AmazonではKindle本を紙の書籍にして販売する仕組みがあります。Amazonが2015年から開始したサービスPOD(プリントオンデマンド)です。
先日頂いた和田さんの電子書籍の紙書籍版を、PODで購入してみました。
使い方を間違えなければ、電子書籍の収益を最大化できる可能性がありそうです。
電子書籍と紙書籍のいいとこ取り
出来栄えは普通の書籍とほとんど変わりません。注文を受けてから1冊づつ印刷、製本するため、出版社は在庫を抱えるリスクがありません。
読者家には「紙の書籍でないと」という人は、かなり多いです。多くの人に本を読んでもらうという目的にはマッチしたサービスだと思います。
中古本リスク
しかし、一つだけ気になることがあります。紙の書籍が出回るということは、中古本が流通するということです。中古本が出回ってしまうと、著者には一銭もお金が入ってきません。
電子書籍には中古本という概念がないので、売れ続ける限り、お金は入ってきます。だから値段を下げても、やっていけるのです。
電子書籍×オンデマンド出版は、うまく利用しないと、著者に対する電子書籍の利点を潰してしまう可能性があるのです。
高額設定でファン向けに
今回購入したオンデマンド本は、電子書籍版の価格の2倍に設定されていました。この価格差があれば、紙派の人でも、電子版を購入するでしょう。
オンデマンド版を購入するケースは、おそらく「電子版を読んで気に入って、紙書籍でも手元に置いておきたい」場合かと思います。そもそも数が少ない上に、中古本として出回る可能性は低いです。
オンデマンド出版は在庫リスクありませんので、もっと値段を上げても良いかもしれません。買う人は多少高くても買ってくれます。
低価格で電子書籍を多くの人に読んでもらい、一定割合のファンの方にオンデマンド版の紙書籍も買ってもらう。フリーミアムに似た仕組みで、収益を最大化する方法が、出版業界で広まっていくかもしれません。
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