モチベーション0で、人は100km走れるのか? チャレンジ富士五湖2019秋

チャレンジ富士五湖2018秋 100kmの部に出場しました。

年間グランドスラムを狙ってエントリーしたのですが、富士登山競走が天候不順で五合目打ち切り。かなわぬ夢となってしまいました。

目標が何もない状態での、100kmレース。40kmあたりから足が重くなり始め、お腹の調子は絶不調、足裏にはマメが。

リタイヤする理由はいくらでもありましたが、たった一つの言葉が気にかかり、結局最後まで走り切ることができました。

タイムは11時間53分33秒。タイムは散々でしたが、100kmのゴールはやはり格別でした。

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エントリーを後悔したチャレンジ富士五湖2019秋

富士登山競走後も、夏の間はそれなりに走ってきました。8月は179km、9月は197km。

7月の富士登山競走後、少なくとも1年くらいは、根を詰めて走るのはやめようと決めました。アキレス腱断裂から復帰して2年半の間、ずっと走り続けてきたので、少し休息を入れようかと。

夏の間は、のんびり走っていました。それでも、気温が下がってきた9月末くらいから、ラスト1kmは4分/kmくらいまでビルドアップ。足が疼き始めました。

チャレンジ富士五湖は、エントリーを後悔しましたが、とりあえず完走はできそう。ファンラン要素を強めて、のんびり走ろうと考えていました。

ウルトラ前には、いつもなら3週間くらい前に60kmくらいのロング走を行うのですが、今回はなし。そもそも、暑い日が続いていて60kmは無理でした。

目標も目的もなく、果たして100kmを走れるのだろうか? 人生初のチャレンジ。さてどうなるか。

スタートまで

レース前日は前泊しました。河口湖近くのビジネスホテル。

フロントでチェックインをしていると、隣の外国からの客さんが、何か揉めてるような。

私が着ていたチャレ富士のTシャツを見て、「明日、会場まで何で行く?」とのこと。

明日のレースに出場するのだけど、タクシーを予約が取れないらしい。

ということで、私が連れて行くことに。2:45にロビーで合流して出発することを約束しました。

夕飯は、途中のコンビニで買ってきたカツ丼と、どん兵衛のカップラーメン。ノンアルコールビール1本。

ラグビーのサモア戦を見ながらゴロゴロ。21時過ぎには就寝。

0:30くらいに、寝坊した夢で飛び起きるも、すぐに二度寝。

1:55に起床。朝からお腹がゆるい感じ。柔らかい便が豪快に出る。

朝食はおにぎり3つ(梅干し、鮭、赤飯)とお味噌汁。あと、スタートまでに餅を2切れ食べました。

2:30には身支度完了。ロビーに降りると、約束した方と合流して、車で会場へ。

話をすると、台湾から来たとのこと。これまでも東京マラソンや、大阪マラソンなど日本のマラソンレースを走ったことがあるそうです。

彼が走るのは118kmのレース。これまで50km以上は走ったことがないとか。大丈夫かな?

