社会人にとって重要な能力とは、「論理的思考力」です。業務に関わるすべての人が納得するやり方でないと、仕事はうまく回りません。合理的な決定をするための「論理的思考力」は、社会人には不可欠です。最初から義理人情でまわす仕事などはありえません。義理人情は、突発のトラブルなど、どうしようもない時の最終手段です。
論理的思考力を身につけるには、専門のカリキュラムを受講できればベストです。しかし、そこまで面倒を見てくれる企業はごく僅かでしょう。独学で思考力を身につけるお勧めの本があるので紹介します。
「ザ・ゴール」シリーズ
論理的思考能力を身につけるための良書はたくさんあります。その中で私は、エリヤフ・ゴールドラット著の「ザ・ゴール」シリーズをお勧めします。小説形式になっているため、登場人物の身になって読みながら一緒に思考ができるからです。ストーリー自体が面白いので、一気に読めてしまいます。
一作目の「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」は、業務を滞らせる「ボトルネック」を発見して対策することで、業務を早くスムーズに進める方法を学びます。
二作目の「ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス」は、現状構造ツリーと対立解消図などのツールを利用して、問題の根源を見極めて、解消する方法を学びます。
この2冊を読むことで、制約条件の理論(TOC)という、問題解決の思考法を学ぶことができます。論理的な思考で考える意識があるだけでも、入社後の行動が変わってくるでしょう。
三作目以降の「チェンジ・ザ・ルール!」「クリティカルチェーン」「ザ・クリスタルボール」「ザ・チョイス」は、二作目までの内容をさらに深めていく感じです。これらの中で、特に「クリティカルチェーン」はぜひ読んでください。TOCをプロジェクトのスケジューリングに応用した内容になっています。
論理力とは人を納得させる技術
仕事を覚えてくると、自発的に提案をしたくなってきます。チームで業務を行うときは、チーム全員へコンセンサスを得る必要があります。いくら熱意をこめて説明しても、合理的でないと、受け付けられません。無駄な仕事が増えることは許されません。
論理力とは、自分がやりたい仕事を、周囲に納得させるための能力とも言えます。新しいアイデアは、思いつきや閃きから生まれます。人の感性はかなり正しいので、おそらく良い仕事になるでしょう。しかし、周囲とのコンセンサスが取れなけれれば、業務として行えません。その時、論理力が必須となるのです。論理力は、社会人としてビジネスシーンでうまく立ち振る舞うための、最も大切な能力・ツールなのです。
無駄な仕事はしない
社会人として大切な考え方は、「短時間で多くの利益を上げること」です。無駄なことはするべきではありません。無駄な仕事は、多くの人から貴重な時間を盗むことになります。重罪です。
よって、納得できない仕事は受けるべきではないし、人を納得できない仕事は、始めるべきではありません。そういう仕事は必ず無駄が潜んでいます。
「やってみないとわからない」は確かにそうです。しかし、やらなくても、考えればわかることは、あえてやる必要はありません。デキるビジネスマンは、まず考えることで、本当にやるべきことを選び抜いています。だから大量の仕事を処理して、多くの成果を生み出すことができるのです。良いキャリア、良い人生を送るために、論理的思考能力は不可欠です。
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