チャレンジ富士五湖2018 100kmの部に出場してきました。スタート時の最低気温は5℃、日中は晴天で最高気温は27℃と、寒暖差が激しい気候の中のレースとなりました。
朝の涼しい間に距離を伸ばす戦略で、スタート4時間半後の9:00には50km地点に到達。狙い通りでしたが、その後気温が上昇するに連れて足が重くなり、タレてしまいました。
タイムは10:22’54とサブテンは達成できませんでしたが、サブ10.5は死守。厳しい気候の中で、そこそこ良い走りができました。
レース戦略
チャレンジ富士五湖2018に出場します。距離は100km。過去3度出場し、2016年にはサブ(10時間切り)を達成しました。
今年は、サブスリーと富士登山競走完走と合わせて、年間グランドスラムを目指しているので、サブ10は達成したい。
しかし、距離は100kmです。気候もどうなるかわかりません。
レース目標と戦略をまとめました。
サブ10死守からの自己への挑戦
今回のMUST目標は「サブ10死守」。そこからどこまで積み上げられるかです。
レース戦略は2年前のサブ10達成した走りを踏襲します。5’30/km以上のペースで50kmまで走り、残り半分は6’00/kmを維持してサブテンを達成します。
積み上げの部分は、後半どれだけスピードを上げられるかにかかっています。
レース戦術
100kmとはいえ、最初からダラダラ走ると、フォームとスピードが固定されてしまい、かえって苦しくなります。
スタート直後は5kmほど下りなので、そこで無理なく気持ちよく加速して、体にスピードを入れます。
フォームは省エネ。姿勢を良くして、前で足をさばいてスタスタ走ることを意識します。
軽量化
今回は4度目のレースということもあって、エイドの様子もよくわかっています。毎回ジェルを3本くらい持っていくのですが、今回は装備の軽量化のため、前半は1本、後半は2本に減らします。
エネルギー補給は、エイドの給食で済ませます。
56kmのデポで、ジェル入りのウエストポーチを付け替えることで、装備の軽量化と時間の節約をします。
ただし、後半は胃が固形物を受け付けない可能性があるので、必要に応じてジェルを多く持つようにします。
暑さ、寒さ対策
富士五湖は標高が高いため、朝は寒いことが多いです。山中湖へ向かう道中は氷点下だったことが多いです。
2014年4月20日 5時 0.8℃ 10時 3.8℃
2015年4月19日 5時 -0.1℃ 10時 17.9℃
2016年4月24日 5時 11℃ 10時 12.4℃
2017年4月23日 5時 3.8℃ 10時 10.5℃
手袋は必須。朝の気温に応じて、アームウォーマーやアンダーシャツ、静岡市指定ごみ袋を着用します。
ウェアもなるべく軽いほうがベター。朝の気温をみて判断します。56kmのデポでウェアを脱ぐこともできます。
寒すぎても、暑すぎても体に負荷がかかります。気候を肌で感じながら、柔軟に対応したいと思います。
レースレポート
前日-スタートまで
前日はスタート/ゴール地点の近くのホテルに宿泊。遠征時のお決まりのコンビニパスタと餃子、ノンアルコールビールを2本飲んで21:00には就寝。
2:00に起床。着替と足首のテーピングをしながら、お湯を沸かし、朝食はおにぎりと味噌汁。切り餅を湯煎で柔らかくして、スタートまでに4つ食べました。
身支度を済ませて3:00に出発。指定の駐車場はホテルのすぐそばなのに、大回りさせられる。駐車場の入口では渋滞。車を停めて、バスに乗ったのは3:30くらい。15分ほどで北麓公園に到着。4:30スタートなので、もう30分早くても良かったです。
手荷物と56km地点へのデポを手早く預け、トイレ(小)に寄って15分くらい前にスタート地点へ。ウェアは昼間暑くなるとのことなので、Tシャツにランパン、ふくらはぎにゲーターのフルマラソンのスタイルで。
4:30にスタート!競技場を出るところで、4:45スタートのチームメイトの声援を受けて、テンション上がる。
前半戦 -40kmまで
さて、この日の戦略は、「涼しい朝になるべく距離をかせぐ」です。スタート時の気温は8℃。山中湖湖畔は5℃でしたが、夜明けから急激に気温が上昇して、日中は27℃まで上がるとのこと。予想外の気候に戸惑いましたが、作戦を考えてきました。
5:30/kmを切るペースで、50km地点を4時間半の9:00くらいに通過して貯金を作り、後半は6分/kmで貯金を守りながら走ることにしました。暑い中ではスピードが上がらないでしょうし。
スタート直後は長い下りで、気持ちよく走れました。ここは飛ばしすぎは良くないけど、ある程度上げて、スピードを体に入れると良い感じです。
下りの後は、登りが。問題なく登れてます。昨年から取り組んでいる登りのトレーニングの成果です。
10kmのラップは51’38。平均5’09/kmで走ってました。ちょっと速すぎたかも。けど、気持ちよく走れていたし、この日は前半の貯金は大きいので、良しとします。
いつもは13.8kmのエイドの後のトイレに寄るのですが、混んでるようだったので、スルーで。次の17.4kmエイドの手前のトイレにピットイン。大が空いていたので、朝のお仕事。これで今日は安心。タイムロスを最小限にできました。
日中に気温が上がることを見据えて、朝のうちから給水は多めに。2杯取ることもありました。
山中湖からの富士山はきれいでした。これまでのレースで一番きれい。桜は散り際でしたが、残っている木もありました。
35kmくらいから、前半の正念場である北麓公園までの上り坂です。ところが、あっという間にクリア。こんなに緩やかだっけ? 坂練の成果を実感しました。今日はうまく走れるかもしれないと思いました。
中盤戦 40-80km
北麓公園からは長い下り。結構足に来ます。ゴール前ではこの坂を登る必要があると思うと、不安になりました。
富士吉田市の市街地は、信号が多く、何度か足止め。こればかりはしょうがない。河口湖を橋で渡り、50km地点を通過。4:33’17。予定通り約30分の貯金ができました。
気温はじわじわ上がってきていて、この時の道路の表示では19℃でした。おそらく一気に25℃くらいまで上がるでしょう。後半は6分/kmペースを維持する作戦で。
50km過ぎてから、少し体に異変が。足が重くなってきました。腿を高くあげるようにすると、歩幅が伸びてスピードが上がります。このフォームで80kmまで粘りました。
デポがある56.4kmの足和田出張所では、手早くジェルの入ったポーチを交換。ジェルを一つ飲み、給水。かけ水で顔を洗って、おそらく2分もかからずに出れたと思います。
西湖へ向かう急坂もしっかり登れました。やっぱり坂道強くなってる!
