あなたがソーシャルメディア上で見向きもされない理由 -マキコミの技術-

企業がソーシャル・マーケティングを試みる際に、ブロガーをどう巻き込んでいけばよいか?逆に、ブロガーが周囲から上手く巻き込まれて、周りを巻き込むための土台とはなにか?

マキコミの技術

個人的には、来年2011年は、ソーシャル元年となると考えています。ネットで食っている身としては、ソーシャルメディア上でもっと活動していくべきだと思っています。

年の瀬という節目にこの本に出会えたことに感謝します。「最前線から見た、ソーシャルメディア・マーケティング」を知れたことが、来年以降の自分の人生戦略を考えるきっかけになりました。

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時代は確実にソーシャルへ移りつつある

一応会社の社長をしてますが、企業側からの話は規模的に無理なので、後者の「個人ブロガー」としてのスタンスで本書は読みました。

私がソーシャルメディアマーケティングに、ずっぽりハマってしまったのは、私自身が、グーグル検索よりも、ツイッターを筆頭としたソーシャルメディアから情報をもらって行動することが多くなってきたと実感するようになったからです。

ソーシャルメディアに注目が集まる中、2012年の消費行動プロセス予想として「AISA」という言葉も登場しています。これは、気づく⇒興味を持つまでは同様で、検索する代わりに「ソーシャルフィルタリング」、つまりソーシャルメディアで聞く、という行為を通して、購入するかどうかを判断する、というものです。

購買心理学でもっとも有名なのAIDMA法則は、AISASを経て今後はAISAの法則へ移行しつつあるそうです。ネットで商売をする私にとっては、身震いのする話でした。

今年私がなんとなく感じてきて、ブログやツイッター、Facebook上での活動に力を入れ始めた理由は、このAISAの法則がネット上を支配し始めてきたことに、無意識に反応していたのだと思います。

存在感が無いことには始まらない

「ソーシャル時代がやってきた!周りとの連携が重要だ!さっそくはじめよう!」

と思っても、ソーシャルの恩恵を受けることは、そう簡単ではありません。ソーシャル時代の恩恵を受けられるのは、有名人と有名企業、一部の有名なブロガーだけです。

ネット上で存在感の無い人が、ソーシャルメディアを利用しても、知り合い以外からは、誰からも相手にされません。

本書によれば、ソーシャルメディア上での土台は「コツコツ継続」とあります。これが一番の肝だと、私は思います。「自分の発言をネット上にいかに多く表示させることができるか」に尽きるのです。

とはいっても、そのまま鵜呑みにすることは、ちょっと危険で、コンテクスト(文脈)を読みとる必要があります。著者のお二人は、ブログ創世記の頃からブログを始めた方々です。ネタフルのオープンは2003年7月、みたいもんは2004年1月だそうです。

当時はブログ自体に新規性があって、著者たちは、地道にコツコツ情報を発信することで、リーディングブロガーの地位を築いたのです。

私が「金持ちサラリーマンへの道」をオープンしたのが2003年5月で、いわゆる「ホームページ」で、新しい情報を日々発信するのではなくて、情報をストックしていくサイト(今も)でした。ブログは2004年6月にスタートさせたのですが、日記の域を出ない内容でしたから、当時を振り返ると、著者達の新規性を実感します。私には毎日更新するなど、思いもしませんでしたので。

情報を運ぶ「コンテナ」はメールマガジンからブログへと変えていますが、やっていることは代わっていない、ということが重要だと考えています。

両者ともにメールマガジン・メーリングリストといったメールメディアから、ブログへの移行した点が興味深いです。最新の情報を発信することが得意だった方々だったのです。

今、同じように、漠然とブログやツイッターを更新するだけでは、何年やっても意味がありません。これだけ多くの人がブログやツイッターを使っているわけですから、著者たちと同じように、今の時代に合った、なにか新しい面白いことを始めないことには、ソーシャル上では見向きもされないでしょう

新しいこととは何なのか?簡単に言えば「目立つ」ことを目指せば良いのかなと思います。プログラムのできる人であれば、画期的なウェブサービスを公開したり、企画に自信がある方は、新しいメディアの創設だったり。面白い動画をユーチューブで公開しても良いでしょう。とにかく目立てば良いと思います。

