50歳を過ぎました。若い頃は色々目標があったのですが、それらはある程度達成してしまいました。
新しい目標が欲しいのですが、この歳になると目標って出てこないんですよね。これからは体力も気力も少しずつ衰えていくため、若い頃と同じようにはいきません。そんな時、本書に出会いました。
物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術
具体的な目標に向かって走っていくのではなく、どういう状態でありたいか? 幸せを感じながら生きていくにはどうありたいか?
人生の後半を、どんな物語の中で生きていきたいか?
そんなことを考えさせてくれる本でした。
なりたい「状態」を考える
多くの人は「億万長者になりたい」「部長になりたい」などの、具体的な目標を立ててしまいます。
目標を立てることは悪いことではありませんが、実現が困難であったり、実現するために手段を選ばないケースも出てきてしまいます。
本書が提案するのは、具体的な目標を目指すのではなく、どういう状態でありたいのかを意識するものです。
何か目標を目指すために、苦しみを感じる生活を送ってしまっては、本末転倒です。
幸せを感じながら生きていくには、どういう状態でいたいのかを考えること。それが「自分はどんなキャラであるべきか」を考えることに繋がります。
行動が自分を決める
自分がどんなキャラを演じれば良いか? といっても、そう簡単に自分は変われないと思うかもしれません。
ところが、人間は周りからの評価などを元に、自分の行動を決めている面があります。
周りから喜ばれることであれば、多少面倒でも、やり続ける。それが、社会の中で信用を得て、生きていくということです。
内面を変えていくのではなく、行動を変えていけば、人間は変われるのです。
環境が人間を変える
また、なりたい自分になるために、適した環境に身を置くという方法もあります。
著者はリクルート社出身で、社員のほとんどが起業を意識しているため、起業することが当たり前と考えるようになったそうです。そして実際起業してしまいました。
明治維新も、特別優秀なメンバーがたまたま集まったから実現したのではなく、外国からの圧力などで、改革が必要な状況にあったから、その時期を生きていたメンバーが立ち上がって改革を成し遂げたに過ぎないとのこと。
平社員が課長に昇進すれば、最初はぎこちないかもしれませんが、次第にリーダーらしくなっていくのは、会社勤めの経験がある方ならイメージしやすいと思います。
コロナ禍があり、以前属していたコミュニティの多くが、自然消滅してしまいました。再び立ち上げたり、探したりして、環境を変えていきたいです。
量は質を凌駕する
本書では、成功を作り上げるための方法として「質より量」を提案しています。
考え抜いて完璧を期すより、ある程度考えたら、あとは行動して物語を回すということです。
迷路にネズミを入れる実験では、最も早く抜けられるネズミは、事前の訓練で一番迷ったネズミだったとのこと。
マシュマロ・チャレンジ(マシュマロを積み重ねる)では、大学生よりも、とにかく色々試してみる幼児のグループが勝利。
美大での実験では、第一のグループには「一つだけいい作品を作ってくれ」。第二のグループには「クオリティは問わないから、とにかくたくさん作ってくれ」と指示をしたところ、第二のグループの方が良い作品ができたとのこと。
ブログの執筆、動画の制作なども、とにかく多く記事を書いたほうが良さそうですね。
「判断」と「決断」の違い
判断とは、データや資料を集めて分析した上で、ロジカルに今後の行動を選択することです。
決断とは、ロジカルに合理的な判断ができない場合、好みや勘を頼りに、今後の行動を「決める」ことです。
全て判断で回せることは少なく、少ないデータから「決断」しているケースが多いです。全て分析していては、話が進まないです。
決断が間違いとなることもあるでしょう。しかし、リスクがあるのであれば、予め回避方法を用意したり、対策をしておけばよいのです。
怖がりすぎずに、積極的に行動して、物語を回していきたいです。
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