先日久しぶりに映画を観て来ました。子供が生まれてからは、登る機会が減ってしまいました。こう見えてもクライマーです。
登山の目的とは何でしょうか?「登頂する・ピークを踏むこと」ではありませんよ。ぜひ考えてみてください。
山のリスク
山での滑落事故はニュースでよく耳にします。何で滑落なんてするんだろ?と、山に登り始めるまでは思っていましたし、登り始めてからも、しばらくは思っていました。
山道の途中で休んでいたとき、目の前を歩いているパーティーの一人が、すごく疲れた様子で、一瞬フラっとして、道から落ちそうになりました。寸前のところで体勢を立て直したため、滑落はしませんでしたが、あと一瞬遅かったら、確実に落ちてました。登山では飲み水を多めに持参するため、ザックが重くなり、足元のバランスを崩しやすいのです。
普通の平地であれば、転ぶだけですが、山の場合はそうはいきません。山肌にある山道は思いのほか道幅は狭いです。崖下に真っ逆さまに滑落する危険が十分あります。重い荷物に坂道で、しかも足場も悪いです。転倒は命を落とす危険があります。
時間を決めて、十分休息をとりつつ、ゆとりのある行程を組みます。夜明けとともに活動を開始して、昼過ぎには目的地に到着するくらいの計画が必要です。なぜなら、午後は天気が崩れる可能性が高いからです。昼飯を食べながら、ビールでも飲んで、昼寝をするくらいが丁度良いのです。
ということで、冒頭の問題の答えですが、はい、もうお分かりですね。登山の目的とは
「無事に下山すること」
です。私も天候が悪くて、登頂せずに下山したことがあります。勇気ある撤退は、登頂よりも素晴らしいと私は思います。
山の魅力
今回観にいってきた映画「岳」は、山岳救助ボランティア「三歩」の活動を中心に、山の怖さと素晴らしさを描いたお話です。原作は漫画で、山岳事故の現場の悲惨な描写が多く盛り込まれていて、登山のリスクを十分理解することができます。
映画の中でも、悲惨なシーンは幾つか登場します。しかし、それ以上に、素晴らしい山岳の景色が、随所に見られます。あれだけ雄大な景色を見せつけられたら、いやがおうにも、登山の欲望がムクムクとわいてきます。
今年は梅雨明け早くなりそうで、夏山シーズンが長くなるでしょう。登山には絶好の年となりそうです。2年前に暴風雨と残雪で断念した、奥穂高の登頂を、今年は再挑戦してみようと画策中です。登山の目的をしっかり頭に入れてから、山に入ることを、肝に銘じたいです。
※岳は2008年のマンガ大賞に選ばれた、大好きな漫画です。
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