100円のコーラを1000円で売る方法?そんな馬鹿な!と思う方が居るかもしれません。
驚くべきことに、売る方法は実在します。しかも、皆さんも良く知っている場所で売られています。
人やモノの本質を見極めて効果的にアピールするマーケティングの考え方を、本書では物語形式で学ぶことができます。マーケティングの知識を身につけておくと、仕事・生活のあらゆる場面で役立ちます。
ブログ運営論に応用しながら、本書の内容をピックアップして紹介します。
他社が提供できることは、自社では扱わない
ほとんどの企業は、時間とコストをかけて、他社と同じことを一生懸命自社でもやろうとしています。
その結果、どの商品もサービスも同じようなものになってしまい、一生懸命努力しているのにそれに見合った差別化ができていません。
その結果、際限のない価格競争に突入して買い叩かれ、利益がどんどん少なくなっていく。
via: P104
他社の真似をするだけだと、みんな同じようなモノで溢れてしまい、価格競争になります。日本メーカーの作る携帯電話や薄型テレビなどは、その最たるものでしょう。
競合他社が既にやっていることはバッサリ切り捨てて、自社でしか出来ないことだけに集中することで、分かりやすくて魅力のある商品が生まれます。
ブログでも、他のブログの真似をする必要はありません。自分が楽しくポストできるネタに集中することが大切です。ブクマが集まりやすいからと、まとめ記事などをポストしても、続けられなければお客さんは離れてしまいます
お得意さんを大事にする
値引きをする場合は、他のお客さんでも納得できるような理由が必要だ、ということです。もしその店が毎年数百万円も買っているお客さんだけを対象に値引いているとしたら、宮前さんだって納得するでしょう。
問題は、お得意さんと一見さんを区別せず値引いていることです。
そういうのはお得意さんを裏切る値引きです。
via: P163
「初めて来店してくれたお客さんは全品半額!」の表示をお得意さんが見たら、どう思うでしょうか?「毎日通っている俺には何も割引は無いのか?」と思うはずです。リピーターを大事にしないお店は、永遠に新規客を呼び続けなければいけません。穴の開いたバケツに水をためるような作業になってしまいます。
値引きは相手を選んでおこなうべきです。お得意さんほど手厚いサービスが必要です。お得意さんへの手厚いサービスを見た人は「自分もお得意さんになりたい」と思うでしょう。ひいきされたいのが人情です。
ブログを運営していると、多くのコメントやツイート、メッセージが来ます。全員にしっかり対応できればベストですが、時間に制限がある場合は、有益なコメントをくれた人や以前から良く遊びに来てくれるお客さんの対応を優先しましょう。
商品ではなく、価値を売る
「1000円!?それって、特別製のコーラか何かですか?」
「違いますよ。中身はディスカウントストアで売っているコーラと同じ液体です」
久美は信じられないとばかりに首を振った。
「そんなコーラ、いったい誰が買うんですか?」
「この前、大阪に立ち寄ったときに、私が買いました」
via: P164
本書のタイトルである「100円のコーラを1000円で売る方法」を読んで、「そんな方法があるわけがない!」と思った方は多いと思いますが、売る方法は実在します。具体的な方法は本書に書いてあるので、ぜひお読みいただきたいと思います。要するに、商品に価値を上乗せして売るのです。
先に述べたように、似たり寄ったりのサービスは価格競争に巻き込まれてしまいます。「希少価値」という言葉があるように、ニッチなモノ・コトには「価値」が宿ります。
ブログでは、誰かが書いているようなネタを追うのではなく、日頃から興味のあるネタを、自分の経験を合わせて記事に落とし込むことで、完全にオリジナルなコンテンツになります。ターゲットを絞り込むことによって、一部の人にとって貴重な情報となります。
キャズム理論
「まあ、そもそも新商品というのは売れないものなんですけどね」
「それって、どういう意味ですか?新商品は新しいからみんな我先に買うものじゃないんですか?」
via: P186
新商品は発売当初は売れません。多くの人が様子見をするからです。一方で、新しいものはドンドン取り入れていく人も一握りはいます。アーリアダプターと呼ばれる、いわゆる「新しいもの好き」の人です。アーリーアダプターと後に続く多くのアーリーマジョリティの間には、大きく深い谷があるのです。
この谷を越えるには、まずアーリーアダプターに絞って営業し、購入してもらって、商品の信用をしっかり確立することです。ある一線を越えれば、一気に次の多数派・アーリーマジョリティへなだれ込むことができます。
ブログも最初から多くのアクセスを集めることは難しいです。キャズムを越える必要があります。エッジの効いたネタを粘り強くポストして、ソーシャルメディアにブログ更新情報を流して、口コミの爆発を待ちます。
NAVERまとめなど人気キュレーションサービスを利用して、アクセスを集めて、自分のブログへの導線をつくる方法も有効です。短時間で一気にキャズム越えを狙った方が効率的です。
他人のために、自分の得意なことを頑張る
本書のテーマは顧客中心主義への回帰。
そしてお伝えしたかったことは、顧客中心主義とは、「顧客が言うことは何でも引き受ける」ということではなく、「顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する」ということです。
via: P207
社会で成功するには、多くの人から感謝される必要があります。自分のためにではなく、他人のために活動しないと、感謝されることはありません。
相手のためを思う気持ちは大切です。しかし、何でも相手に従うわけにはいきません。相手がより良い状況になるために、自分が最も得意な方法で支援をしてあげることが、一番の助けになるのです。
成功とは、他人のために、自分のやりたいことをやることだ
アメリカ心理学者 デニス・ウィトリー博士
ブログもただアクセス数を稼ぐためだけの記事をポストしても、瞬間的には注目を集められるかもしれませんが、リピーターがついてくれません。とはいえ、独りよがりの記事も問題です。お客さんが読みたい記事をポストしていかないと、成長は限定的です。
自分が得意な分野で、お客さんが楽しく読んでくれる記事は何か?をよく考えることが、人気ブログを作る一番大切なことです。
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