東京オリンピックで使用が認められた、ナイキ厚底シューズ。
トップ選手だけでなく、胸を撫で下ろした、一般ランナーも多かったのではないでしょうか。私もその一人です。
昨年、旧型のヴェイパーフライを履いてサブスリーを達成しました。規格違反のシューズのおかげだと言われるのは残念なので、今回の発表でホッとしました。
厚底シューズはランナーを引っ張る
私は2019年の春に、静岡マラソンと古河はなももマラソンの2レースで、旧型のヴェイパーフライを履いて出場しました。
- 静岡マラソン 2:58’38
- 古河はなもも 3:07’39
静岡マラソンは初サブスリー。古河はビデオ撮影しながら走りました。それでも3時間10分を切っています。
それまでの自己ベストは、3ヶ月前のつくばマラソンで3:01’04。あと一分少々のところまで来ていたので、そのまま薄型シューズで走っていても、サブスリーできたのかもしれません。
静岡マラソンは、前半のペースは予定より5秒/km速かったですし、後半もいつも以上に粘れました。厚底シューズでぶっつけ本番でしたが、上手く走れたと思います。
厚底シューズに引っ張ってもらえたという印象があります。
厚底シューズはランニングフォームを変える
さて、このナイキ厚底シューズを、一般ランナーが履くと、誰でも速く走れるのでしょうか?
個人的な印象としては、ただ履くだけではダメで、シューズに合わせてランニングフォームを調整する必要があると感じました。
シューズの性能に助けてもらうだけでなく、ランニングフォームをより高速向きに矯正していく効果の方が大きいと思います。
実際に、最初に履いて走ったときは、かかとのクッションがスカスカで、前に進みにくかったです。
自分には履きこなせない。購入して損したかなと思いました。
しかし、練習しているうちに、一番進みやすい走り方が分かってきます。かかと着地だと走りにくいので、着地を少し前に意識すると、程よく走れるようになりました。
それでも、走りは不安定。42km持つとは思えず、前日の夜まで投入を迷ったくらいです。厚底を履いている知人にメールしまくって、履くことを決断しました。
いきなり走らず、徐々に慣らす
厚底シューズを履いて、いきなり10km走ったりするのはやめておいた方が良いです。
使う筋肉が変わってくるので、思わぬ怪我をする可能性もあります。
靴の耐久性が低いので、もったいないという話もあります。初期モデルは160kmと言われていました。
まず厚底で1kmほど走って感覚を掴んで、その後元のシューズに履き替えて、感覚が残った状態で走ると良いと思います。
厚底シューズは主にふくらはぎの負担をへらす
厚底シューズの研究は進んでいます。先日のNHKニュースで、順天堂大学の研究結果が紹介されていました。
従来のシューズよりも、ふくらはぎの筋肉への負荷が減るとのこと。
マラソンは、ふくらはぎの筋力をいかに使わず走れるかが重要です。私もふくらはぎの痙攣には悩まされてきたので、厚底シューズがふくらはぎを使わない走りをサポートしてくれるのであれば、タイムが向上するのは納得できます。
実際、私も静岡マラソンでは、30kmからふくらはぎが攣り始めましたが、残り12kmを押し切ることができました。ふくらはぎの筋肉をサポートしてくれたのでしょう。
厚底シューズは自然な進化
トラック競技のシューズにはスパイクが付いています。棒高跳びの棒は、現在はカーボンですが、昔は竹だったとか。
新しいアイデアや材質のサポートにより、陸上競技は進化してきました。今回の変化もその範疇だと思います。
今回発表された新しい規制は、靴底の厚さは40mm以下、プレートは1枚までということです。
ナイキが現在開発中のアルファフライは42mmあり、プレートも2枚入っているということなので、これは無理でしょうね。さすがにやりすぎ感があります。
引用:How Eliud Kipchoge and the Nike AlphaFly Made History
繰り返しになりますが、厚底シューズによる一番の効果は、自分のランニングフォームが変わることだと思います。
ちなみに、廉価版のズームフライは、プレートは入ってますが、かかとのクッション材が違うので、ヴェイパーフライとは別物だと考えたほうが良いでしょう。
一般ランナーも、ぜひチャレンジしてみて欲しいです。自分の走りを変えるチャンスになると思います。