前回の「あなたのブログが7倍読まれやすくなる方法 」は、ツイッターやブログを通して多くの反響を頂きました。ありがとうございました。
前回の記事で紹介したとおり、既存のブログ記事タイトルに比べて、私が作成したタイトルの方が7倍選ばれたという結果は、予想外とはいえ、もちろん狙っていたわけですから、個人的には嬉しかったです。
東京湾 日の出埠頭 駐停車禁止 / puffyjet
「商品名やブランド名を入れない」は、わかりやすい説明だったと思います。
ただし、これは一部だけを切り取ったような話しです。
あれほどのパフォーマンスを得ることができたのは、実は、もっと上位の考え方である●●●●●理論をブログに持ち込んだ結果なのです。
今回は、その●●●●●理論を説明しながら、ブログ記事タイトルの付け方について、もう少し深く考えてみたいと思います。
マーケティング理論をブログに応用
私は最近、マーケティングに目覚めてしまい、マーケティング関連の書籍をたくさん読んでます。
種明かしをすると、今回の試みは、実はマーケティング理論を、ブログに応用しただけなのです。
といって、難しいことをしたわけではありません。「サービスの価値の対価として、お金をいただく」というマーケティングの最も有名で基本的な考え方を、ブログに応用しただけです。
ブログに置き換えると、
「ブログ記事の価値(おもしろさ)の対価として、
ページビュー(PV)をいただく」
とでも申しましょうか。
つまり、ブログのPVを増やすには、記事が持っている面白さを見極めて、効率的にアピールしていくことが必要だと考えたのです。
マーケティングとPRの実践ネット戦略 (ブックファースト) / dh
記事の内容からタイトルを決める
たとえば、私が昔アップした記事、
「超小型アンテナ&ワイヤレスレーザーマウス Logicool VX-N」
……。今の私ならば、こんなタイトルはつけないですねw
こんなタイトルはどうでしょうか?
「パソコンケーブルがグチャグチャになっているあなたへの朗報」
これなら読む気がしてくると思うのですがw
判断は皆さんにお任せします。
私が考える、ブログ記事作成の順序は以下の通りです。
- 仮タイトルを決めて、記事を書く
- 記事を読んで、読者にとって、もっとも価値のある部分を探す(書き手にとってではなく、読者にとって)
- 探した「ブログ記事の価値」を、読者が「自分のことだ」と思ってくれるようなタイトルを考える
- 新しいタイトルにあわせて、記事を推敲する
1)仮タイトルを決めて、記事を書く
上記の例でいえば、本当に伝えたいことは「ケーブルが無い快適なパソコンライフ」であって、ワイヤレスレーザーマウス自体は、ある意味どうでもよいことです。
商品が購入者に与える快適さや楽しさを、読者は知りたのかなと。スペックや機能の説明は最小限にして、使用感や実際の生活、気持ちの変化などをメインに記事を書いたほうが、面白い記事になると思います。
2) 読者にとって、もっとも面白い部分を探す
書いた記事を一度寝かせて、初めから読みかえしてみます。そして、読者が最も面白いと思う部分をひとつピックアップします。
注意して欲しいことは、読者が気になる事と、書き手が伝えたいことは必ずしも同じではないことです。
冷静に、読者にとって最もキャッチーな内容をピックアップします。
わからない場合は、「なぜ、この記事を書こうと思ったのか?」と、何度も自分に質問をしてみてください。記事の本質が見えてくるはずです。
3) 読者が「自分のことだ」と思ってくれるようなタイトルを考える
2)で選んだ「記事の価値」を端的に表現できるタイトルを考えます。ブログ記事を読んでもらうには、記事タイトルを見て、「あ、これは自分に関係あることだ」と思ってもらわないといけません。
読者が知らない言葉は使わず、平易な言葉を利用するようにします。上記の例で商品名を入れてしまうと、「レーザーなんて、危険だ。私には関係ない」と、敬遠されてしまうかもしれません。前記事のとおりです。
小学生が理解できるくらいの言葉を組み合わせてつくるくらいで、ちょうど良いと思います。
過剰にあおる必要はありませんが、多少強めのほうが、読者の心に突き刺さるようです。個人的には、擬音や「!」「?」といった言葉は使わないほうが、より深く突き刺さる感じがします。
キャッチコピーの参考書や、ホッテントリ・メーカーなどを利用してみるとよいでしょう。
ただし、記事の内容と関係ないことをタイトルにしてはいけません。
読者はタイトルを補助線にして、タイトルの内容を探しながら記事を読んでいます。
タイトルと記事がマッチしていないと、信用を一気になくしますので注意してください。記事を書いたあとに、記事の内容を元にタイトルを決めるのは、そのためです。絶対に記事の内容を逸脱してはいけません。
