最近、外国人のコンビニの店員さん多いです。コンビニの業務は完全にマニュアル化されているため、日本語さえソコソコ話せれば、日本人である必要はありません。日本人の仕事が、外国人に侵食されているのです。
グローバル化の波にもまれて、最低賃金まで落ちていく業種もあれば、日本人であること自体が武器となって、今後も生き残れる業種も存在します。自分の立ち位置を把握して、今後のキャリアプランを練り直してみることは、決して無駄ではないはずです。本書のポイントを紹介しましょう。
日本人の強みを活かせ
本書によれば、向こう30年は日本は人口一億人を維持できます。大きな規模の日本市場がまだ残るので、国内でも、海外労働力に取って代えられない業種に就けば、当分は食いっぱぐれることはないということです。
日本に生まれて、日本の文化を熟知し、日本で人的ネットワークを持ち、日本語を高度に使いこなせないと出来ない仕事はたくさんあります。住宅や保険の営業といった仕事は金額が大きく、信用が必要になるため、外国人が参入しづらい職種です。ジャパンプレミアムです。
業種だと、JRや私鉄の鉄道会社や、バス会社、ガス会社といった社会インフラ企業は海外との競争がありません。電力会社は原発問題が顕在化してしまったので微妙です。
一方で、旅行業はどんどんネット化が進んでいます。経理業務は誰がやっても同じなので、海外へ一括してアウトソーシングしてコストダウンをするサービスが伸びています。インターネットの普及により、仕事は確実に減っています。
本書では、仕事を四つの分野「無国籍ジャンル」「グローカル」「ジャパンプレミアム」「重力の世界」にわけて、各々について詳しい解説をしつつ、グローバルな最低賃金に収斂する「重力の世界」だけには落ちないように警告しています。自分がどの分野に属するのかを、ぜひ確認してみることをお勧めします。
ネット業界は当たれば青天井
私はネット業界に身をおいていて、個人で日本人向けのウェブサービスを開発・運営しています。本書の4つの分野でいうと、「ジャパンプレミアム」に属しています。今後はアプリ開発により「グローカル(日本人の強みを生かしつつグローバル化)」へ。そして、海外展開することで「無国籍ジャンル(世界で実力勝負)」へ移動することも可能です。当たれば青天井です。
ジャパンプレミアムといっても、ネット業界はそもそも競争が激しいので、安泰はできない分野です。海外のサービスが一気に日本に広がるケースもあります。日本人向けのきめ細かいニッチなサービスに特化すれば、細々とやっていくことはできます。それでも今後はどんどん競争が激しくなっていくでしょう。
プロブロガーという職種
ブログ運営は、完全な「ジャパンプレミアム」です。影響力が大きくなれば、「グローカル」としても通用しますね。海外からの参入の心配は皆無です。日本語を自由に使えて、日本文化に熟知した上で記事をポストできないと、読者を増やすことは難しいからです。日本に住んで、自らの生活観を通して世の中をつづるブログは、日本人にしかできないです。
そういう意味では、「プロブロガー」は、グローバル競争にさらされない職種です。誰でもなれるわけではありませんが、なろうと思わないとなれない職種です。自分の強みを生かしてチャレンジしてみる価値はあると思います。
「重力の世界」にだけは落ちないように
企業に勤めていると、企業自体が重力の世界に落ちてしまうと、どうにもなりません。薄型テレビの大幅な価格下落により、シャープやパナソニック、ソニーといった大企業が、数千億円もの赤字を出しました。「価格が安くて綺麗に映れば、どこの国の企業のテレビでも構わない」という「重力の世界」に、まさかと思えるような大企業が引きずり込まれてしまいました。恐ろしい話です。
「卵は同じカゴに盛るな」という投資の格言にもあるように、自分の能力を一つの仕事に使うのではなく、グローバルに対応できるスキルに高める努力をしたり、副業にチャレンジするなど、より広い視点で自分の能力を開発していく姿勢が、これからは大切になっていくでしょう。
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