マラソンで腰高意識は大切です。しかし、何でもやり過ぎると弊害があります。腰高すぎると、逆に脚が動かなくなってしまうのです。
少し腰を下げるイメージで走ると、リラックスできます。ストライドが伸びることでスピードが楽に上がります。
腰低フォーム
ランニングフォームは、腰高が良いとされています。お尻が落ちてしまうと、骨盤が使えなくなり、大腿四頭筋や足首で蹴るような走り方になりやすいからです。腰高を意識すると、骨盤が立ってきて、骨盤を動かせるようになります。着地の衝撃を体幹で受け止められるようになり、脚への負担が軽くなります。
しかし、あまり腰高を意識し過ぎると、大腿が上げづらくなり、シザース動作ができなくなります。シザースとは、体の前で脚を回転する動きで、ランニングの基本です。
シザースができないと、ストライドが伸びなくなります。ストライドが伸びないのに、スピードを上げようとすると、足首で地面を蹴るような動きが入ってしまい、消耗しやすくなります。
腰高は大切なのですが、マックスまで上げるのではなく、ちょっと手前の緩い高さぐらいがちょうど良いです。骨盤も立ちますし、骨盤から脚を持ち上げる動きができるので、ストライドが伸びます。
陸上経験のない人のトレーニングは違う?
今回、腰高の位置とストライドの関係に気がついたのは、漫画家みやすのんきさんが書いたマラソン本、「走れ! マンガ家ひぃこらサブスリー 運動オンチで85kg 52歳フルマラソン挑戦記!」を読んだからです。
みやすのんきさんは、52歳でマラソンに再挑戦して、サブスリーを達成しました。世界トップレベルのランナーの動きを、普段から人の動きを描く漫画家さんの視点でするどく観察して、ランニングの動きを研究した内容が詳しく書かれています。説明するための絵も上手く、わかりやすいです。さすが本職です。
本書で言われている「腰低姿勢」「股関節の屈曲」を意識して、試しに走って確認してみると、確かに腰を下げた方が股関節がよく動き、ストライドが伸びて上手く走れるのです。先日のハーフマラソンの2日前に気がつき、即席で動きづくりをしてレースに出たら、1:25’04と、平均ラップ4’01/kmでハーフ(21.1km)を走り切れました。普段の練習では10kmでも無理だったペースです。驚きでした。
みやすのんきさんも学生時代の陸上経験なく、普通の一般ランナーです。学生時代から陸上経験があり、トップランナーだった人と、中年世代になってからマラソンを始める人では、トレーニング方法は違うと思います。私も陸上競技の経験が無いので、共感できました。
一般ランナーで伸び悩んでいる方には、お勧めの1冊です。
参考