ワーク・シフトを読みました。IT技術の進歩、エネルギー資源の枯渇、気候の変化、高齢化などの、人々の仕事や生活に影響を与える明らかな変化を根拠に、2025年の世界の姿を推測し、我々がどう準備していくべきかを詳細に検討しています。
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
本書では、これからは3つの働き方の<シフト>が必要であると述べています。
- ゼネラリストから高度な専門技能を備えたスペシャリストへのシフト
- 孤独に競い合う生き方から、ほかの人と関わり協力し合う生き方へのシフト
- 大量消費を志向するライフスタイルから、意義と経験を重んじるバランスの取れたライフスタイルへのシフト
驚いた事に、私の「スモールビジネス」が目指すところと重なる部分が多いのです。本書を内容を借りながら、スモールビジネスの将来について考えてみました。今回は「ゼネラリストから高度な専門技能を備えたスペシャリストへのシフト」についてです。
ゼネラリストは今ほど必要がなくなる
特定の企業内での調整しかできないマネジメント技術は、終身雇用制度が崩れた現代においては、何の役にも立ちません。ゼネラリストの得意とする広く浅い知識による思考や分析は、GoogleやWikipediaの登場によって誰でも可能になりました。
もちろんすべてのゼネラリストが不要になるわけではありません。技術の進歩が早く商品サイクルが短くなる現代において、時代の空気を読み取り迅速に判断できる、広いだけでなく深い知識を兼ね備えたゼネラリストが、組織のトップには必要です。中間管理職のポストはIT・コミュニケーション技術の発達で減少していくでしょう。つまり「スーパーなゼネラリスト」でないと、ポストが無いのです。
スペシャリストで生活する
これからは100歳まで生きる時代です。高齢になっても仕事を続ける必要があります。ゼネラリストに固執すると競争に破れた時に食い扶持がなくなってしまいます。これからの時代は、まずはスペシャリストになることを目指すべきです。
スペシャリストになるには「自分の好きなこと」に熱中することが近道です。仕事でなくても、趣味でもかまわないと思います。好きなことであれば、時間を経つのも忘れて没頭でき、周囲より抜きん出た技術や知識を身につけることができます。
好きなことを頑張っても、お金にならないと思うかもしれません。しかし現代はインターネットが普及しています。自分と似ている人が身の回りには居なくても、全国・全世界であれば10,000人くらいは居るでしょう。そいういった人向けに情報発信をすれば、それなりの収益を得られる可能性があります。好きな事をしながら生活できる仕組みとチャンスができつつあるのです。
好きなことを追求して、高度な技術を身につけつつ、収益も得られるスペシャリストであれば、定年はありません。収入は少ないかもしれませんが、好きなことを続けながら、満足度の高い時間を過ごせるのであれば問題はありませn。日々苦しい労働を我慢して多くのお金を稼いで、休日に高いお金を払ってバカンスで休息するような生活をするよりは、低コストで幸せな生活ができます。
すぐに仕事を切り替えろことは難しいです。将来のために、自分が本当に好きな事、熱中できる事は何かを探し始めましょう。子供のころに熱中したことにヒントがあるかもしれませんよ。
セルフマーケティングの重要性
今までは一企業に終身雇用されて、企業内の暗黙のレールに乗っていれば、出世して一定のポジションに就けましたが、これからは企業の合併&リストラがもっと大規模に行われるようになります。管理職でも簡単に放り出されるようになるでしょう。
セルフマーケティングを意識しましょう。企業内のポジションだけでなく、同業種内で周囲から認められるように、自分を効果的にアピールしていきましょう。または別の分野でプライベートで活動をして、存在感を高めていくのも有効です。
ブログは現代におけるセルフマーケティングの鍵を握るメディアです。自分の活動をブログに記録していきましょう。履歴書よりも効果的に自分をアピールすることができます。守秘義務などで業務を直接紹介できない場合は、ちょっとした教訓やハックに落とし込んでポストしましょう。特に失敗談は貴重なネタです。同じ失敗をした人にとって貴重な情報となります。
ソーシャルメディアを活用する
ブログをソーシャルメディアと組み合わせましょう。ソーシャルメディアは、ブログ記事を広く流通させることができます。本書では「ギルト」と呼ばれる、産業革命以前の職人たちがお互いを評価し合う同業者組合について紹介されています。ソーシャルメディアはギルトと同じような機能も持っています。リツイート数やフォロアー数は、ブログや記事に対する評価で、信用度の一つの指針となっています。
ブログ・ソーシャルメディアで活動を続けて、ネット上での影響力が大きくなると、セルフマーケティングへ繋がります。より多くの人にリーチできて、多くの反応を受けられるようになります。第二のシフトである「ほかの人と関わり協力し合う生き方」を実現するためにも役立ちます。
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