4) 新しいタイトルにあわせて、記事を推敲する
タイトルの内容を中心とした文章にしたほうが、読みやすくなります。
ざっと読み直してみて、ストーリー的おかしい部分があれば、加筆修正をします。一から書き直す必要はありません。
主役は商品ではない
ブログ記事タイトルの重要性は、どんどん増しています。
RSSリーダーや、Twitterを通してブログを読む読者が増えています。これらのツールは、記事がどんどん更新されていきますので、タイトルで掴まないと、読者が二度と戻ってくることはありません。
読者は、記事の面白さを「タイトル」で判断しています。タイトルを補助線に記事を読んでいるからです。
いくら記事が面白くても、的を得たタイトルでないと、記事は評価されないし、ブログ自体も評価されません。
つまらないブログと一度認識されれば、リピートされることはありません。
いくら良い記事をたくさん書いても、読んでくれなければ、存在しないのと同じです。
最近気になるのは、商品の機能の説明が中心になっている、いわゆる「レビュー記事」が多いことです。おそらくアフィリエイト狙いだと思うのですが、的外れな感がしてなりません。
読者が商品のレビューを読む理由は、商品の情報を知りたいからではない。商品を使っている書き手がどんな人かを知りたくて読んでいると、私は考えています。
商品のスペック紹介はメーカーサイトに任せて、商品の説明を通して、書き手の思想や生活スタイルをアピールするブログを目指すべきです。
ブログの主役はあなたです。商品ではありません。
たてまえ的には、「商品Love」「商品が主役」はアリでしょう。でも、根本のところは、商品から透かして見えるあなたが勝負です。
「この人が書いているブログが読みたい」と読者に思ってもらうには、タイトルがいかに重要かは、これまで述べてきたとおりです。
つまらないブログのままでいるか、面白いブログに成長するか…、データーは出揃っています。
どう考えるかは、みなさん次第です。
Antique Car / Joe Shlabotnik
ブログがコロコロ回りだす
とはいっても、やっぱりSEOは重要です。商品名やブランド名を入れたい気持ちはよくわかります。
前回の記事について、ネタフルさんから、興味深い意見を頂きました。
ただし、SEO対策として商品名を入れるということもある訳でして、一概に商品名やブランド名を外せば良い、というものもでもないのです。
リピーターの獲得ももちろん重要ですが、検索エンジンからの訪問者というのも欠かせない訳でして、そのあたりの配分をうまいことやる必要もある訳ですね。両輪が回って始めて、ブログがころころと走り出すのでね?。
「ブログがころころと走り出す」は、すばらしい表現だと思いました。こういう言葉をさらっと書けるところに、ネタフルさんが日本有数のブログのひとつである理由をちょっとだけ垣間見た気がしました。
新規の読者のほとんどは、検索エンジンからやってきますので、SEOがうまく回らないと、読者が増えていきません。
しかし、「ブログがコロコロ」を、一般のブログで同じように実現しようとしても、まず上手く行かないと思います。
ネタフルさんのように、アルファーブロガーとして世の中に認知されていれば、「ネタフルで紹介されているから、どの記事もきっと面白い内容だ」と、読者はみんな思っています。私もその一人です。
このレベルになれば、ブログの信用だけでリピーターをつなぎ止められるので、タイトルに商品名を入れることで、どんどん「ブログがコロコロ」してくれると思います。
一般のブロガーが真似しても、それをマニュアル車で例えるならば、いきなりトップギアで発進するようなものです。コロコロするどころか、ほとんど方がエンストしてしまうでしょう。
ローギアから発進するべきか、それとも、二速発進から行けるのか…。足裏感覚を頼りに、注意深い見極めが必要だと思います。(※この話題は次回に持ち越します)
私は思うのです。
「ブログ力はタイトル力だ」
と!
この言葉を肝に銘じて、愚直にブログ更新を進めていけば、ザルで水をすくうような感じではなく、実績が効率的に積み重なっていって、活路が開けてくると、私は信じています。
とはいっても
堂々巡りになってしまいそうですが、やっぱりSEOは重要なんですよね。
商品名やブランド名を入れたい気持ちはよーくわかります。
その辺も踏まえて、次回は、「リピーターを獲得できる、ブログの効率的SEO戦略(2010.9.26)」について、考えてみたいと思います。
お楽しみに♪
※私がタイトルを考えるときに読む参考書です。いつも手元においてあります↓