体の構造に対する「意識」を変えるだけで、動作が大きくなり、より大きな力を出せるようになります。
例えば肺は、肩甲骨からみぞおちあたりまである大きな臓器なのに、「小さな臓器という意識」が、呼吸を小さくしているとのこと。
私はジョギングを趣味にしています。ジョギングはフォームが大切と考えていて、姿勢や動作の意識を大切にしています。体の中心から動かしていくという本書の考え方に共感しました。私のジョギング体験と合わせて本書を紹介します。
呼吸はすべての基本
筋肉が酸欠を起こせば、柔軟性が損なわれ、硬直してしまいます。それは血流を悪くさせ、身体を冷やします。
血流の悪さと身体の冷えは、東洋医学で言われる”未病”状態です。
via: P26
呼吸が浅いと、酸素が不足して、酸欠状態の筋肉ができてしまいます。酸欠の筋肉は力を出すことができず、身体能力の低下につながります。
本書には肺の本当の大きさが詳しく図示されていて、肺の大きさを感じる呼吸法が詳しく紹介されています。肺の大きさの意識を変えることで、呼吸を深くして、十分酸素を体にいきわたらせることできるとのこと。呼吸が健康のすべての基本であることが納得できました。
ジョギングのペースは呼吸で決まります。少ない呼吸数では、スピードは上がりません。効率よく酸素を取り込むためには、胸を開いて肺を広げるような呼吸が有効です。
猫背の原因は猫背だからではない
膝をついて立つと、首から背筋が無理なくまっすぐになって、姿勢が良くなります。私も強い猫背だと思っていたのですが、やってみると、自然な姿勢になりました。つまり、膝に上手く上半身が乗れていないと、バランスを合わせるために、背中が丸くなるのです。
膝立ちを基本に、足裏の意識、スネの骨の位置の意識、座るときの意識位置が本書では紹介されています。日々正しい意識で立つことによって、姿勢がよくなっていくのです。
ジョギングでも、着地した足裏の位置によって、フォームがガラリと変わってしまいます。スピードを出すには、若干前傾の意識で、着地を足の前の方で行う「フォアフット」が有効です。胸が開いて姿勢も良くなります。
肩甲骨を腕の付け根に
腕の付け根は肩ではなくて、肩甲骨であるという意識を持つと、大きな腕力を出すことができます。腕相撲も肩だけではなく、肩甲骨を前に出した姿勢の方が、大きなパワーを出せることは、学生時代に腕相撲で競争した経験のある方なら、実感があるはずです。
ジョギングでも肩甲骨を意識して腕を振ると、体全体の動きが大きくなり、歩幅が大きくなります。
足の付け根はみぞおち
足の付け根は股関節ではなく、みぞおち辺りに意識すると、姿勢が良くなり、歩幅が大きくなります。太腿と、みぞおちの裏側付近の背骨をつなげる大腰筋という大きな筋肉があるため、「足の付け根はみぞおち」という意識をしても、体の構造的にはおかしい話ではありません。
ジョギングでは、腰高を意識すると、腰の力を使えるようになって、体幹のパワーを使えるようになります。
ジョギングは体の中心からパワーを
私はジョギングはフォームが一番大切だと考えています。
みぞおち付近がエネルギーの中心で、肩甲骨を基点とした腕の振りと、腰の回転を利用した脚の運びを意識しています。お互いに直角にかみ合っている3つギア(肩甲骨、腰、股関節)が回っているようなイメージで走っています。
姿勢が良いと、心も充実する
頭上から股下まで一本の線が通えば、あなたの精神エネルギーは理想的な形で働きはじめます。
こんな歩き方をしていると、意地悪な考え、邪悪な考え、卑屈な思いなどは、しにくくなります。
via: p202
形から入るほうが有効だという話は、色々あります。人は楽しいから笑うのではなく、笑い顔をつくることで、楽しくなってくるそうです。同じく、姿勢を正してしっかり歩くことで、爽やかな気持ちになり、精神が研ぎ澄まされてきます。
ジョギングでも、良い姿勢で走れているときは、エネルギーが効率的に推進力に使われているため、気持ち良い気分になれます。
からだの中心にエネルギーを感じて、内側から外側に向かって動作をする意識を持つことで、理想的な姿勢と大きくて効率的な動作をすることができます。小手先ではなく、体の中心から大きく動かしていく意識をもっていきたいです。
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