「ブログに書けば実現する」とこれまで幾度か述べてきました。私自身の経験からそう感じていただけで、特に根拠はありませんでした。
ところが、「書く」という行為が目標の実現を大きく後押しすることは、実はすでに科学的に証明されていたのです。本書を読んで知りました。
本書を読めば、「人の心を操作する方法」を知ると同時に、セールスマンなどの他人から、自分を操作されない方法を学ぶことができます。
water ball / photo.jhassy
約束を守る
心理学で、人間の持つ「コミットメントと一貫性」に関する研究があります。簡単にいうと、人間は「約束を守ろうとする」ということです。人間社会において、約束破りは、信頼の失墜に即つながりますから、当たり前の人間性です。誰でも、子供の頃から約束は守るように、「しつけ」を受けてきました。
「書くことには魔術的な力がある」ことを知っているのなら、他の企業組織も同様でしょう。多くの州で制定されている「クーリングオフ」法に対抗するため、ある訪問販売業者は書かせるコミットメントという魔術を用いています。
(中略)
その後この種の会社は、このような契約破棄の割合を劇的に減らす見事なまでに単純な方略を考え出しました。単に、販売員ではなくお客自身に契約書を書かせたのです。
大手の百科事典販売会社の販売訓練プログラムによれば、こういう個人的なコミットメントのみが「お客に契約破棄をさせないための心理的助け」となります。
契約書や申込書を自分の手で書くことによって、つまり自分でコミット(約束)することで、後には引けなくなるのです。一度決めた約束を破ることは、周りから気まぐれで優柔不断で不安定な人と見られるからです。商品やサービスを購入するときにも、「一貫性」の考え方が多く利用されています。
Changing of the Guard, Inaugration Day, Washington D.C. USA, Barack Obama, George W. Bush Collage / Beverly & Pack
行動することで自分が変わる
まず、質問を書かせて、次に(中国に好意的)な答えを書かせるというやり方もあった。自主的に書くことを捕虜が拒否した場合には、すでにノートに書いてる答えを、ただ書き写すように求めた。彼にとってそれは害のない譲歩に思えたに違いない。
多くの人が中国共産党に反感を示していた。しかし同時に「中国において彼らが成し遂げた優れた仕事」を賞賛していたのである。「アメリカではうまくいかないだろうが、アジアにとっては共産主義はよものだと思う」という人々もいた
恐ろしいことに、人間が「一貫性」を保とうとする性質は、自分の意図したことではなくて、他の人に強要されたことでも、同様の効果があるそうです。朝鮮戦争中に中国共産軍が捕虜のアメリカ兵に中国に好意的な文章を日々書かせることで、帰還した後も、中国への好意的な意見を述べる傾向にあったという調査結果があります。つまり、強要されたことであっても、書いてしまった以上、書いた内容に自分が歩み寄っていく、自分の一貫性を保とうとする心理が、人間にはあるのです。
よって、自分のブログに達成したい目標や夢を書くことで、「コミットメントと一貫性」の力を利用することができるのです。書いてしまった以上、成し遂げなくてはいけないという心理が働くのです。「書く」という行動が、自分を変えていくのです。
現実離れした目標や夢を書いても達成するのか?と言う人も居るかも知れませんが、議論する意味がありません。なぜなら、浮世離れしたことをブログにポストすれば、ネット上での自分の信用が失墜するからです。バカげた目標をブログに書く人は存在しないはずです。
「ブログを書けば実現する」という考え方は、宗教でもなんでもない、心理科学的に証明されている人間が本来持っている性質そのものでした。もし何か成し遂げたいことがあれば、ぜひブログを立ち上げて、決意を表明して、日々更新すれば、きっと良いことが起きるはずです。
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