いわゆる「ネット情報発信ビジネス」の限界と、ブログ論がはびこる理由

個人でブログやWebサイトを運営して収益を得るビジネスモデル。つまり「ネット情報発信ビジネス」が限界を迎えつつあると、最近特に感じます。

最近、ソーシャルメディアやブログなどで、ブログ論ネット情報発信のあり方について多くポストされているのを見かけます。

まさに、その様子こそが、「ネット情報発信ビジネス」の限界の象徴ではないかと思うのです。

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ネット情報発信ビジネスは、フロービジネス

ブログなどで情報発信するビジネスの肝は、集客です。とにかく多くの読者を呼び込む必要があります。なぜなら、収益源がアフィリエイトやアドセンスなどの広告だからです。

広告収入は、読者の数に比例します。もちろん、取り扱っているジャンルにもよります。金融系や美容系といった、広告単価が高いジャンルは、読者あたりの収益額は高くなりますが、読者は多いにこしたことはありません。

では、ネットでどうやって集客するかというと、検索エンジンからの流入に頼っているところがほとんどでしょう。検索エンジンからの読者は、明確な目的を持っていますので、広告もコンバージョンしやすいです。ネット情報発信ビジネスにとって、最もウェルカムなお客さんです。

まだネット上に情報が少なかった10年ほど前であれば、個人のブログでも、狙ったキーワードで上位表示が可能でした。

しかし、最近は、大手の新聞社や雑誌社がメディアを立上げ、資本にものを言わせて、良質なコンテンツを大量に投下してきています。狙ったキーワードで上位表示できても、すぐに別の記事に入れ替わります。

以前は、「一度記事を書いて、上位表示できたら、あとはほったらかし」で十分回せました。サイトは「資産」と呼ばれ、一度作ればあとは自動的に収益を生む「ストックビジネス」と認識されてました。

ところが、最近は追記やリライトをしないと、順位を維持できないのです。手のかかるビジネスとなってしまいました。ネット情報発信ビジネスは、フロービジネスとなってしまったのです。

フロービジネスは不安だらけ

フロービジネスとなってしまった以上、店先で野菜を売る八百屋さんと変わりません。

情報を仕入れ、記事にして、公開する。野菜を仕入れて売るのと基本的に同じです。

天気が悪ければ、お客さんは減り、野菜が大量に売れ残ってしまうこともあります。それでも毎日せっせと野菜を仕入れて、お店で売る。

最近はネットスーパーが現れたりと、ライバルはどんどん増えていきます。「明日はお客さんが来るだろうか?」と不安を感じながらの商売は、ストレスが貯まります。

ネット集客も、検索エンジンの順位が落ちれば、読者の数は一気に減ってしまいます。Googleの一方的なアルゴリズム変更などで、大きく変動することも良くあります。先日の健康・医療アップデートでは、多くの記事が圏外に飛ばされました。

検索エンジンに集客を依存した「ネット情報発信ビジネス」は、少なくとも個人レベルで展開するには、限界を迎えている感があります。

少しでもストック化する努力を

個人でネット情報発信ビジネスを続けていくには、検索エンジンへの依存から脱却し、収益構造を少しでもストック化していく必要があります。

ストックビジネスの理想は毎月課金です。ブログから、有料メルマガや有料noteマガジンの読者になってもらえば、毎月の収益を予想できるようになり、安心して眠れるようになります。

メルマガやnoteの利点は、新しいコンテンツを更新したことを読者に伝えることができる「プッシュ」型であることです。

ブログでも、ツイッターやFacebookページのフォロアーが増えてくれば、ブログ記事の更新をプッシュできるので、多少なりともストック的な集客ができます。

とにかく、検索エンジンの集客が続く間に、ストック化を進めることが大切です。

【参考】

ブログ論がはびこる理由

Twitterなどソーシャルメディアでは、ブログ論やアフィリエイト論が多く投稿されています。人それぞれ考え方とやり方は違うので、参考になることが多いです。

しかし、自分が信じる方法論以外について、難癖つけている発言もよく見かけます。正解は一つではありません。サッカーで例えれば、4-4-2と3-4-3のどちらが良いかを議論するようなものです。それでも、「自分は正しい」とアピールしたくなるんですね。

なぜ、そのような欲求が生まれるかというと、おそらく「不安」なのだと思います。ブログやアフィリエイトは、完全なフローとなってしまったからです。明日どうなるかもわかりません。

それでも、毎日生活しつつ、ブログやサイトを運営していかなくてはいけません。しかし、作業を続けても不安は払拭されず、自分がやっていることに自信がなくなってしまうこともあります。

そんなストレスを解消し、自分を奮い立たせるために、持論をポストするのです。そして、場合によっては、自分のやり方と異なる手法について怒り、攻撃し、自己正当化する。

「怒りとは、自己欺瞞である」と言われています。怒りとは、実は自分にも落ち度があることに気がつきつつ、自己を正当化するために、相手を攻撃することなのです。まさに、その通りですね。

【参考】

現代ビジネス3つのキーワード

現代のビジネスシーンで成功するキーワードは、

  • ストック
  • ツルハシ
  • スケール

だと考えています。ストックは前述したとおり。「ツルハシ」とは、金を掘るのではなく、金を掘るツルハシを売った方が儲かるということです。

スマホが伸びているのであれば、スマホケースを売れば、飛ぶように売れます。今盛り上がっているものに乗っかって、必要なものを売るのです。

スケールとは、一つの成功モデルを、水平展開できるということです。

たとえば、akippa (あきっぱ) という、自宅の空いている土地を駐車場として貸せるアプリは、最初は東京で展開。上手く回るようになった時点で、全国展開しました。上手くいけば、海外市場にも展開できます。広げるほどボロ儲けです。スケールできるビジネスは強いです。

現代はネット時代です。ネットの力を利用すれば、世界中にサービスを届けられます。個人でもスケールは可能です。

ブログやサイト運営にも、「ストック」「ツルハシ」「スケール」を織り込んでいくと、不安のないビジネスモデルを作れるかもしれません。

新たな情報発信ビジネスの形へ

「ブログに記事を書いて、広告を設置する」という、2000年台に入ってきてから続いてきたネット情報発信ビジネスの形は、疲労限度を迎えつつあります。

そういう時期だからこそ、新しい情報発信の形が生まれます。リスクを取った先駆者は多くの利益を享受できます。2000年初頭がそうだったように。

自分の方法を正当化するだけではなく、まずは「否定」してみることで、新たな形が見えてくるかもしれません。

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