グルメ紹介記事で「美味しいです」という言葉を使うと、安っぽい文章になってしまいます。
同じように読書感想文も「この本は面白い」と書いてしまうと、いかにも表面的で、面白さは伝わりにくいです。
本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする〝読自〟の技術
読書をするのは自分。読書で得た内容を血肉にするのもしないのも自分。
読んだ本の内容だけでなく、読みながら自分で思考した内容を、大切にしたいです。
読書感想文は難しい
読書感想文は本当に難しいものです。
今僕は書評ブログを書いていますが、1冊の本の本質を的確に見抜き、短い言葉で表現するということは実に至難の技です。
そんな難しいことを子どもにやらせるなんてとんでもない。
via: P140
読書感想文は本当に本当に難しいです。弾さんの書評はいつも参考にさせて頂いています。
色々な文体で本の紹介をしてきた中で、当ブログでは本を読んで考えたことを記事にするスタイルに落ち着いています。「読書エッセイ」ですね。
本の内容をそのまま紹介してしまうと、ただのパクリ文章になってしまうと思うので、自分の考えを自分の言葉で書くように心がけています。時には本の内容とまったく違う話になってしまうこともあるのですが、外側をなぞることで、見えてくる内なる魅力があるかなと思ってます。
批判の作法
批判することは、その人の人格を否定することではありません。
本の中でも、学校でも社会でも、何かがおかしいと感じることがあったら、声を大にしていえなければいけない。
ただし批判するなら、必ず代替案もセットで用意すべきです。
via: P79
人の意見を単に批判するのは簡単です。一部分だけ否定すれば、全体を否定できるからです。いつも文句ばかり言っている人がいます。頭が良くなったような気になるのは良くわかりますが、端から聞いていて気持ちの良いものではありません。
とはいえ、批判してはいけないということではないです。物事の進歩は現状の否定から始まります。否定するだけでなく「こうすれば良い」という、改善の提案をすべきです。
改善の提案は「意見」ですので、同じように批判にさらされます。これで批判する側もされる側も対等な立場です。意見をぶつけ合うことで、新しい考えが生まれるのです。
偏見とは個性
したがって偏見とは自分の嗜好の財産に他なりません。
日本は他人と横並びであること、あまり個性を主張しないことを尊ぶ文化がありますが、これからは人と違う、ごこか尖ったところがあれば、それだけで食って行けるくらいに思ったほうがいい。
via: P112
人の弱点は人の個性の源とも言えます。完全無欠の人間が居たとしても、無機質で面白みのない人間でしょう。人は偏りを持っているからこそ、魅力的なのです。
「AもBもどちらも正しい」みたいな意見は、誰でも言えるのです。「AもBも正しい。しかし、私はなんとなくAが好き」のように、自分の感性を大事にしていくことです。感性フィルターは高精度で正しいです。ロジックはあとで付け加えればよいのです。
ロジックからは何も生まれません。ロジックとは感覚から生まれたアイデアを人に納得させるツールです。
読書で引き出しを増やす
金持ちになる人とは、いかに金を稼ぐかを考えている人ではありません。
自分の空想力で、金持ちになったときの自分のイメージを鮮明に描いている人です。
もう頭の中の自分は金持ちであって、あとは現実の自分とのギャップを埋めているだけなのです。
via: PP71
人は自分の頭の中でイメージできないものにはなれないです。しかし、本を読むことで、一時的に本の著者や、登場人物に成り代わって思考したり体験することができます。自分だけでは得られなかったイメージを手に入れることができます。
本をたくさん読むことによって、多くの引き出しをつくることができます。引き出しが多くなれば、新しいイメージやアイデアも生まれやすいです。アイデアとは、既存のアイデアの組み合わせです。
▼▼▼▼
しかし、同じ様な本ばかりを読んでいると、引き出しが増えていきません。
私はビジネス書を好んで読んできたのですが、最近は一回りしてしまった感があって、前ほど引き出しが増えていかない感覚を持っています。
本書には、全国の目利きの書店員さんからのお勧め本が多数紹介されています。どれも自分からは絶対に手に取ることはない本ばかりです。自分の読書の幅を広げるために、何冊か購入してみたいです。
コメント