入社希望者に対する面接で、担当者はどのように人を選ぶのか?心理学者はこれまで多くの調査を行い、科学的に分析を行ってきました。
仕事に対する適性や経験によって合理的に判断されると思われがちですが、多くの場合はそうではないということです。
好感度が決め手
だいじなのはただ一つ、応募者の好感度だった。感じのいい印象を与えた応募者は合格の割合が高かった。彼らはいくつかの方法で面接官を惹きつけ、売り込みに成功していたのだ。
その方法とは。仕事とは無関係だが、自分と面接官がたがいに興味をもてる話題で盛り上がる、笑顔を浮かべ、相手と目を合わせる。会社をほめる。この積極性の連続攻撃が、効力を発揮した。
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結局のところ、面接官は「一緒に仕事をしたいかどうか」で、採用を決めているということです。
会社はチームで仕事をするため、仕事に対する適性や経験よりも、周囲とのコミュニケーションが大切になります。
円滑なコミュニケーションをするためには「ラポール」が重要と言われています。ラポールとは「架け橋」という意味で、相手とコミュニケーションをする際に、最初になにかしら共通の話題が見つかると、お互いの間に小さな橋がかかって、コミュニケーションがスムーズになります。
共通の趣味や、家族構成、同じ故郷や学校など、雑談の中から共通の話題を見つけていけるかで、お互いの印象は大きく変わります。
よって、もし面接で不採用になったとしても、ただ単に面接官との相性が良くなかっただけというケースが多いということです。くよくよせず、次の面接に備えるのが良いでしょう。
弱みは最初に、強みは後半に
弁護人は自分の論旨が弱い点を裁判の冒頭に述べたほうが、勝訴する確率が高いとされている。
弱点を最初に疲労する行為は、公明正大な証拠と受け取られる。
プラス面にかんしては、正直さより謙虚さのほうだいじなようだ。自分の強みは後半まで伏せておいたほうが、相手に自然に受け取られる。いきなり強いカードを切ると、自慢げに見えてしまう
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「終わりよければ全てよし」と言われるように、最後に一番アピールしたいことを持っていったほうが全体としての印象は良いのは誰でも理解できると思います。しかし、焦ってしまうと、自分をアピールしたい意識が前に出てしまって、最初から相手にまくしたてるような事態になりかねません。
人は、一度堕ちてから再びV字復活するストーリーに感動します。面接という短時間でのコミュニケーションでも、最初に自分の弱点を出していって、その上で何を思い、どう克服していったのかを自分の強みと合わせて話をしていく方が、聞く側の心に響くはずです。
ミスを過剰に意識しない
この意識のしすぎは「スポットライト効果」と呼ばれており、さまざまな場面で見られる。ヘアスタイルが気に入らないことから、会議でうまく発言できなかったことまで、人は自分のミスが人の注目を浴びたと思い込みすぎる。
その理由は、私たちが自分の外見や行動をほかの人以上に気にしており、それが与える印象を過大評価するためだ。
via: PP56
プレゼンで緊張して声が震えてしまっていることに自分が気がついて、さらに緊張してしまったような経験を私も持っています。
しかし、逆に他の人が同じような状況になっていた様子を見ているケースを振り返ると、声が震えていても話していることは理解できますので、聞いている方は、話し手ほど気にしていないのです。
謝ったりしてしまうと、更に意識してしまいますし、気にしていなかった相手も気にするようになってしまいます。多少のミスは折り込んでおくと良いでしょう。
先に紹介した「強みは後半」は有効です。ミスがコミュニケーションの前半で出ても、後半で挽回できます。失敗を恐れず、最初から全開でいきましょう。
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