私はランナーです。定期的にフルマラソンレースに参加しています。
「走りながら何を考えているの?」と良く聞かれます。距離と時間を確認しながら、風景をみながらぼーっと走っているだけです。
ビジネスの世界で「まずは始めてみて、走りながら考えよう」とよく言われます。現代のスピード社会においては有効な方法で、私も同意します。
しかし、「走りながら考えよう」とは「何も考えずに走り出す」ことではありません。マラソンレースの経験を通じて感じました。
マラソンは事前の戦略立案が鍵
フルマラソンは42.195km。自分のラン適性に合ったペースで走らないと、いわゆる「30kmの壁」にぶち当たります。特にスタート直後にスピードを出しすぎてしまうと、後半足に来ます。事前のペース計画が重要です。
事前にテストをして、一番良いと思うペースを探しておき、そのプランを忠実にトレースしていきます。行き当たりばったりだと失敗する確率が高くなります。フルマラソンとはそういうスポーツです。
ビジネスも最初に考え尽くす
マラソンレース中に難しいことを考えることはできません。考える作業は事前に終わらせて、レース中は走りに集中すべきです。そして、プランから外れてしまった時のみ、どのようにリカバリーすれば良いかを考えます。
これは、ビジネスにも通じると思います。考えられることは考え尽くしてから業務に取りかからないと、業務に集中できません。
業務を進めて行くうちに状況が変わって、方針が変更になる場合は多いです。しかし、元々の計画・仮説が無いと、何が上手くいって、どこが上手くいかなかったか検証できないのです。
「走りながら考えよう」は、「行き当たりばったりでいこう」という意味ではありません。
周到な計画を立てた上で行動する。もし計画から外れたら、その都度対応していくという意味なのです。
東京マラソンで得たもの
東京マラソン2013に出場してきました。サブ3.5(3時間半以内)を目指して、計画的にラップを刻んで良いタイムを残す事ができました。残念ながら、目標には10秒足らず。
レース中盤、計画通りペースが上がってこないことは認識していて、タイミングをギリギリまで見計らって、ラスト10kmで怒濤の追い込みをかけれました。レースが終わった後も、当初の計画に対して何が足りなかったのかを検証することができました。
行き当たりばったりや結果オーライは、上手くいけば良いですが、失敗してしまうと何も残りません。
経験を後々に活かすためには、事前にしっかり計画を立てるべきだと思います。