目利きとしてのセンス・信用

ソーシャル時代では、サービスやコンテンツではなくて、「情報を発信する人」が主役だと思います。これだけ情報が氾濫すると、何が書いてあるか?ではなくて、「誰が発信しているのか」がより重要なってくると思うのです。

ただし、なんでもかんでも発信すればいいと言うことでもなく、ある程度の「情報の目利き」のようなセンスも問われることになります。情報のフィルターとして面白いネタを仕入れてきて発信し、他の人に情報源として頼りにされるような人は、特に印象に残りやすく、また、多くのつながりを得やすくなります。

ソーシャルメディア上では、下手な情報を流すと、信用問題にかかわりますので、おのずと情報がフィルタリングされていきます。グーグルが検索結果からのスパム除去に苦戦しているのを横目に、ソーシャルメディアが持つ強力な自浄作用が、今後、より注目され始めるでしょう。

ギブ・ギブ精神

情報を出す代わりに何かを得ようと考えても、たいていは上手くいかないものです。これは、ブログブーム以降特に強くなっていると感じる経験則です。考え方としては、「ギブ&テイク」ですぐに回収しようとするのではなく、見返りを求めずに与え続け、情報の発信を続けていく「ギブ&ギブ」が、大切になります。

ソーシャルメディア上で存在感を出すには、とにかく相手に、周りに与え続けていくことです。おそらく100を与えれば、10から20くらいは返ってくるくらいに考えておけば、精神衛生的にも良いと思います^^

逆に考えれば、もし100をもらいたければ、500から1000与えれば良いのです。大変かもと思うかもしれませんが、ネットを利用するコストは格段に下がっています…、ていうか、ほとんど無料ですので、ちょっとしたことか始めれば良いと思います。

他の人のツイートに、コメントをつけてリツイートしてあげる、はてブをしてあげる、ブログ記事で他の人ブログに言及する、思いついたIT関連のチップスをブログで惜しみなく紹介する、などなど……。特にノウハウは、自分が秘密にしても、きっと誰かが公開してしまいますので、公開したもの勝ちです。

ただし、ギブギブするときは、ギブギブしたことを相手に伝わるようしないと、信用が蓄積されませんのでご注意を!その辺は自然に華麗にこなせるようにしておきたいです。

成功の反対は無関心

ソーシャルメディア上で存在感を出していくには、目立たないといけません。ただ、目立とうとするあまりに、やりすぎて反感を買ってしまうこともあるでしょう。

でも、我々は何も得ていないし、なにも始まっていないのです。取れるリスクは、どんどん取っていくべきだと思います。

多少炎上しても、何も反応がないよりは、すばらしいことです。有名でないうちならば、すぐに人々の記憶から消えてしまいますので、ご安心を。

いずれにしろ、ソーシャルメディアにあふれている自社への問題、不満、疑問なそを見つけることができたらラッキーです。そこをベースにして、ユーザーの行動を観察できるわけですから。ソーシャルマーケティングにおいて、成功の反対は、炎上ではなく、無反応です。

ごく少数のコメントに惑わされないように、しっかり自分をもって活動していけたらなと思います。

【追記】
先日アップした記事「あなたのツイッターのフォロアーが増えない理由」の内容と、本書の内容が被る箇所が多くてびっくりしました。私の皮膚感覚はまんざらでもなさそうです。もっと自信をもっていこう!

各章にあるワークショップのハッシュタグ集です

  • 自分のリアカーブックスを開くとしたら#makikomi1
  • 「継続」できなかったブログの改善案を考える#makikomi2
  • 「つながり」を作るオフ会を企画する#makikomi3
  • あなたは誰と「マキコミ」したい?#makikomi4

今日のわかった

私もせっかく2004年からブログを更新していた(当ブログは2005年から)のだから、もっと積極的に活動していればよかったかなーとも思いましたが、私はブロがーというよりも、情報をまとめてコンテンツサイト・サービスを作る「パブリッシャー(出版者)」的なスタンスの方が得意でした。

コンテンツサイト・サービスの方が、これまではマネタイズはしやすかった反面、ソーシャル的には弱いので、来年以降はソーシャルに対応できるような仕組みを考えていきたいです。

読書2010
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コメント

  1. VALID SEO より:

    最近、こちらのブログ知りましたが、毎日面白いですねー!

    今日のマキコミ、ソーシャルメディアの威力というのは、なんとなく感じていたので同意見です。

    早速マキコミの技術購入させてもらいます!

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