最近のトップランナーのタイムマネジメントは、レース後半にペースを上げる「ネガティブスプリット」が主流だということです。
マラソンは「ネガティブスプリット」で30分速くなる! (ソフトバンク新書)
前半からペースアップすると、レース後半で確実に「35kmの壁」がやってきます。失速によるタイムロスは大きく、最悪リタイアの可能性もあります。ネガティブスプリットで、最後まで全力で走り切りましょう。
後半勝負は理想的
2013年東京マラソンでサブ3.5(3時間30分切り)を目指して、私は思い切ったタイムマネジメントを試みました。サブ3.5を達成するには4″58/kmくらいのペースが必要です。最初の10kmを5″10/kmくらいで我慢して、徐々にペースを上げて、前半の借金を後半で返済する「ネガティブスプリット」で走りました。
5km 26″09(5″13/km)
10km 25″55(5″11/km)
15km 25″17(5″03/km)
20km 25″15(5″03/km)
25km 24″56(4″59/km)
30km 24″38(4″55/km)
35km 24″42(4″56/km)
40km 23″14(4″38/km)
42.195km 10″04(4″35/km)
前半1’48″11 後半1’42″33
結果は3’30″10と、あと10秒足りませんでした。前半が遅すぎたのと、中盤の向かい風でペースが上がらなかったのが原因です。
それでも、35km以降は4″38/m、40kmからゴールまでは4″35と、怒濤の追い上げをすることができました。後半の方が6分以上タイムが早く、35kmの壁はなかったです。ほぼ理想的なレースでした。
これまでのレースは30km以降のラップが1分以上落ちてしまうことが多かったです。そんなに疲れるくらいなら、前半のペースを20秒/kmくらい落としてでも、後半まで温存してペースアップできた方が、結果的にタイムは向上できるのです。
フルマラソンの場合、レース直前に強いアップは行えません。疲れてしまうので。よって、スタート直後はアップする感覚で、足が温まるのをじっくり待ちます。足が温まらないうちにスピードを上げると、疲労が溜まりやすいのかなと感じました。
「楽に走れるペース」を鍛えていく
私はハーフで1″29″25のタイムを持ってます。平均ラップは4″14kmなので、5″00/kmぐらいであれば、楽に走れるペースと言えるでしょう。30kmまで5″00/kmで走って、その後ペースアップするネガティブスプリットができれば、余裕でサブ3.5を達成できる計算になります。
この「楽に走れるペース」をいかに上げていけるかが、トレーニングの目的になります。私はビルドアップ走とインターバル走をメインに行っています。本書でもビルドアップやインターバルといった負荷をかける練習は、最大酸素摂取量を向上して、楽に走れるペースを向上するのに有効だと書かれていました。
ただ漠然と走るのではなくて、途中でダッシュを入れたりして、短い時間でも強い負荷をかけていく方が、効果的に走力を上げられます。
足首を固定する
ふくらはぎが攣ってしまうことが多くて、フォームを意識したり、サプリを服用して改善してきました。それでもタイムが向上してくると、最後は攣ってきてしまいます。
なぜふくらはぎが攣るかというと、足首で地面を蹴っているからです。自分で気をつけていても、無意識に蹴ってしまっているのだと思います。わずかな蹴りでも、42.195kmだと蓄積の量はかなりのものです。
本書によれば、短距離の選手でも足首を固定して走っているとのことです。速く走るためには蹴りの動作はいらないのです。
そこで、最近はテーピングで物理的に足首を固定してしまうことにしました。無意識レベルでの蹴りの動作はなくなるはずです。
かすみがうらに向けて
4/21のかすみがうらマラソンに出場します。かなりマンモスな大会で、スタートのラッシュは必至。でも、ネガティブスプリットならスタートで多少遅れても問題ないです。むしろ、行きたがる体を押さえてくれるでしょう。
東京マラソンは5″10/kmで入りましたが、かすみがうらはちょっとペースを上げて5″00/kmで入る予定です。
5″00/kmで走っていればサブ3.5のチャンスは十分ありますので、あとは残りの距離と体力を考えて、イケると思ったタイミングでペースアップしていくだけです。おそらく30kmくらいからのペースアップになると思います。
これまで5回フルマラソンを走ってきて、ようやく見えてきたことがあります。フルマラソンは行けるところまで全力で走るとかではダメで、当初予定していたプランを、いかにトレースできるか。そして、ゴールできる見込みが見えてきてから、どれだけ追い込めるかにかかっているのです。