マラソンは、力ずくで頑張ればなんとかなると考えている人は多いです。誰でも走ることはできますので。
しかし、フルマラソン42.195kmという距離を、それなりのタイムで走り切るには、ガムシャラに走るだけでは、うまくいきません。
マラソンはものすごくスキルフルなスポーツであることを、理解しているかどうかが、大きな差になってきます。
その理由とは?
少しのズレが蓄積する
なぜならマラソンは42.195km。たった1mmのフォームのズレでも、長い距離を走る中で、ダメージが蓄積されていくからです。
マラソンは心肺能力や脚力が重要です。しかし、ランニングフォームはもっと大事です。いくら性能の高いエンジンやタイヤを装着しても、ボディがガタガタだと、力をうまく地面に伝えることはできないのと同じです。
パンクしたタイヤで走り続けたら、自動車は故障してしまいます。悪いフォームで苦しいトレーニングを続けると、悪いフォームがさらに悪くなってしまい、ケガをしやすくなります。
理想的なフォームは気持ちが良い
良いフォームは、骨格の違いなどによって、人によって微妙に差がありますが、基本的なところは共通しています。
姿勢をまっすぐにして、胸や肩を張って、骨盤を立てて走るフォームが基本です。マラソンの国際大会のトップ集団のランナーは、全員骨盤が立っています。太腿ではなく、腹筋のあたりから脚を動かしていけると、体幹を使った走りができます。
体幹を使えると、走っていると気持ちよさを感じます。脚への負担を上半身に分散できるため、故障しにくくなります。
苦痛を伴う運動は、体に無理がかかっています。痛い動作を安定して再現することは絶対にできません。絶対にケガをします。体が心地よさを感じつつ、速く楽に走れるフォームを見つけていきましょう。
ゆっくり走っても良いフォームは見つからない
理想的なフォームを見つけるには、ゆっくり走るよりも、短い距離(数百メートル)を全力で走ってみることをおすすめします。スピードを上げると体への負荷が高まります。その中で、速く楽に走れるフォームを探していくのです。
骨盤を立てると、お腹周りの筋肉を使えるようになります。脚は後輪駆動のように回せるので、ブレーキがかかりません。
フォームが見つかったら、ゆっくりジョグするときでも、フォーム維持を意識しましょう。フォームが崩れたと思ったら、スピードを上げて確認します。
スピード練習は、心肺能力や脚力の強化だけでなく、フォーム矯正にも有効です。むしろ、スピード練習はフォームを作るために行うものと考えても良いでしょう。
ただ頑張るだけでは上にいけない
仕事でも、スポーツでも、ただ頑張ればよいのなら、誰でも成功できるはずです。しかし、実際にはそうではありません。
どんな事でも、それなりに極めようと思えば、ガムシャラにやるだけでは限界があります。しっかり戦略を立ててから取り組む必要があります。
感覚と思考を繰り返して、一番スピードが出て、気持ち良い動作を探していく。情報を集め、良いと思うことは試してみる。現状に満足せずに、常に上を目指していく。究極のフォームを探しにいく。
成長すること=変わること。
人生をかけて、自分の究極のフォームを探し続けていきます。