実は私は無類の日本酒好きです。最近はダイエットのために日本酒は控えていますが、それでも月に一升は飲みます。
日本全国の日本酒を集めて飲んでいるというわけではありません。私が住んでいる静岡県の地酒を主に飲んでいます。だから、日本酒通ではなくて、「日本酒好き」です。
私なりに考えた「美味しい日本酒の選び方」を紹介いしたいと思います。
と、その前に、私の日本酒との出会いなどを少し。
5年ほど前に、我が家でホームパーティーをやった際、私のお酒の師匠が、一升瓶をもってやってきました。
そのお酒が、静岡県の銘酒「初亀」の純米吟醸でした。これが、メチャクチャ美味しかった。
私が日本酒に抱いていたイメージは、ローカル線で爺さんが飲んでいるワンカップの風味です。酔っ払って車内にこぼしたあの匂いは、とても美味しそうと思えませんでした。
ところが、この初亀純米吟醸はすっきりとしていて、「吟醸香」と呼ばれるお米の実に良い香りが、舌に染み渡る感じです。ワインに近いと思いました。
「自分の住んでいる地域に、こんなに美味しい地酒があるのか!」
私は感動して、その後かたっぱしから地元のお酒を飲み比べ、日本酒についても勉強しました。どんどん、日本酒の魅力にはまっていったのです。
なぜ日本酒はまずいと言われているのか?
スーパーなので売っている安い紙パック酒やワンカップ酒は、かなり残念な味です。これは、日本酒の製造方法に原因があります。
大手メーカーでは、日本酒を安く大量生産するために、できた日本酒に別に工業的に醸造したアルコールや、糖類を添加して、量を増やしています。この方法は物資不足だった戦時中の「三倍醸造技術」に端を発したもので、今もなお、安く作れるという理由で、日本酒製造方法の主流となっているのです。
ワインは、どんな安くても材料はぶどうのみで、希釈水と腐敗防止剤以外は添加されません。後から別に作ったアルコールを添加して製造するお酒は、日本酒だけです。これでは、「お酒風アルコール飲料」です。
日本酒は実はすごく手間隙がかかるお酒です。ワインはぶどうの糖分を酵母でアルコールに分解させるだけで作れますが、日本酒は、お米のでんぷんを麹菌で糖に変えてから、糖を酵母でアルコールにするという、二つのプロセスが同時に行われます。
また、アルコール自体は酵母や麹菌にとっては「毒」であるため、アルコール度数を上げることが難しい。ワインがアルコール度数12-3%なのに対して、日本酒は15%以上が普通です。
複雑なプロセスを経て、高いアルコール度数まで上げる、日本酒の醸造技術は、世界に誇れるものだと思います。
ところが実際には、日本酒を安く作るために、アルコール添加などが行われているのです。そうしないと、割高の日本酒はビールやワインに勝てないのでしょうね。肝心の味は、二の次になってしまっています。
美味しいお酒を選ぶルール
とはいっても、心配する必要はありません。
日本各地には、真面目に地酒を醸造している酒蔵が、どの地区にも存在します。地元の個人経営の酒屋さんに足を運んで、「この地区の地酒はどれですか?」と聞けは、いくつか紹介してくれるはずです。
どの地酒もきっと美味しいはずです。
但し、美味しい地酒を飲むためルールが一つだけあります。
それは、
「純米」と書いてあるお酒を選ぶ
ことです。もしくは、原料名の中に「醸造アルコール」と書いていないものを選びましょう。純米とかいてあれば、お米だけからつくったお酒となります。
それ以外のものは、醸造アルコールが添加(アル添)されています。地方の酒蔵でも、普通酒はアル添で作っていますので注意が必要です。
アル添されていると、お酒を下の舌に含ませたとき、ひりひりとして後に残るような感覚があります。一度飲み比べてみると面白いと思います。
本醸造、吟醸、大吟醸は?
「本醸造」って書いてあると、高級そうなお酒に感じませんか?これは全くの間違いです。本醸造はアル添酒のことです。
吟醸酒とはお米の周りを削って、中心部の真の部分だけを利用して醸造します。雑味がなくて、風味の良い美味しいお酒ができあがります。削る量が多いと「大吟醸」になります。
ところが、吟醸酒も「アル添」です。せっかくの吟醸酒を、アルコール添加で増やしているのです。
お米だけから作った吟醸酒は、「純米吟醸」「純米大吟醸」です。「吟醸酒」「大吟醸酒」と比べて、明らかにお値段が高いです。純米吟醸酒の一升瓶が2,000円以下で買えることはまずありませんので、覚えておくと良いでしょう。
純米酒が一番♪
確かに純米吟醸酒は風味が良くて美味しいですが、お米を半分くらい削ってしまうため、お米の風味が薄くなってしまいます。
純米酒の方が、お米の風味が残っているため、酒蔵ごとの個性の違いが良くわかります。
お店で飲むときには、私は「純米吟醸」⇒「純米酒」の順番で飲みます。純米吟醸は飲み口が良いので、あとから飲むと飲みすぎてしまうのでw
知らない土地では
旅先で、その地域の地酒を飲む場合は、注意が必要です。
食事処のメニューには、お酒の銘柄しか書いていないことが多いからです。
店員さんに「純米酒はありますか?」と聞くと確実です。きっと美味しい地酒を出してくれるはずです。
日本酒はどんな酒の肴にも合う、懐の深いお酒です。ぜひ、もっとみんなに飲んで欲しいなあ。
まだまだ、日本酒については書きたいことがたくさんあるのですが、今回はこの辺で。
コメント
純米崇拝主義も結構ですが、雑誌などの聞きかじりでデタラメを書くのは止めて下さい。
>杜氏さん
当記事で気を悪くされたのであれば、悪かったですm(_ _)m
素人の戯言ぐらいに思ってください。
私は個人的に純米酒が好きなので、これからも純米酒を中心に飲ませて頂きます。