ChatGPTが登場して、世の中が大きく動いていく予感がしています。パソコンやインターネット、スマホが日々の業務や生活を変えていったように、ChatGPTは我々をどう変えていくのでしょうか?
野口先生の本は、定期的に読まさせて頂いています。野口先生の提唱する「超勉強法」とChatGPTは、非常に相性が良く、教育業界を大きく変えてしまうほどのインパクトがあると本書では主張されています。
教育が変われば、育つ人は大きく変わります。生成 AIネイティブの子供たちが成人することには、世の中は大きく変わっているかもしれませんね。
野口悠紀雄氏のスタンス
野口先生といえば、著書「超整理法」で、封筒を利用した書類整理方法を提唱された方です。私も当初、読ませて頂いて、感銘を受けました。
その後、パソコンの登場によって、書類はパソコンのファイルに取って代わり、パソコンを利用した整理法を提唱。
そして、インターネット&検索エンジンが登場して、検索技術を駆使することで、整理すら不要な整理方法へ進化していきました。
野口先生は、その時代に登場した最新技術を、日々の業務に取り組むのが非常に上手く、常に考えている方なのだろうと思います。
超勉強法とは
そんな野口先生が提唱する勉強法をまとめた「超勉強法」という著書を出版されました。
特に「全体から把握する」は、私も共感した記憶があります。
例えば数学を勉強するとき、多少わからない部分があっても、意図的に無視して先へ進んで、全体を把握することで、個々のあやふやな部分も理解できることは多々ありました。
どんな勉強でも、まずは「全体をつかむ」ことは有効です。
ChatGPTを活用した、超勉強法とは
野口先生は、超勉強法とChatGPTは、非常に相性が良いと、本書では語られています。
ChatGPTは、自分が知りたい、勉強したいことについて、わかる範囲の言葉を利用して訪ねれば、全体像と必要な知識リストを答えてくれるからです。
本来なら、関係ありそうな本やWebページを読んで、情報を集めていく必要があったのですが、もはやその必要はありません。
検索エンジンでも同じことができるのでは? という意見もあるかもですが、検索エンジンは、的確な「キーワード」を知らないと、欲しい答えは返ってきません。
ChatGPTは、キーワードを知らなくても、答えてくれますし、検索エンジンで検索すべきキーワードも教えてくれます。
「まず全体を掴む」には、現時点でこれ以上のツールは無いと思います。
ChatGPTの得意分野
ChatGPTは、その仕組みを理解すると分かるのですが、思考力を必要とする分野に弱いです。数学や物事の推論などは、めっぽう弱い。
一方で、情報をまとめたり、書き換えたりするのは得意です。前述したような「物事の全体を説明する」といった情報に関するものや、言語の翻訳や言い換えなどは威力を発揮します。
とはいえ、ChatGPTは場合によっては、「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる、いわゆる口からでまかせを、本当の事のように答えることが問題になっています。
ChatGPTの出力結果をそのまま利用するのではなく、検索エンジンや専門文献などで、ファクトチェックは不可欠です。ChatGPTの得意、不得意な分野を常に意識しながら、利用することが大切です。
ChatGPTは教育分野を激変させ
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ChatGPTの登場によって、学校、教師の役割は減っていと本書では述べられています。ChatGPTを無理やり排除しても、それは一時的な対策にはなりません。
検索エンジンと同じように、ChatGPTが生活に浸透していく流れを変えることはできないというのです。
ChatGPTに任せられる部分を、学校や教師が頑張る必要がありません。むしろ、子供たちにはChatGPTの活用の仕方を積極的に教えて、学校や教師にしかできない分野に集中していくべきとのこと。
では、学校や教師にしかできないこととはなにか? その一つは、社会生活の訓練で、それを行うコミュニティの整備、管理といった業務です。現在の学校は、いじめ問題が発生しても、教師が十分フォローしきれていません。
安心して子供たちが育っていく環境を、ChatGPTを活用して、一段レベルを上げていくことができるのでは?と思いました。
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