私は2001年から2011年までの10年間、藤枝の駅近くに住んでいました。片田舎の古い駅舎が新しく建て替えられて、駅前は綺麗になりました。
駅周辺の一角にあるガラス張りのABCクッキングスタジオは、いつも多くの女性が料理を作っていました。
開放的でお洒落なスタジオを横目に楽しそうだなといつも思っていました。
先日、ABCクッキングスタジオはNTTドコモに買収されました。そして初めて知りました。ABCクッキングスタジオは、藤枝市が発祥であるということを。
地方で生まれたビッグビジネス
藤枝市は人口約14万人。サッカーで有名ですが、他は特に何もない街です。ABCクッキングスタジオはそんな街の駅前で1985年に産声を上げました。最初は駅近くの雑居ビルの1室からのスタートだったそうです。
どこにも遊びに行く場所が無い地方の街の20代の女性のニーズをがっちり掴んで、口コミであっという間に人気スクールへ。その後、横浜、東京、そして全国へ店舗を拡大していったということです。
ABCクッキングスタジオは、女性の社員を積極的に採用したそうです。普通の企業では男性上位が現実。積極的に働きたい優秀な女性が集まってきたそうです。女性のためのサービス展開の会社ですから、女性が運営した方が上手くいくの自然の理ですね。
地方だからこそ見えることがある
地方からでも面白いビジネスは作れるという実例を目の当たりにして、率直に「すごいな。やれるな」と感じました。何でも揃っている都会よりも、いろいろなことが欠乏している地方でしか見えてこないニーズはあるのです。
コネコネットという価格比較サイトがあります。運営会社は最近Yahooに買収されました。このコネコネットも元々は藤枝市に住んでいる方が自宅で開発したものが元になっていると聞いたことがあります。
地方でモノを安く買うには通販が便利です。どこが一番安いかをプログラミングでデータを自動収集して紹介したら便利だというニーズから生まれたサービスなのでしょう。
地方は不便だ、何もないと感じたら、その不足を補うようなビジネスを作れないかどうかを考えると、面白いことが生まれるかもしれません。
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