西湖湖畔はペースを維持できたのですが、気温が上昇してきています。風が暑い。
力をつけようと、63kmエイドでは吉田うどんを頂きました。
この辺から汗の量が明らかに多くなり、給水量を増やました。25℃だと1時間に800ccくらい汗をかきます。3-4杯飲まないと、追いつかないのです。
給水量が多くなると、エイドでの滞在時間が伸びてしまいます。貯金を食いつぶすようになってきました。
精進湖へ向かう途中の登りくらいから、体に疲労を感じるようになりました。
知人のエイドではイスに座らせてもらい、ジェルを飲みながら一休み。精進湖もペースは6分/kmくらいでそんなに悪くないのですが、エイドでどうしても長居してしまいます。
精進湖の一番奥にある70kmを通過して、「ここからは帰るだけだ」と少し元気になりました。
西湖への帰り道は長い上り。スピードは上がりませんが、ここもしっかり登れました。
再び、知人のエイドへ。この時点でぐったり。サブ10は無いなと思いました。ノンアルコールビールを一杯頂き、再出発。
ここからは下り基調なのと、ノンアルが効いたのか、体は軽い。ペースは上がらなかったけど、着実に距離が伸びていきました。
終盤戦 80-100km
80kmを通過。サブテンは無理となり、モチベーションが下がってしまい、一気にペースダウン。日差しはカンカン照り。暑さの中の死闘となりました。
一昨年のレースでも、足には来てたけどこの区間は6km/分で走れていました。この日は7km/分がやっと。80kmまではすんなり走れていたのですが、80kmからの区間は、なかなか距離が進まない。
腕にピキピキとした痛みが。腿を上げる動きをすると、必然的に腕も振るんです。腕にもダメージが来てしまいました。
河口湖の湖畔で、老夫婦に温かい言葉をかけてもらいました。キツかったので本当に嬉しかったです。
89kmのエイドで、梅干し入りのおかゆをもらって、少し元気に。
90kmを通過して、サブ10はダメだったけど、サブ10.5は行けそう。それだけは死守しようと、走りました。
ラスト10kmは登り基調。不思議なことに、この日はずっと登りの方がリズムが取れます。富士吉田市街地を抜け、河口湖フィールドセンターへ。
ここからチャレンジ富士五湖名物の激坂が始まります。とっておきのカフェイン入りジェルとコーラを2杯もらって、いざ坂道へ。
ところが、やっぱりこの日は坂道と相性が良いというか、確かに坂は急なんでしょうけど、傾斜をあまり感じず、リズム良く走れました。80-90kmよりも、90-100kmの方がラップが2分速かったです。
あっという間に3kmの坂を登り終え、後はゴールまで下り。ゴール前ではレース申込時に記入したコメント「アキレス腱断裂から復活し、自分の限界を追求したい…」を、MCの方に読んでもらいました。
キツイ一日でしたが、10:22’54でフィニッシュ!
レースが終わって
足に余力は残っていて、全て出しきったというわけではありませんが、100kmレースは無事に帰ってくることが大切。途中で何が起きるかわからないので、これくらいがちょうど良いのだと思います。
終盤の80-90kmはかなりタレましたが、80kmまではサクサク走れました。涼しい朝のうちに距離を伸ばす作戦は、結果的に当たりだったと思います。ゴールまでの距離が短くなるほど、気分的に楽です。気温が上る前に50kmを走れたのは大きいです。
ランニングフォームについても気づきがありました。ウルトラマラソンでは、終盤疲労が蓄積した中で数十キロを走らないといけないので、必然的に効率的なフォームを探します。
私の場合、腿を上げて股関節を動かす走りの方が、腿の大きな筋肉を使えて、ストライドが伸びて、着地もフラットになって良いなと感じました。
それと、坂道への自信を深めることができました。以前は坂道が大嫌いでしたが、アキレス腱断裂後、足首への負担が軽い登りのトレーニングを多く行った成果だと思います。
その代わり、下りがしんどい。これからは下りのトレーニングもやっていこうと思いました。練習すれば必ず強くなれると実感しました。
ウルトラマラソンの次の予定は未定です。もう二度と出場しないかもです。ですが、毎回そう思ってますし、しばらくすると他のレースを調べ始めたりするのでわかりません。
最後になりましたが、大会運営者、ボランティア、沿道の応援、そして共にゴールを目指した、全てランナーに感謝します。しんどかったですね!
参加賞のTシャツ
ちょっと地味ですが、NORTH FACEなのが良いですね!