「頭の回転が速い人」が、いつも考えていること

Cosmic rotation
Cosmic rotation / eimrA

chikirinの日記」は、毎回楽しみにしているブログです。ちきりんさん自身が考えたことを公開されています。ちきりんさんの、物事に対する深い洞察を読むたびに、「この人は何でいつもこんなに深いことを考えられるのだろう?」と思っていました。

自分のアタマで考えよう

既存の知識に縛られず、目の前の現象やデータから独自の意見を搾り出す意識が大切です。月間100万PVのブログの魅力の源泉を垣間見ることができました。

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行動するまえに「指針」を確認しよう

彼らが最初の会議で話し合うべきだったのは、こういった「我が社の意思決定プロセスはどうあるべきか」という議論だったのです。

ところがそれを飛ばして闇雲に情報を集めはじめたため、ただただ忙しいだけで結論は出ず、いつまでも延々と会議を続け、大量の無駄な作業が発生してしまったのです。

企業などでチームで行動する場合は、先ず最初に「ミッション」「価値基準」といった、意思決定プロセスを決めておく必要があります。各々が独自の判断で行動していても、何も達成できません。


Compass Study / Calsidyrose

すべてを満たすことは不可能です。重要視すべきは、コストなのか、デザインなのか…、顧客の心に突き刺さる、エッジの効いたコンセプトを打ち出せるかどうかが、ビジネスや社会活動では大切なことです。

「ぜんぶ大事」は、何も大事にしないのと同じ

政治家も政党も個別政策ではなく、「日本は今後、どんな国を目指すのか」という「目標の姿」を掲げて政権を争うべきなのです。(中略)

判断基準をもたないまま、目の前に出てきた政策をひとつづつ、「この政策は大事か?必要か?」と個別検討していたら、すべての政策が「大事だ!」「必要だ!」「予算をつけるべきだ!」という結論になってしまうのは当然です。

日本の政策は「ぜんぶ大事」になっています。赤字国債を発行しすぎて、ただでさえ予算が足りない状況で、すべてを満たすことは不可能です。「経済を復興させるために、ある一定期間は社会保障費を抑えて、育児や教育関連予算を増やす」といった、明確なビジョンを打ち出して上で注力していかないと、みんな中途半端になってしまいます。

以前にも述べたように、今の政治の仕組みだと、「子供手当て」には賛成だけど、「高速道路無料化」には反対の意見の場合、誰に投票してよいのかわかりません。


第21回WebSig会議「2008年を振り返り、2009年の Web 業界を考える」 WebSig Conference #21 (Akihabara, Tokyo) / jetalone

政党はなく、自分と考えの合う立候補者さんに投票したいです。政党の方針とか関係なく、優秀な方々に、今後の日本について徹底的に議論して考えてもらって、出た結論にしたがって我々は行動すれば、一番上手く行くはずです。

頭の回転が速いとは?

「今得た情報をもとに、こんなに短い時間であんなにおもしろいことを考えつくなんて、頭の回転がとても速い人だ!」と思うのでしょう。

しかし、実際にはそれらの人の多くは、その場で考えているわけではありません。

待っていた情報が実際に手に入ったとき、彼らはそれを頭の中の思考の棚にまるで、”ジグソーパズルの最後のピース”をはめ込むようにポンと放り込んだうえで、「その情報が存在したなら、こういうことが言えるよね」と、すでに考えてあった結論を「思考の棚」から取り出してきているのです。

つまり、それは、彼らの「頭の回転の速さ」を示しているのではなく、「思考自体がすでに完了していた」ことを示しているのです。

家電などの技術競争では、作りたい機能を徹底的に研究して、「あとこの技術さえ手に入れば完成する」ところまで行き着いておくことで、新技術が出たらすぐに商品化して、他社をリードすることができます。


zig-saw train 202pcs / torisan3500

頭の回転が速い人は、考えることを習慣化していて、「最後のピース」を待つネタをたくさんストックしているのです。

新聞やネットから流れてくる情報のなかに「おや?」と疑問に思うことがあったら、積極的に考えて疑問を解決することを心がけたいです。

名著を踏み台にする勇気

ちきりんは「古典や名著を読むな」と言っているわけではありません。本来は、「書物や授業を通して先人のすばらしき思考の功績を知識として学び、さらにその上に自分の頭で考える」のが理想です。

私が数学の問題の解き方を暗記しているときに、「オレの解き方の方がキレイだ」と言っていた同級生は、今は数学者になっています。

圧倒的なレベルの知識を目の前にしても、考えることをやめないのが本来のあるべき姿勢です。

何も考えずに昔の名著の内容を鵜呑みにして、主張の根拠とすることは危険です。長い時間のフィルターがかかっているとはいえ、いまの時代に本当に適している内容かどうかは分からないのです。


Do-It-Yourself Stepstool / cyanocorax

例えば資産投資はこの10年で大きく流れが変わってしまいました。名著と呼ばれた過去の書籍の内容が、現在の状況に当てはまるとは、とても思えません。

もちろん、名著と言われるものを読むことは重要です。その内容を踏まえた上で、新しい思考を積み上げることが必要なのです。

今日のわかった

私自身は「こうあるべき」という結論が先にあって、その結論を支持する根拠を集めていく文章の書き方をすることが多いと自覚してます。

賛成・反対意見が織り交ざった、もっと懐の深い文章を目指したいと思っているのですが、なかなか…^^;

知識や経験に縛られず、皮膚感覚の理由を探していくような思考を意識していきたいです。

読書2011
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