これまでの仕事のしかたを続けてよいのだろうか?という疑問は誰でも持っていると思います。大きな企業で働くことが、本当によいことなのだろうか?本当は何を目指すべきなのか?
「仕組みを作る」仕事をしていないと思う方は、要注意です。なぜなら、明日にはその仕事は機械やIT機器にとって代わられてしまって、仕事がなくなってしまうかもしれないからです。
_DSF8452 / snotch
市場が一瞬にして消滅する時代
アナログレコード全盛期にはレコード針の会社が数多く存在し、製品開発や販売戦略でしのぎを削りましたが、やがて針を使わないCDが登場したことで、これらの会社はほぼすべて消滅しました。
現在では新しい仕組みが登場することによって、従来の仕組み=業界が一夜にして消えることも珍しくありません。同様に、もし音楽配信サービスがさらに一般的になったら、CD用部品の業界も苦戦することになるでしょう。
銀塩フィルムもデジタルカメラにほぼ駆逐されてしまいました。さらにパソコンの普及により、写真を印画紙に焼く習慣も消滅し、フイルムメーカーは大打撃を受けて、他のビジネスへの切り替えを余儀なくされています。
床屋さんだって、もし「髪の毛の伸びが1/2になる薬」が発明されれば、仕事は半分になってしまいます。パン屋さんも、ホームベーカリーの登場で、多少なりとも市場を食われているはずです。
「自分が定年退職するまでは安泰だろう」という考え方は、完全に捨て去ったほうがよいと思います。
The Pareto Principle / pshegubj
20:80で仕事をする
グーグルは、「20%ルール」を従業員に課していると言われます。これは、勤務時間のうち20%を自分のすきなプロジェクトに費やせ、というものです。このグーグルの20%ルールは先進的な取り組みのように思われていますが、これではまったく不十分だと私は考えています。
“本当”の20%ルールとは、既存の仕組みを回す仕事を勤務時間の20%で終わらせ、80%を新しい仕組み作りに当てるというものです。
もし「本当の20%ルール」を、今の職場で実践することは絶対に無理という方は、要注意だと思います。他人が「”本当”の20%ルール」を実践するための駒として使われている可能性が高いです。IT機器や機械に取って代わられてしまうかもしれません。
まずは少しでも作業を効率化して仕事量を減らして残業もなくして、「本当に自分のやりたいこと」をはじめる準備を始めるべきでしょう。いつ仕事がなくなってもよいように。
「緊急ではないけど大切なこと」を継続して意識することが必要です。
Tsukimachi Waterfalls / 月待の滝(つきまちのたき) / TANAKA Juuyoh (田中十洋)
本質にさかのぼる
自分たちに求められている(と思っている)本質的なコトを疑ってみましょう。それが生き残り戦略につながります。
たとえば、ネジを作っている会社なら、よりよいネジをつくるということだけでなく、モノとモノをくっつけるコトを求められていると考えてみるのです。
もしかしたらネジではなく、接着剤、あるいはまったく別のくっつけるモノやサービスが解になるかもしれません
例えば前述のフィルムメーカーであれば、「フイルムで撮影して印画紙に焼く」というビジネスモデルが崩壊する前から、写真の役割の本質である「綺麗なイメージ画像を保存して楽しむ」まで溯って、自ら「デジタルカメラ」を開発しました。
まさに自分で自分の首を絞めるような行為ですが、それをしないことには、他の電機メーカーに市場を全部奪われてしまうため、前もって新しい仕組みを作っていたのです。
zig-saw train 202pcs / torisan3500
最後のピースを待つ
19世紀、動力付き飛行機を実現できると考えた人がいましたが、重い蒸気機関では不可能でした。その後、軽量のガソリンエンジンが登場したことで、ライト兄弟は動力付き飛行機を飛ばすことに成功しました。
あと1ピースがあれば、実現できるというところまで、物事を具体化していおき、必要なピースがでてきたら、すかさず拾いにいく。
例えば、写真の弱点は、決定的なシャッターチャンスを逃してしまうことです。連射機能を利用すればカバーできますが、あっという間にメモリを消費してしまいます。でもよく考えれば、今後メモリの大容量化と、CPUの高速化、バッテリの性能アップが進めば、最初から超高画質の動画で撮影して、あとで写真として切り出せば、シャッターを切る必要はありません。録画ボタンを押すだけです。
最近のハイビジョンムービー機器はその理想にかなり近づいています。上記のピースが揃えば、近い将来は、デジカメとムービー機器が融合して、デジタルカメラという概念なくなってしまうかもしれません。
現実は無視して、最初に「究極の理想の姿」を考える。そして、現時点で足りない箇所は何かを考えていく方法は、「新しい仕組み」を作るための、強力な方法です。
Tama Zoo_82 / ajari
自分にしかできないこと
人間にしかできない仕事はどんどん少なくなっています。本書では「仕組み作りこそ本当の仕事」であると、繰り返し主張されています。
ところが、「仕組みを作る作業」すらも、アジアの労働力に取って代わられようとしています。日本がゆとり教育とか言っている間に、アジアの諸各国は子供たちを徹底的に鍛え上げて、最新技術をスポンジが水を吸い込むように吸収しています。
となると、資源もなく、技術立国という地位も揺らいできた日本で生きていくには、ブログは重要なツールになっていくはずです。自分のブログは、自分にしか更新できません。毎日ネタを探して、文章を考えていれば、それなりにクリエイティブに時間を潰すことができますし、自分を紹介する道具として機能して、仕事を得るチャンスが巡ってくる可能性も高くなります。
これにちなんで、私は「十分に発達した仕事は遊びと区別できない」と提唱します。ここで言う仕事とは、これまで本書で述べてきた「仕組みを作る仕事」に他なりません。
もし仕事がなくなっても、暇つぶしと、ちょっとした小銭を稼ぐためののブログがあれば、幸せに生きていける気がします。頑張ってブログを更新していこうと思いました。
コメント
抜け落ちている点がある。組織について。
20%ルールはよくわかるが、自分が実践するのは当然だけど、10人の組織があれば、8人が新規事業をして、2人がルート営業をすれば良い。この配分が組織論になるんじゃないの?
通常は逆だけど、既存顧客が毎年いなくなるのは、どの業界でも同じだから、新規顧客をいかに獲得するかだよね。
金儲けって、実は何してもいいだよね。
パン売っても、ボールペン売っても。
でも、実際はパン屋はパンしか売らないし、ボールペン屋はボールペンしか販売しない。
どうしてだろう?と思う事が大切なような気がする。
『人生は冥土までの暇つぶし』という真理に同意です。
ほかに、元「PLAYBOY」編集長の島地勝彦氏も日経BPの
連載コラム『乗り移り人生相談』で同様の考えを披露
されていますよ。第4回『人生は冥土までの暇つぶし
だからこそ極上の暇つぶしが必要なんだ』がそうです。
因みに、これは今東光大僧正から伝授された人生訓で
その時に『遊戯三昧』という書を紹介されたそうです。
何処か小飼弾さんの“考え”と似ている気がしますね。
注:『遊戯三昧』は仏の境地のことであり
『遊戯』は心に任せて自由に振る舞うこと
『三昧』は夢中になってひたり切ること