「Google+」はフェイスブックの顔を持ったツイッター

Dear Steve: Google+ iPhone
Dear Steve: Google+ iPhone / charliecurve

先行するフェイスブックとツイッターの良いとこ取りして、満を持して登場した「Google+」は、ソーシャルメディアの真打になれるのか?

Google+ 次世代SNS戦争のゆくえ

ハイパーグラフからソーシャルストリームへ主役が交代する中、Googleが進む道は厳しく険しそうです。スマートフォン×ソーシャルメディアという新たなネット・プラットフォームを制覇できたサービスが、次の時代のリーダーになれるでしょう。

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Google+とはなにか?

フェイスブックやツイッターなどのソーシャルネットワークサービスが発生させるトラフィックが、検索エンジンが生むトラフィック量を完全に凌駕してしまえば、グーグルのマネタイズエンジンは存在価値を失う。

ウェブ2.0以降、ネットユーザーおよびネットサービスはソーシャル化の一途だ。

だからグーグルからすれば、トラフィックエンジンとしての検索エンジンの相対的な地位の低下は避けられないにしても、少なくともフェイスブックやツイッターなどと等質のトラフィックエンジンを持つことで、ハイブリッドトラフィックエンジンとしての生き残りを賭けるのだ。

先行するソーシャルメディアは、各々が弱点を持っています。フェイスブックは実名主義を貫いて、濃密なソーシャルグラフを構築できた反面、個人情報保護の理由で、サービス上の情報をオープンにできないというジレンマを抱えています。すべてをオープンにできるツイッターをうらやんでいるのです。

ツイッターにも弱点があります。「リツイート」という簡単な機能で、口コミを爆発的に拡散することができる反面、オープンすぎて、議論が拡散しすぎてしまうのです。

そこで満を持してGoogle+が参入してきました。ツイッターと同じく非対称性(フォローにお互いの承認が必要ない)を採用してオープン性を確保しつつ、書き込みを読める人を細かくカスタマイズできる「サークル」機能により、フェイスブックのようなクローズド性も兼ね備えています。

まさにフェイスブックとツイッターの良いとこ取り。インターフェースはフェイスブックそっくりです。まさに、フェイスブックの顔を持ったツイッターです。


The Milky Way / andyspictures

ハイパーグラフから、ソーシャルストリームへ

いまやウェブはパーマリンクのネットワーク構造よりも、その上に乗っている大量のコンテンツの流れそのものに意義があるのだ。

もはやウェブは静的なサイトのつながりよりも、複数のサイトにまたがる動的なコンテンツ、データの流れに意味がある。

Googleはウェブページ内の情報と、ウェブページ間のリンク構造を分析して、キーワードに対する関連性・信頼性が最も高いページをピックアップする方法を確立しました。

ところが、ソーシャルメディアが拡大してくると、ウェブページ上の情報自体よりも、ウェブページの情報がソーシャルストリーム上を流れる「理由」の方が重要になっています。つまり、コンテンツだけでなく、コンテンツをとりまく「コンテキスト(文脈)」を合わせて評価する時代なのです。

現時点で、ツイッターにできてGoogle+にできない機能はありません。今後、Google検索とGoogle+のソーシャルストリームの連携が進むなどして、Google+を利用するメリットが増大してくれば、Google+がツイッターに代われる可能性は十分あります…、いや、そう簡単な話ではありません。

ツイッターはアップルとの提携を発表しています。ツイッターがGoogle+同様の機能を追加して、アップルと「スマートフォン×ソーシャル」の天下取りを目指されたら、手の打ちようがない気がします。


How to create an iPhone app online? / SeattleClouds.com

スマートフォンを巡る戦い

iPhoneを自動車の鍵としてドアの開閉やエンジンのオン・オフに使えるような仕組みが既に実現しているし、さまざまなIT技術のコントローラーとしてスマートフォンはわれわれのデジタルライフのインターフェイスになっていく。

それがわかっているからアップルもグーグルもモバイルインターネットの覇者になるために必死に争っているのである。

そして、ウェブの利用の起点がソーシャルネットワークサービスに移ってきている現在では、スマートフォン自体のソーシャル化という新しいコンセプトが生まれてきている。

ソーシャルストリームの他にもう一つ、Googleをいらだたせている戦場があります。モバイル・スマートフォン市場です。

ソーシャルメディアとモバイル・スマートフォンは親和性が高く、将来の人々のネット・デジタルライフは、スマートフォンを中心に回っていくことは、自明でしょう。ところが、スマートフォン上ではPCのようなウェブベースのオープンなプラットフォームは存在せず、独自にインストールするソフト上で人々は作業をしています。その市場はアップル率いる、iPhone+iTuneストア・Appストアが魅力的なマーケットを構築してしまっています。

人々のネット上の活動の場を、検索エンジンからソーシャルメディアへ移してきています。独自インストールソフトで、スマートフォン上でソーシャルメディアにアクセスされてしまうと、Googleは情報を取れなくなってしまい、食いっぱぐれてしまうというわけです。

GoogleはアンドロイトOSでiPhoneを牽制しつつ、最終的にはクロームOSで、ウェブベースのオープンなモバイル・プラットフォームによって、モバイル上も制圧しようとしているとのこと。しかし、ソーシャルストリームが多くのトラフィックを生む時代では、ウェブは一つの方法に過ぎなくて、iPhoneアプリのような、スピード感を持って操作できるソフト×デバイスの方が最適なのかもしれません。


The End of the Road / Gamma-Ray Productions

戦場は移ってきている

携帯電話やテレビに対していくらOSを無料で提供しても、その上で動くのはフェイスブックやツイッターだ。

興味のあることを検索するのではなく、ソーシャルグラフから導きだされるおすすめ情報に従ってすべてのユーザーが行動しはじめたとしたら、グーグルは単なる裏方にまわり、これまでのように巨大な収益を得ることができなくなる。

だからこそ、グーグルプラスは成功しなければならない。フェイスブックの独走を何としてでもストップしなければならないのである。

PCのデスクトップを蹂躙したマイクロソフト。今後永久にマイクロソフトの時代が続くと思っていたら、「ウェブ」という新たなプラットフォームが現れて、ウェブ上にある情報をダシにして、圧倒的な収益を稼ぎ出したGoogleは、マイクロソフトを完全な裏方へ追いやりました。

Googleこそが「神」になれるのか?と思いきや、今度は「ソーシャルストリーム」という、これまでのウェブとは異質の情報&コミュニケーションが現れて、ソーシャルに特化したサービス群が、Googleを駆逐しようとしています。

Facebookはネット利用時間でGoogleを抜き去り、ツイッターはGoogleからの買収を断りました。そして、ソーシャルストリームへ寄生して、現時点で最強のマネタイズエンジンとして成功した「グルーポン」も、Googleからの買収を断っています。ウェブではなくて、ソーシャルストリームに新たな利益の源泉があることに、多くの新興企業は気がついて、新たな時代の覇権を争っています。時代は、コンテンツではなく、コンテキストなのです。

ソーシャルメディアから流れる大量のソーシャルストリームの主役は、一人ひとりの個人です。一人ひとりに行き渡ったスマートフォンから入力された情報が、人を介して伝播しながら、大きなストリームとなっていきます。新しいルールを理解できない人・企業が、オールドタイプと呼ばれてしまう日は、すぐそこまで来ています。

今日のわかった

いよいよ、私もiPhoneを購入することにしました。当ブログの話題も、モバイル×ソーシャルメディアに沿ったものにシフトしていくでしょう。

読書2011
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