2015/5/11に放送されたプロフェッショナル・仕事の流儀が、私にとっての「神回」でした。
金融・投資業というと、他人のお金を運用して手数料だけ抜いて、自分の腹は傷まないようなイメージを持っていました。
今回主人公のファンドマネージャーさんは、自分の全資産をすべて自分が運用するファンドで持っています。
自分の信念で投資先を決め、信念に基づいたルールで売買をします。
投資とはなにか?本質はなにか?を、考えさせられた番組でした。
徹底的に読まない
主人公の新井和宏さんは、鎌倉投信というファンドのマネージャーです。
お客さんから投資資金を募って運用し、年間10%の運用益を獲得してきました。その一方で、収益の一部を、社会的意義の高いビジネスを行っている中小企業やベンチャーに出資しています。
ファンドの運用ルールはシンプル。
- 社会的に意義のある企業に投資する
- 投資先に均等な額を出資し、株価が上がって収益がでたら、株価が下がった会社を買い増しして、再び均等にする
- 社員が自分の会社を誇りに思っているかを見極める
株価が上がるか下がるかは、誰にも予測できない。決めたルールを厳格に守ることが、投資では重要だと新井さんは語ります。「徹底的に読まない」ことで、人間の愚かな邪念を排除するのです。
新井さんは、外資系ファンドで数兆円ものお金を動かしていた経験を持つ方です。小手先ではなく、信念を元にルールを決めて投資をする。個人投資家にも役立つ格言だと思います。
社会に貢献する企業を最優先する
外資系ファンドで巨大な資金をの運用はプレッシャーのかかる業務です。身も心も疲弊した新井さんは、会社を退職。日本でいちばん大切にしたい会社という本に出会います。
世の中には、小さくても、社会に貢献するビジネスを行っている会社がたくさんあることを知って、頭を殴られたような気持ちになったそうです。
ビジネスでは数字は重要です。利益を出すことで、企業は存続できます。社員を守り、多くのファンがついた商品を安定して供給できます。
しかし、度が過ぎて利益だけを追い求めると、おかしくなってきます。価値あるものを提供することで利益を得るはずが、利益のために商品を作ったりすると、商品のコンセプトがずれて、ファンが離れてしまいます。
儲かれば何でも良いという方法は、利益は出るかもしれませんが、その他には何も残りません。虚しさだけが残ります。
番組の中で、パートナーの企業に訪問する新井さんは、良い表情をされていました。空中戦のようなマネーゲームではなく、足が地についた仕事をされていました。
社会に貢献するビジネスをしている企業と一緒に仕事をすることで、仕事も人生も豊かになるのでしょう。
「応援する」ことは素晴らしい
今回番組を観ていて、ビジネスの本質は「応援する」ことだと、改めて思いました。応援されて、気を悪くする人はいないです。応援はサービスの本質です。
自社の商品やサービスを通して、お客さんの生活、仕事、健康、人生を応援することが、企業の存在意義なのです。「与える側」に回るのです。
応援すること、与え続けることは、しんどい面もあります。与えて欲しいことばかり考えている人は多いです。感謝の言葉一つない人もいます。
「好きなことを仕事にする」は、これからの時代のキャリア形成で、大きな意義を持つようになるでしょう。好きな事なら、相手の反応など関係なく与え続けられます。
続けていれば、感謝してくれる人は必ずいます。感謝されることは、大きなモチベーションに繋がります。
「周りを応援できることはないか?」という質問は、常に自分の問いかけていきたいです。
もし観れなかった方は、NHKオンデマンドで視聴することをお勧めします!
新井さんの著書。読みます!
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