今の社会では、どんなに頑張っても、努力ではどうにもならない、いわゆる「無理ゲー」化している面は、確かにあるなと思いました。
本書を読みながら、考えたことをメモしておきます。
リベラル化は競争社会を生む
最近は世の中がリベラル化してきています。自由に生きる、自分らしく生きたいと誰もが思うでしょう。
しかし、リベラル化が過ぎる社会は、厳しい競争社会になります。自己責任がまかり通り過ぎてしまい、セーフティーネットが機能しきれない。
実力のある人は、 自分らしく生活できるでしょう。しかし、競争でこぼれ落ちてしまうと、這い上がるのは中々難しいです。
大学入試も実は無理ゲー?
例えば、日本の大学入試は、誰でもチャレンジできる数少ない「公平」な仕組みと言われています。
私立大学は推薦入学が増えてきましたが、国公立大学は一般入試による選抜が行われています。入試にかかる料金は限定的で、誰でも受験が可能です。
しかし、入試の成績に大きくかかわるであろう、人間の知能、知識は、努力で向上できる反面、半分は遺伝で決まっているという、研究結果もあります。半分は、後天的であるとは言え、身も蓋もない事実です。
才能を遺伝的に受け継いでいる人材に努力をされたら、受け継いでいない人は追いつけません。
持つ者、持たざる者
富の格差は、矯正が不可能なくらい広がっています。
昔の富の分布は、正規分布といわれるベルカーブでした。一番多い平均値付近を中心に、なだらかに分布していましたが、現在はビジネスのグローバル化などで、富の分布はべき乗(指数)になっています。
さらに、ピケティの不等式 r>g によれば、資本収益率(r)は経済成長率(g)よりも大きい。つまり、いくら働いて、給料を増やそうと努力しても、投資資産の増加率の方が大きいのです。
人々がいくら働いても資産を作っても、もともと富を持つ人は、一般の人々以上のスピードで富むということです。
勝ち組に回るには?
「親ガチャ」は、確かにあるでしょう。だからといって、すべてが決まるわけではありません。
特に大学入試は、理論上は、誰にでもチャンスがあります。地元の国公立大学であれば、授業料は4年間で214万円ほどです。奨学金を利用すれば、なんとかなる額です。
国公立大を目指すのは一つの手だと思います。子供には勉強習慣をつけさせる。必要な参考書は買い与える。塾代が出ないのであれば、自分が教える。
子供への投資は、一番効率が良いと言われます。もしかすると、学習習慣こそが、人生において最高の資産かもしれません。
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