我が家も資産投資の一環として、アパート経営を考えています。去年からセミナーや、地元静岡の大家さん交流会などにも参加させてもらっています。
静岡の海沿いの土地は、引き取り手が付かず、値段が付けられない状況だと聞きました。3.11震災の影響です。
そもそも少子化な上に、住宅は供給過剰です。不動産の値段は下がっていくでしょう。いま慌てて物件を購入する必然性は感じません。
Crane / mrhayata
住宅は余っている
賃貸住宅の5割超が空き家というのは異常です。日本における賃貸住宅は明らかに「供給過剰」の状態にあります
地方では新しい賃貸マンションがドンドン建っています。大手ディベロッパーが、個人年金の確保と相続税対策、そして一括借り上げを売りに、遊休地の所有者に、アパート経営をプッシュしているのです。
しかし、世の中は少子化です。新築のころは入居者が入りますが、数年もすれば、周りに新しい新築マンションが建って、入居者は新しい物件に引越していきます。空き家は確実に増えているのです。
100_0483 / misawakatsutoshi
一括借り上げは打ち出の小槌ではない
家賃収入が老後の私設年金になるとか、最高の相続税対策とか言いながら、何のことはないただの建築営業じゃないか
大手ディベロッパーは「一括借り上げ」で、アパート経営のリスク回避をアピールします。一括借り上げとは、アパートを全室管理会社が借り上げて、入居者の集客を引き受けることです。物件のオーナーは、空室になろうとも確実に家賃を得ることができます。
きっとこう答えるでしょう。「賃料・借り上げ率の設定は当社基準でやらさせていただいており、原則として2年に一度見直します。ですから、家賃保証にはお応えできないのですが、当社規定のメンテナンス基準を満たしていただくなら、ご相談に応じることも可能かと思います」
しかし、一括借り上げは「家賃保証」ではありません。築年数が古くなれば、家賃を下げないと入居してくれません。定期的に家賃の見直しが行われ、家賃はドンドン安くなっていきます。もちろん家賃保証することもできますが、そのためにはメンテナンス料かかかります。果たして、ローンを全額払いきれるのでしょうか?
オーナーが安心していられるのはせいぜい3-4年。その後は設備更新のためのリフォームや入居者確保に追われる日々が待っているのです。
つまり、「一括借り上げ」は、大家さんのための保険に見せかけて、実は、建築業者側が絶対に損をしないシステムなのです。
住宅地 / mersy
アパート経営は相続税対策になるのか?
相続税対策とはいえ、何ゆえ新たな借金を作る必要があるのか不思議でなりません。それこそ、本末転倒ではないかと。
土地を相続する際、評価額に対して相続税が発生してしまいますが、土地の上にアパートを借金をして建てることによって、全体の評価額が低くなって、相続税の額をかなり減らすことができます。
相続税対策のために、新たに借金を作ってしまうのは、何か違う気がします。これからは、土地の価値はドンドン下がっていき、家賃も下がっていくでしょう。リスクを取って何千万もの借金をする必要があるのか疑問です。
私たちの世代にとってアパート経営は成功者の証であり、豊かさの象徴のようなもの。誰もが昔から憧れたポジションなのです。
それを目の前にちらつかされると、団塊の世代は案外もろいもの。
新たに何千万円、何億円もの借金をすることなど気にならなくなります。
それでも、アパート建築が止まらないのは、「アパート大家さん」のステイタスにあるでしょう。大家さんになることは、魅力的な人生の成功のゴールです。アパートも株式も、資産運用という意味においては、実は何も変わりません。
マンション / psycho.mato
これからアパート経営を始めるタイミング
私見ですが、円安になるまでは不動産には手を出さないほうが良いと思っています。土地の値段は、経済が潤わないと上がっていきません。輸出に頼る日本の経済は、もはや円安にならない限り、ジリ貧を脱出できないのです。
下がりきった地価で物件を購入できれば、価格競争にも勝つことが可能です。商売の基本は安く買って、いかに高く売れるかです。土地の価値と実経済の動きは、多少タイムラグがあるため、円高のトレンドを確認できてからでも、十分間に合うと思います。
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