最初に、スタート地点へ向かいました。お互いの健闘を約束し、スタート時刻が早い彼をまず降ろし、私は駐車場へ。そこからバスで会場へ向かいました。

3:30には到着。スタートまで1時間。余裕はたっぷり。

トイレに入りましたが、この時は何も出ず。お腹は大丈夫そう。

この日の参加者は1,800人ほど。73kmの部のランナーはスタートが遅いので、スタート会場は春と比べて全体的に空いてました。

4:30に真っ暗の中、スタートしました。

スタートからジョギングペースで走る

最初は下り坂。真っ暗で怖かったので、スピードをセーブ。ジョギングペースで走ろうと思っていたので、ちょうど良かったです。

それでも下りはスピードが出てしまいます。5’03/kmのラップの区間も。

その後、コースは登りに。ペースはゆっくり目。フラットな区間で5’50/kmくらいを目安に走りました。もっと遅くても良いけど、あまり遅すぎても効率が悪いので。

とにかく頑張らないように走りました。

朝は涼しかったです。スタート時の気温が15℃。山中湖はもう少し下がったかもです。

トイレは面倒なので、給水は控えめに。日差しもなく、発汗も少なかったので。

30kmまでは、特に問題なく進みました。これなら、10時間くらい、あわよくばサブ10もギリギリ狙えちゃったりと思ってました。

40kmすぎで、疲れを感じる

ところが、36km過ぎの、北麓公園への登り坂あたりから異変が。

登りは得意なのに、体に重さを感じました。そして下り。全くペースが上がりません。

坂が終わって、どっと疲れを感じました。

しかも、左足の裏に違和感が。どうやら、マメができているようです。

この日は、ジョギングペース。常に余力を持って走ってきました。

しかし、なぜか明らかに足が進まなくなっています。

もしかしたら、給水が足りなかったのかもです。スピードは遅くても、気温が低くても、給水はしっかりとった方が良いと思いました。

44kmの大きめなエイドで、しっかり給水。

ここで、クエン酸があったので一杯飲んでみました。もしかすると、今思えばこいつがお腹不調の犯人かも。調べてみたら、クエン酸は、腸を刺激するそうです。

しばらく河口湖町の街中を走りました。信号が多くて、なかなかペースがあがりません。

大橋を渡り、河口湖の周回に入ると、急にお腹に異変が。

ふと前を見ると、タイミングよく仮設トイレが。しかも、空いてる! 慌てて駆け込みました。

トイレの後の爽快感って、全てを無にしてしまう感じがします。ひと仕事終えた感じとなってしまい、ペースはガタっと落ちました。

リタイヤを本気で考える

56kmにデポのあるエイドがあります。なんかこの日はうまく行っていないし、デポを受け取ってリタイヤでも良いかなと思い始めました。

私はレースに出場し始めてから十数年。DNF(Do Not Finish)は一度もありません。しかし、今回は100kmマラソン。まだ50km以上も走らないといけない。

リタイヤするための理由はたくさんありました。

しかし、ふと思い出しました。息子のサッカーのパパ友に今回のレースの話をしたら、

「目標がないのなら、子供たちのリーグ戦の必勝祈願で走ったら」

と言われていたのです。

このままリタイヤしてしまうと、リーグ戦で負けたら「お前のせいだ」と言われかねません。

それは嫌だなと思い、とりあえずもう少し頑張ってみるかと、走り出しました。

デポを受け取り、後半戦へ。

ペースは全く上がらず、7分台に落ちました。ですが、体は動いています。

おそらく脳が「ゴールはまだ先だぞ」と、体を騙しているのです。

とりあえず70kmまでは頑張ろうと思いました。

沿道の応援や知り合いtとのスライドから力をもらう

今回は、出場者に知り合いはいなくて、一人ぼっちのレースでした。

ところが、レース直前に知り合いと偶然遭遇。レース中もスライドしました。

知り合いが施設エイドを出してくれていました。

応援されると、元気がでますし、とにかく前に走らざるを得ないです。

後半はずっとお腹の調子が悪い

70kmを通過。チャレ富士100kmは70kmがちょうど精進湖の一番奥。これ以降は、ゴールへ帰るだけ。ちょっと元気になります。

それでもまだ30kmあります。二度目のトイレピットイン。腸がグーっと鳴ったり、ポコポコ言ってます。どうもおかしい。

腐ったものでも食べたかなーと、昨日や今朝の食事を思い出すも、思い当たる節はありません。

精進湖から西湖までの長い上り坂は、みんな歩いていましたが、意地で走り抜きました。

富士登山競走前に行った、上り坂練習の成果がでてました。最近は登りの方が得意です。

その後はラスト10kmまで、下り基調なので、気が楽になります。

85km地点で、二杯目の吉田うどん。往路でも頂いたので、二杯目は少なめにお願いしました。

ラスト10kmが近づくにつれて、足が動くようになってきました。脳がゴールを意識してきたのです。

しかし、お腹の調子が悪くなり、90km手前で最後のトイレピットイン。

名物のゴール前急坂を走り切る

ラスト10kmは登り基調。そして、最後に3kmほど急坂を登り、ラスト2kmは下りです。

ここに来て、急に走れるようになってきました。なぜこの走りをもっと速くできなかったのか。

93.5km地点に最後のエイドが。ここで満を持して、コーラ2杯頂きました。カフェインパワーで、最後の坂を攻略しようと考えていたからです。

ショッツカプチーノは、坂の直前で摂取しようと思いましたが、結局飲みませんでした。コーラパワーだけで、最後の坂を押し切りました。

坂の途中から雨が降り出しました。最後の坂で良かったです。防寒着を持っていなかったので、もっと手前だったら、低体温症などになっていたかも。

最後2kmは土砂降りラン。

色々トラブルはありましたが、なんとかゴールにたどり着くことができました。

トラブル続きのレースを終えて

もともと私はレース巧者といいますか。これまでのレースで、こんなに苦しんだ記憶はありません。

しかし、今回はトラブルのオンパレード。こういう経験も必要かなと感じました。きっと今後のマラソンや人生に生きるはずです。良いことばかりではつまらない。

モチベーション0で100kmを走りきれるか心配でしたが、なんとか走り切れました。自分で走りきったというより、周りに走らされたという感じです。まあ、それも良いでしょう。

パパ友の「目標がないのなら、子供たちのリーグ戦の必勝祈願で走ったら」というたった一言が、100kmを走り切る原動力になるなんて。

走る理由なんて、何でも良いことがわかりました。

タイムは散々でしたが、100kmレースのゴールは格別です。そして、レース後のお酒が美味しい。

最後になりましたが、レース関係者、ボランティアの皆さん、沿道の応援、そして、共にゴールを目指した全てのランナーに感謝します。

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