世の中には「粘る言葉」というものがあります。粘る言葉は頭の中にいつまでもこびりついて、人の行動に影響を与え続けます。難しいビジネス理論を学ぶより、自分に必要な重要な言葉を幾つか覚えておく方が、日々の行動を直接変えてくれます。
読むだけですぐに売れ出す40の言葉 「お客」と「お金」を呼び込む商売の鉄則
実践的なマーケティング知識・ノウハウを、40の言葉と共に学ぶことができます。読みやすい本です。
今回は、本書の中から特に印象に残った言葉を幾つかピックアップして、私の得意なブログ運営論に結びつけて紹介します。
客の言うことを聞く店は潰れる
お客さんの要望に答えていくら安くしても、お客さんはもっと「安くしろ」と言います。お客さんの言うことを全て聞いていては、儲かるものも儲かりません。
アップル社の創業者、スティーブ・ジョブスにこんな名言がある。
「消費者に何が欲しいかを聞いて、それを与えるだけではいけない」
たしかに、世界中でブームになっているアイフォーンやアイパッドは、お客さんの要望によって生まれた商品ではない。
via: P16
お客さんの期待を超える商品、サービスを与える努力をしていく必要があります。期待とのギャップが満足度に繋がるのです。
ブログも同じで、読み手からもらうコメントの内容にビクビクして、小さく縮こまった記事を書いていては、誰も読んでくれません。書きたいことはしっかり書く。多少の賛否があるくらいの内容が、人々を惹き付けます。
簡単に集めた客は、簡単にいなくなる
アドワーズやFacebookの広告を利用すれば、インターネット上で簡単にお客さんを集めることが可能です。しかし、問題はその後です。いかにリピーターになってくれるかが勝負になります。
ブログの記事が一記事注目を浴びても、それだけでは突き抜けられません。継続して良い記事、注目を集める記事を書き続けなければ、お客さんはすぐに次のブログへ逃げてしまいます。
温まりにくいものは冷めにくいのと同じです。人が嫌がる面倒な道を選び、時間をかけて活動した方が、努力が蓄積されやすいと思います。
口コミで売れる商品は、最初から売れる商品
良い物だと思うから、人に伝えたくなるのです。そもそも実力の無い商品を「口コミマーケティング」と称して、ソーシャルネットワークに投下しても口コミは起きません。
ブログも同じで、つまらない記事をソーシャルネットワークいくら投下しても、口コミで広がることはありません。一発当たったくらいでは足りません。良質な記事をとことんポストし続けることが大切です。
入りづらい店はすでに死んでいる
ぱっと見て「なんか怪しいな、入りたくないな」というお店には、よほどの動機がないと入れないです。お店の前にきて入るのをやめてしまった経験は、誰にでもあると思います。
ブログも同じです。文字が異様に小さい、行間、文字間が狭すぎる、改行がない等の読みづらい文章は、ぱっと見で読む気がなくなります。読みにくいブログは既に「死んでいる」のです。
知人にお願いして、ブログの読みやすさについて、率直な意見を貰うと良いでしょう。
当ブログは、複数の知り合いに意見を聞いてから、文字の大きさなどのデザインを決めました。
「売れる文章」か「売れない文章」かは、「書き出し」ですでに決まっている
文章を一番後ろから読むひとはほとんどいないでしょう。文章は一番最初から順番に読むのが普通です。記事のタイトルと書き出しの文章が面白くなければ、お客さんはすぐに違う記事に逃げていってしまいます。
ブログでは「記事タイトル」と「序文」が命です。ある意味、本文より重要と言えます。冒頭でお客さんを引きつけて、続きを読んでもらえない事には、本文は存在しないことと同じだからです。
記事の内容を上手く伝えられるタイトルのヒントは、記事の中にあることが多いです。まずは記事を全部書かないと決められないと思います。まず、仮のタイトルを決めて、ざっと記事を全部書き終わったら、タイトルと序文をよく考えましょう。
タイトルは序文を読んでもらうために書く。序文は本文を読んでもらうために書く。大事な事は一番最初にもっていく意識を心がけましょう。
知っているものを売るな。知っている人になれ
みんなが知っている商品は、どこでも売っています。最後は必ず価格競争になります。誰でも扱える商品は、価格でしか差がつけられないのです。人は知っている人からモノを買います。同じ物を買うのであれば、ちょっと高くても、知り合いのお店で買ったりします。
ブログも同じで、周囲のブログと同じ様なネタで記事を書いていても、ブログの魅力には繋がりません。自分が好きで得意な分野で、自分の感情や好みが込められた熱い記事を書く事です。自分を出して、自分のことを知ってもらうのです。
人は良い情報を探しているのではなく、良い情報を提供してくれる人を探しているのです。「知っている人」になることが大切です。
「自動販売機」のようなビジネスは夢の中にしか存在しない
インターネットでアフィリエイトを利用したビジネスでは、一度サイトを作ってアフィリエイト広告を貼っておけば、あとはほったらかしでも儲かる、つまり、自動販売機のようなビジネスができると言われています。確かに少し前までは可能でしたが、今ではなかなか難しいです。
競争が少ない = 利益が少ないジャンルであれば、ブルーオーシャンが残っているかもしれませんが、時間の問題です。利益が少ないジャンルも今後、次々と競争相手が登場して、検索順位はドンドン落ちていくでしょう。競争社会では、楽して儲かるマーケットは駆逐されます。
ブログも地道に更新し続けられた人だけが、努力の果てに甘い果実を得る事ができるのです。でなければ、全員ブログを更新してぼろ儲けしてます。当ブログも最初の1年半はアフィリエイトを封印して、徹底的に読者を集める事に集中しました。そして今では気ままに楽しくブログを更新し続けることで、それなりの収入を得られるようになりました。
自動販売機のように楽なビジネスは存在しませんが、ブログ運営のように「楽しく」収益を得る方法はあると思います。
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本書は出版社より献本して頂きました。ありがとうございました。