スイミングを習わせるのであれば、週一回で6年間通うよりも、毎日通わせて1年でマスターさせたほうが、効率が良いということは、誰でも分かるでしょう。
時間をかけて連続して練習したほうが上手くなります。スクール料金も週一と毎日では7倍にはならず、せいぜい2倍程度です。上達が早く、経済的。ところが、多くの家庭は、なぜか毎日スクールに通わせることはしません。
子供の教育にお金をかけたいとは思います。しかし、実際には各家庭ごとに、経済的な制限が存在します。本書にある学術的に証明されているより効率のよい教育方法を親が知ることで、家庭の経済力の差を小さくすることはできると感じました。
本書はものすごく売れているそうです。わが家の教育方針の参考にしたいと思った箇所をピックアップしてみました。
早期教育の有効性
一番効率が良い教育への人的資本の投資の時期は、幼児期だそうです。考えてみれば当たり前です。初めに得た経験や知識は、その後の成長に役立つからです。縄跳びは前飛びができなければ、二重跳びはできません。学びには順番があるのです。
人の成長は積み重ねです。学年が上がるほど重要なように感じますが、実は低学年でつまづいてしまうと、ずっとつまづき続けてしまいます。九九を覚えないと、掛け算の筆算はできません。
後からなんとかなるでは、遅いのです。
ほめて育てるは正解か?
自分に自信があるから、成績が伸びるという因果関係は、研究では見つかっていないそうです。逆に、成績が良いから、自分に自信がつくとのことです。
サッカーは、試合に勝ったり、個人技で敵を抜き去ってシュートを決めれるから楽しいのです。勉強も、多くのことを学び、理解し、良い点数を取れるから面白いのです。
実力をつける環境を与える。失敗はしっかり認識して、改善する。まずは当たり前のところからアプローチしていくしかないということでうs.
褒めることは大切ですが、「頭が良いのね」より「よくがんばったね」のように、元々の能力を褒めるのではなく、行動を褒める方が、子供のモチベーションが上がるそうです。気をつけたいと思います。
人間性的なもの
社会人になると、子供の時の学力よりも、人間性が重要になってきます。これらは、学力のように点数で把握できず、「非認知能力」と言われています。
非認知能力には、自制心や、やりぬく力などがあります。家庭でしっかりしつけをしたり、計画的に勉強をしたり、部活動などでも養われるとのこと。
知識を詰め込むことは、子供にとって大切ですが、自主的に行動して、悪いところは直し、多くの友達や仲間と協力したり、助け合うことも大切だということですね。
本書には記載はありませんでしたが、スポーツは、非認知能力を高めるのに有効ではないかと感じます。
休日の過ごし方
週休二日制になって、子供の学力の格差が広がりました。なぜなら、学歴の高い親は、土曜日の学習時間の減少分を、別の手段で補ったのに対して、そうでない家庭は、何もしなかったからだそうです。
休日は家族で遊びに行ったり、友達と遊ぶ自由に過ごす時間も必要です。しかし、一昔前の状況を考えると、学習の時間に当てたり、スポーツをする時間を積極的に作ることも意識していきたいです。
先生の影響
小学生にとっては、担任の先生は、親と同じくらい一緒にいる時間が長い人です。当然受ける影響は大きいです。本書によれば、教員は「遺伝や家庭の資源など、子供自身にはどうしようもないような問題を解決できるポテンシャルを持つ」とあります。
1学年ずつ別の先生がつけば、6人の先生から指導を受けることになります。中には優秀な先生、そうでない先生もいるでしょう。しかし、子供は先生を選べません。
社会に出れば、嫌でも多くの人と関わりながら仕事をすることになります。無菌状態のような学校ではなくて、色々な先生や生徒がいる方が、私は良いと考えています。
ただし、学力については、親は慎重にモニターする必要があります。先生も教え方に得手不得手があるはずだからです。
勉強だけは、学校に任せっきりにせず、親が常に監視し、必要があれば補習する。その体制があれば、先生の影響は限定的だと考えています。
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