プロボクサーが引退して、今度はビジネスの世界で活躍していくストーリー。大きなビジネスをゼロから作り上げていく過程を学ぶことができます。全12巻を一気に読んでしまいました。
株式を公開して上場するまでの、ビジネスを急成長していく1-5巻は、誰でもチャンスがある話なので特に面白かったです。
本書を読んで共感した、ビジネスを成長させていく上で大切な考え方を紹介します。
シンプルイズベスト
いうなれば店の裏で作っているようなもの。
作って売って現金を手にする。
例えばケーキ屋、団子屋、総菜屋、豆腐屋、ハイテクだデジタルだと世の中騒いでも、実は商売、これが一番なんですよ。
via: 第五巻
他社から仕入れたり、販売を委託すると、売り上げ金を回収するまでに時間がかかる上に、コストも増加します。オンデマンド(要求に応じて)で、売れる分だけ作って、自ら販売するのがシンプルかつ儲かる仕組みなのです。
現代はインターネットや宅配網が完備されているため、ニッチな商品でも多くの人に届けることが可能です。アイデア次第では、自分で商品を生産してネット通販で販売するビジネスは成功しやすいでしょう。
ビジネスは王道を進め
俺は議に反することは一切しない、神様にこれを誓う。
やるだけのことはやる。尽くせるだけのことは尽くす。
しかし、神に背くことはしない。
だから後ろめたさは微塵もない。胸を張って堂々と歩く。
俺の商売は光の当たる王道をゆく。
正しいものにこそ運はもたらされる。
via: 第五巻
利益の源泉とは信用です。人を騙したり、人から奪ったりしてお金を稼ごうとしても、長く続きません。
誠実に良いものを作り、効果的にアピールしていくことを、愚直に繰り返す。着実に信用を蓄積していくのです。ビジネスの歴史はブランドとなります。
チャレンジの回数を増やせば、ヒットする可能性は高くなっていきます。成功するまでチャレンジを続けられれば、かならず成功します。
楽して儲ける
俗に…「楽して儲かる商売はない」というだろう…。
あれはね、大きな間違いなんだよ。
楽して儲けるのが本当の商売だ。
via: 第三巻
一年365日で一日24時間。人はみな同じ時間を持っています。にも関わらず、人によって日給が10倍100倍の差が出てきます。自らの労働力を増幅してくれる「仕組み」を持っているかどうかで、収入は決まるのです。
ビジネスとは汗を流して働くことではなく「仕組み」を作ることです。競争の激しいマーケットを避けて、自ら新たなマーケットを作ったり、驚異的な効率化を実現します。アイデアとセンス、そして実行力で勝負が決まるのです。
タバコ屋のようなビジネス
俺たちの店はタバコ屋のようなTシャツ専門店だ。
そしてタバコのようにTシャツを売る。
どこにでもあるような店ならやる意味がねえ。
やるならズバ抜けた個性が必要だ。
じゃ、個性とはなにか…?はっきりとしたわかりやすさだ。
タバコ屋のようにになにを売っているか、誰にでもすぐわかるように…。
via: 第三巻
どこにでもあるようなお店や商品では、周囲と比べられてしまい、激しい競争となってしまいます。何でもあるということは、何もないことでもあるのです。他とは違う、明確な差別化が必要です。
ウリが明確にわかるような店名、商品ラインナップ、キャッチフレーズ。すべてがよどみなく、シンプルで、わかりやすくお客様の興味にスッと入っていくようなビジネスプランを徹底的に考えることが、ビジネス成功の鍵となるでしょう。
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後半の上場後の話も面白いです。敵対的買収をしかけられたり、他社の買収の画策など。起業に興味がある方はぜひ一読をおすすめします。
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