企業の一員としてではなく、個人としての存在感を増して活躍したい方は多いでしょう。先行き不透明な世の中で、状況が変化してもやっていける実力を持ちたいと、誰もが思っているはずです。
セルフブランディングとは、自分の強みを生かして、存在感を上げていく活動です。人よりちょっと前のめりに行動する必要があるため、正直言ってしんどい部分もあります。しかし、意識し続けるとしないとでは、一年後には大きな差になっているでしょう。
伝えなければ始まらない
人はエスパーではないので、相手の心の中を読むことはできません。あなたの潜在能力を見極めて、勝手に持ち上げてくれる人は存在しません。自分が目指したいこと、やりたいことを、自分から周囲に伝えないことには、何も始まらないのです。
レストランに入ったら、自分が食べたいものを伝えないことには、欲しい料理は食べられないのと同じです。欲しいものは「欲しい」と伝えないと、何も得られないのです。
過去だけが「今の自分」を作る
突然会社を辞めて、蕎麦打ち職人になっても、だれも信用してくれません。肩書きを変えただけでは、誰も信用してくれません。
昔から蕎麦を食べることが趣味で、全国の有名そば屋を食べ歩きして、蕎麦食い記事を1,000以上ブログで公開し、食べるだけでは物足りなくなって、自分でも蕎麦を打つようになって、食べ歩きして得た情報を元に、最高のそば粉と打ち方の組み合わせを発見した……。
これならどうでしょう?蕎麦打ち職人として信用できるはずです。過去の経験が、現在、未来の自分に滑らかにつながっています。結局、自分を信用付けてくれるものは、自分自身の過去の経験、実績しかありません。つまり、セルフブランディングとは、「自己紹介」なのです。自分は自分以上にはなれないのです。
感動するプロフィールの作り方
過去-現在-未来のフォーマットを利用します。この順番でプロフィールを作成していきます。現在の自分に、過去の経験を繋げていきます。
現在の自分は、過去の経験からつくられています。現在、プログラマーの職業に就いているのであれば、趣味や生活、学歴、職歴に、プログラマーに就く理由が必ずあるはずです。それらをつなげて、ストーリー化していきます。
失敗、挫折、別れといったマイナスの話は必ず入れてください。谷底に落ちて、再びV字回復するストーリーに人は共感します。成功話だけ聞かされても共感は生まれません。人生において、考え方や生活習慣が変わるタイミングは、ショックを受けた時と一致することが多いです。自分の人生のターニングポイントを見極めましょう。
過去-現在とストーリーができると、おのずと未来への展望が見えていきます。唐突なものではなく、過去と現在の自分と滑らかにつながった、周囲の人が理解して応援してくれる「将来の目指す自分」を、考えてみてください。
自己紹介と自己PRは違う
自分がやりたいこと、目指したいことを、取って付けたような「肩書き」の名刺を作って単にアピールする「自己PR」では浅すぎます。聞く側も何を信用してよいかわからないです。
将来の話をする前に、自分が過去に何を考えてやってきたかをしっかり伝えないことには、始まりません。自己紹介をまずしっかりすることで、始めて「これから」の話ができるのです。
自分の過去を見つめなおして、最初のプロフィールを作ります。プロフィールは随時書き換えていくものです。自分の足りない部分を補って、強い部分をさらに伸ばして行く。成長の過程そのものが、新たな自分の強み・魅力につながります。
すべてを「自分」に蓄積する
実は、仕事のほとんどは「自己紹介」と言えます。取引先や同僚に、自分がどんな人かを知ってもらうことが大切です。
できるビジネスマンは、いきなり取引の話をしないです。世間話から始まり、共通点を探ります。ビジネスとは、商品やサービスを通じて「自分を売る」ことなのです。
信用こそが利益です。自分に信用が蓄積していかないやり方は、穴の空いたバケツで水を汲むような、むなしい作業になってしまいます。とにかく、行動のすべてが「自分」に蓄積していく感覚が大切です。
ソーシャルメディアは応援し合える
ソーシャルメディアは、セルフブランディングをしかけていくために、有用なツールです。自分の存在を、口コミを通じて広く伝えることができるからです。
ソーシャルメディアでは出し惜しみは厳禁です。良いと思った情報は、積極的にリツイート、シェアをしていきましょう。フォロアーからは「いつも面白い情報を流してくれる人」という信用を蓄積できると同時に、情報元には自分の存在をアピールできます。それがキッカケで、新たな交流が生まれることがあります。
ソーシャルメディアはお金がまったくかからないですし、SEOのように、相手が一位になると、自分が二位になってしまうようなゼロサムゲームではないため、応援し合えます。もし、自分ではなく、相手がブランディングに成功して存在感が増せば、今度は相手が自分を引っ張り上げてくれる可能性もあります。
自分が自分が!ではなく、周囲を支援し思いやる行動が、セルフブランディングにつながります。ソーシャルメディアが後押ししてくれます。素晴らしい仕組みです。
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