村上春樹さんの作品を初めて読んだのは高校生の時でした。その独特な文体に引き込まれ、あっという間に読み終えました。
本作、「風の歌を聴け」を読むたびに学生時代の記憶が蘇り、夏の夕暮れやドライブの思い出が心に浮かびます。
村上春樹さんの作品が初めて読んだ本格小説だった
村上春樹さんの作品を初めて読んだのは、高校生の時期で、作品は「ノルウェイの森」でした。
今まで読んだことがない文体に、惹き込まれていきました。確かハードカバーで上下本だったのですが、あっという間に読んでしまった。
後に、村上春樹さんの文体は、日本語を一度英訳して、それをもう一度日本語に訳すことで作られていることを知りました。言語を往復することで、表現が明確でわかりやすくなり、それらを多角的に組み合わせることで、独特な厚みのある文体となるのです。
学生時代の景色が蘇る
そして、本作である「風の歌を聴け」は、最初にいつ読んだかは定かではありませんが、少なくとも大学生の時には読んでました。本作はこれまで、少なくとも5回は繰り返し読んでいます。
20歳の学生である「僕」が、夏休みに地元に帰省して過ごした様子を描いた作品です。ジェイズ・バーというバーで、毎晩ビールを飲むシーンがベースとなっていて、友人との会話、そして、たまたま介抱した女性との出会いなど。
夏の陽気さ、明るさ、そして夕暮れ時に感じる物悲しさ、ほろ苦さのようなものは、同じ学生として共感できました。
小説のシーンにならってドライブ
本作では、海辺にドライブするシーンがいくつかあって、そのシーンを踏襲するように、一人で海辺にドライブに行ったこともあります。
道の脇のちょっとした砂地に駐車して、海辺を少し歩いたあと、車に戻ってエンジンをかけて、さて帰ろうとしたら、タイヤがスタックしてしまって、砂地から出れなくなってしまった。幸いにも、通りかかったオッチャンに助けてもらえました。
本作のおそらく舞台であろう神戸に、学生時代に旅行したことがあります。たまたま高校時代の友人が、神戸の大学へ通っていたので、そちらの下宿でお世話になりました。2-3泊させてもらって、神戸の名所をドライブしたり、電車で大阪にも行ったかな。
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そんな、若い頃に見た景色が、本作を読むと、蘇ってきます。そして、夏の夕暮れはビールだよなと、改めて確認できました。
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