSEOの重要なファクターで、相手に塩を送るようなものだからです。いかに被リンクを集めて、発リンクを減らすかを考えているうちは、周囲と交流しても、何も生まれません。
Flowers / janoma.cl
みんなで応援し合って、自分も成長する
しかし、最近はソーシャルメディアからの集客が、検索エンジンを凌ぐほどになってきました。有用な情報は、シェアやリツイートといった強力な口コミによって、あっという間に広がります。
ソーシャルメディア上の影響力を高めるためには、フォロアーの数は重要です。SEOとは違って、ライバル同士で取った取られたといった争奪戦をする必要はありません。相手のフォロアーが増えても、自分のフォロアーが減ることはないからです。
お互いに応援しあうことで、両方のフォロアーを増やすことが可能です。相手の面白い記事やツイートを紹介して拡散すれば、自分の存在も広くアピールできるからです。自分の周囲を応援することで、自分自身も伸びていける、幸せな仕組みです。
Flowers my way. / graftedno1
ソーシャルはコストがかからない
実社会で他人を応援しようとすると、金銭や時間といった、何かしらのコストが発生します。SEOメインの集客にしても、発リンクすれば、リンクジュースが相手に渡ってしまうため、持ち出しのコストが発生します。ギブ・アンド・テイクがないと、長くは続かないでしょう。
しかし、ソーシャルメディアの場合、負担が小さいです。リツイートやシェア、いいねボタンを押しても、自分の何かを持ち出すことにはなりません。金銭的コストはゼロです。手間も時間もほとんどかかりません。ソーシャルメディアでは、純粋に「良かった」「後押ししたい!」という気持ちで、応援すれば良いのです。
Outdoor Flower Gardens / likeaduck
リアルで会って、より強固に繋がる
ある程度フォロアー数が増えてきて、影響力が高まってきたら、リアル交流に落とし込んでいきしょう。ネット上で生まれたつながりを、実際に会うことでつながりをさらに強固なものにできます。ソーシャルメディアの最終目的は、リアルで信頼できる人脈を増やすことです。@yamada_ntさんが言われるように、10人のリアルファンは、100人のネットファンに匹敵します。
イベントは東京で行われることが多いので、地方の方は不利?いえ、そんなことはありません。ソーシャルメディア上で影響力が低いうちにイベントに参加しても得るものは少ないです。それは、東京と地方のどちらに住んでいても同じです。地方で地道に活動をして影響力を高めて、なるべく大きなイベントに狙いを定めて参加すれば、多くのコネクションが得られるでしょう。
私自身、当ブログとソーシャルメディアで活発に活動するようになってから、お互いに応援し合える仲間が居るブロガー系イベントに引き寄せられるように参加して、楽しく交流させてもらっています。今後は、応援し合えないクラスタのイベントへの参加は、優先度を下げざるをえません。
Poppies,flowers in Montana de Oro State Park / mikebaird
ソーシャルを制するものは、SEOも制する
SEOは確実にソーシャルメディアに侵食されています。ソーシャルメディアで口コミが爆発すると、多くのツイート、ブクマ、そして、多くのニュースサイトで二次的に取り上げられることによって、多くの被リンクが集まります。サテライトブログを複数作って、本命サイトへリンクを集めるような、自作自演の旧SEO手法は駆逐されていくでしょう。ソーシャルメディアを制するものは、SEOも制するのです。
ネットとリアルは、更に融合して、境界線が曖昧になっていくはずです。身分を明かさず、素性もわからない人がこっそりネットで儲けたりして成功することは、今後は難しいでしょう。情報の量や質だけでなく、「誰が発信しているか」が重要になってきています。リアルと同様に、個人に信用を蓄積していかないと、穴の開いたバケツに水を貯めるようなことになります。
弱小の個人運営のサイトにも収益化のチャンスを与えたGoogleは、富の再配分をしたと言われています。しかし、今後は、信用が伴わないサイトは、収益化のチャンスは確実に減っていくでしょう。ソーシャルメディアのフィルタによって、検索エンジンのアルゴリズムの隙を突くような方法が、使えなくなるからです。
今後、ソーシャルメディア上の競争も激しくなっていくでしょう。そのうち、「セルフブランディング疲れ」みたいな言葉が、メディアを賑わすようになるかもしれません^^ おそらく今が最終列車です。乗り遅れてしまうと、先行者利益を得るチャンスを失うことになるでしょう。