10年前の誕生日。33歳を迎えた私は、禁煙を開始しました。
あれから10年。禁煙は軌道に乗りました。タバコの煙が臭すぎて、頭が痛くなってくるほどです。
禁煙のお陰で、人生を再構築できました。
タバコのメカニズム
独立起業のタイミングで禁煙を開始しました。禁煙する直前は、一日2-3箱吸っていました。おそらくあのままタバコを吸っていたら、起業は失敗していたと思います。
なぜなら、タバコは時間泥棒だからです。タバコ一本吸う時間は平均して4分でした。2箱吸っていたとしたら、4×20×2=160分=2時間40分です。一日2時間40分もの時間をタバコに費やしていたのです。
「別にタバコだけ吸っているわけじゃない。考えたり、作業しながらタバコを吸っていることもある」という意見もあるでしょう。その通りです。タバコを吸うと頭が冴えたり、作業効率が上がったりします。
しかし、一番の問題はそこです。実はニコチン中毒になると、たばこを吸っている時だけ、意識が正常レベルに戻るのです。タバコを吸っていない時は、ニコチン不足で、正常レベル以下に落ちてしまいます。
つまり、タバコを吸っている2時間40分だけ、正常でいられるということです。
タバコを吸っていない人は、ずっと正常です。たばこをくわえている限り、たばこを吸わない人には敵わないです。人生をかけた独立起業で、タバコを吸っている暇はないと思いました。
マラソンで自分の限界に挑む
タバコを辞めたら、ストレスのはけ口がなくなってしまいました。タバコってストレス発散になるのです。
しばらくすると、いつの間にか自宅の周りをジョギングしていました。軽い運動はストレス発散になります。
最初は1kmを走るのもゼイゼイでした。10年以上ヘビースモーカーでしたので。それでも、次第に体が慣れてきて、ゆっくりなら5kmくらい走れるようになってきました。
走っていてふと思い立ちました「そうだ!フルマラソンに出場してみよう」と。しかし、ジョギングを初めて1年くらいでは、フルマラソンを走りきれる走力はありません。
まずは、5kmレースから出場し、10km、ハーフと、次第に距離を伸ばしていきました。
そして、禁煙してジョギングを始めてから4年目の春、フルマラソンに初出場して、サブフォー(4時間以内)で完走しました。
その後もジョギングは続けて10年経ちました。現在の最高タイムは2015年3月の3時間10分58秒です。サブスリーが狙えるところまで来ています。
「やめる」の力
タバコをやめることによって、思考能力を正常に戻し、フルマラソンを走りきれる体力を身につけることができました。
「やめる」ってすごいパワフルだと思うのです。新しいことを始めるには、代わりに何かをやめないと、物理的に時間がとれないですよね。
テレビを観ることをやめたら、ブログを更新するようになりました。実は、わかったブログは、テレビの代わりだったりします。
新しいことを始めるのではなく、まず「これは要らないよな」というものをやめてみる。すると、良い習慣が自然と生まれて時間を埋めてくれるのです。
「やる」ために「やめる」
そういえば、世の中の成功法則は「やる」に集約されるそうです。でも、やるって難しいですよね。そう簡単に成功はできません。
思考を反対にして「やめる」ことから始めてみる。悪いと思っているものから、離れることで、スッキリします。
「やらないことリスト」を作ると、やりたいことが見えてくるって言われますよね。
同じことです。「やめる」「やらない」は、人の価値基準やポリシーを明確にします。まさにコンテキストそのものです。
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