セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長の著書、鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」―セブン‐イレブン式脱常識の仕事術は、ビジネスマン必読の名著だと思っていて、定期的に読み直しています。
「顧客のために」と「顧客の立場で」とでは意味がまったく異なる、と本書では繰り返し述べられています。マーケティングする上で大切なことが凝縮されています。
常に顧客の期待の上を行く
「顧客のために」とは、自分のお客さんはこうあるべきだという勝手な決めつけが含まれているというのです。決めつけの根拠は、自分の過去の成功体験です。
今までこうやって上手くいってきたのだから、今後も同じ方法で上手くいくはずだという思考を続けていると、変わりゆく時代の流れにおいていかれます。
販売側も、日々の生活では消費者の一人です。「顧客の立場で」とは消費者としての自分の視点から、世の中を見ることです。普段の生活の中で、不便なこと、もっとこうすれば良いのにと感じる素人の視点が、新しい価値を生み出せるのです。
同じことを続けるだけでは、お客さんに絶対に飽きられます。常にお客さんの期待以上のものを提供し続けない限り、競争に飲み込まれてしまうのです。
セブンイレブンはハンバーグ弁当一つとっても、年間に何度もブラッシュアップします。商品の入れ替えや開発を短いサイクル行うことで「顧客の立場で」を徹底的に追求しているのです。
ネットマーケティングは大きく変化している
ネットはリアル以上に速く大きく変化しています。ちょっと前までのネットマーケティングといえばSEOが主流でした。よく利用されていたガジェット配布やプレスリリース等といった手法は、現在ではGoogleに作為的リンクとみなされて利用できません。
次にはFacebookやTwitter、はてなブックマークといったソーシャルメディアによるマーケティングが台頭してきました。良質なコンテンツをソーシャルメディアに流通させることで、直接アクセスを得ると同時に、口コミ拡散による外部リンクの取得が可能です。
そして今はGunosyのようなソーシャルストリームから自分に合ったコンテンツを自動収集してくれるサービスや、クローズドなコミュニケーションツールであるLINEなど、便利なツールが次々と生まれています。
そして、その中心に居るのがスマートフォンです。当ブログのアクセスの半数はスマフォからです。スマートフォンに最適化できないサイトやサービスの成長は限定的になるでしょう。
成長するとは「変わること」である
一段上のレベルに達するには、自分が変わらないといけません。100%ひっくり返すという意味ではなく、今の自分に新しいものを上積みしていくでもよいです。過去と比較して変化していることが大切です。
同じ事を繰り返していては、ほとんどのケースでは飽きられてしまいます。「変えない」で有名だったペヤングソース焼きそばですら、最近は激辛バージョンなど多くの種類を販売しています。商品が変わらなくても、マーケティング方法を大きく変えている場合もあります。
たまたま上手くいった成功体験で、同じスタイルで続けるだけでは、いずれ競争の波にのまれてしまいます。変化をし続けて、反応をもらって、フィードバックを繰り返していかないと、同じ場所に居続けることすら難しいでしょう。
コンビニでナンバーワンのセブンイレブンですら、トップの座を死守するために、ものすごい速さでがむしゃら泥臭い変化のPDCAを回しているのです。その貪欲な姿勢に学びたいと思いました。
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