上手に反論する方法

他人と上手くコミュニケーションをとるには、どうしたらよいのだろう?と思い始め、調べているうちにある「考え方」にたどり着きました。

心の動きが手にとるようにわかるNLP理論

とても奥が深い考え方で、ブログの一記事ではとても収まりきりません。今すぐに実践できるものをピックアップしてまとめてみました。

NLPとは、言語学と心理学に基づいた新しい学問です。そして、成功を手に入れるための実践的な方法と技術です。この技術を身につけることで、自分自身の目的とアイデンティティーと、目的が明確になります。さらに、相手との信頼関係を築けるようになり、スムーズなコミュニケーションが築けるようになります。

コミュニケーションが上手い人の考え方、話し方を徹底的に研究して広く一般の人にも応用できるように体系化させたものが「NLP理論」です。まさに私が求めていた知識そのものでした。


Soviet Socialist Republic of Moldova/Moldavia, 1925 / cod_gabriel

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地図は地理ではない。

NLPの基本前提のひとつに、地図は地理ではないという、「The map is not the territoty」とう言葉があります。

(中略)

実際に地図の場所に行くと、どうでしょう。例えば丘の上にたって、地図に載っていた一角を見渡すと、地図のイメージとはまったく違って見えるはずです。つまり、地図は実際の地理を一部表したものにであるけれども、地理そのものではありません。現実は地図とは違うのです

私たちは、いつも現実そのものを見ているのではなく、私たちの中のマップで捉えた現実をみている、とNLPでは考えています。

これを認識しておおかないと、「自分の事実(マップ)は正しい」「自分の事実(マップ)がすべてだ」と信じ込むようになり、事実そのものをうけとめようとしなくなってしまいます。誰もが「自分は正しい」と主張するばかりで、歩み寄れなくなってしまいます。

NLP理論の前提である、「人はそれぞれ違ったマップを通して現実を見ている」という考え方に、目からうろこが落ちた気がしました。人の見方、考え方はそもそも違って当たり前だという前提で人と接することができれば、自分とは反対の意見を聞いても、目くじらを立てる必要はなくなります。もちろん「ものの言い方」は十分気をつける必要がありますので、具体的なコミュニケーション技法についても、NLP理論はカバーしてくれています。

意思の疎通が上手く行っているときは、お互いのマップに共通点があって、うまくいっていると考えられます。共通点が無い場合は、マップの形を柔軟に変えたり、多角的にとらえるようにして、自分の地図から出なく、相手の地図からも見られるようにする必要があります。その手法をNLPで教えていると思ってください。

人を変えることはできませんが、自分を変えることはできると私は思っています。そのためには「なるほど」と思える考え方に出会う必要があります。このNLP理論はコミュニケーションに悩む人にとっては救世主的な考え方だと思いました。


Bridge, Chatsworth House / stevecadman

信頼関係を作り出す「ラポール」

「ラポール」とは、フランス語で「橋を架ける」という意味です。人と人の間に心の橋をかけること、つまり心と心が通い合っている状態のことをラポールと呼んでいます。

「ラポール」とは、NLPで最も有名な考え方で、相手との信頼関係が築けている状態のことを言います。初めて会った人に対して、最初からガンガン議論するのではなくて、まずは共通の話題を通して、お互いのペースや考え方を知りながら、ラポールを築いていくことが重要です。

相手の話をそのまま返す「バックトラッキング」、相手の動きに合わせる「ミラーリング」、まずは相手のペースに同調して、次第にペースを調整する「ペース&リード」などの、ラポールを築くために実践的なテクニックがいくつか提案されています。

営業職の人は、説明しているのに関心を持ってもらえないという経験があるのではないでしょうか。そこで、ラポールを築くために、相手をよく観察してみるのです。「ちょっと鼻声ですか?」など、相手の状態を読み取って体調を心配する言葉をかけてみると、少し話に応じてくれます。相手の身につけているものからも、話のきっかけがつかめます。

私は無言がすごく怖くて、マシンガンのようにしゃべり続けてしまう癖があります。相手の言うことをよく聞いて、よく観察しながら話す習慣を身に着けたいです。


cat / MowT

上手に反論する技術「そして」でつなげる

このとき、「そして」という言葉を使うのが有効です。

「あなたはこう思っているんですね。そして、私はこう思います」という具合に使います。

「でも」「だけど」といった瞬間に、「あなたはこう思っているんですね」とせっかく受け取ったことを、否定することになります。歩み寄れない反論を延々と続けることになるでしょう。「そしてね」「それでね」「それから」とつなげることで、未来への話を向けることができます。

話が盛り上がってくると、相手の意見と自分の意見が違うところが出てきます。そのときに、ダイレクトに否定をして自分の意見をゴリ押しすると、話がかみ合わなくなってきます。せっかく築いたラポールが崩れてしまいます。

先にも述べたように、人はそれぞれ違ったマップを通して現実を見ているのです。意見が食い違うのは当然です。当たり前です。

意見は食い違うことを前提を元にしたコミュニケーションを意識する必要があります。相手を論破したどころで、何も生まれません。まずは「あなたはこう思っているんですね」と、相手の意見を受け止めて(バックトラック)から、「そして」という接続後でつないで、自分の意見を言うことで、二つの意見の先にある「ゴール」を模索し始めることができるのです。

相手を受け止めるときも、「なるほど」「そうですね」「興味深いですね」と、ニュートラルな相槌を打つようにします。「なるほどね」という言葉は「あなたの話に同意しました」という意味ではありません。ただ、「なるほどね」「あなたはそういうお考えですね」と受けとめているだけです。

相槌は議論を円滑に進める上で重要な技術です。ラポールを維持し続けることで、お互いに歩み寄っていくことができます。感情を抑えることで、客観的な判断ができるようになります。ラポールがどんな状態にあるのかを常に意識しながら、コミュニケーションをすると上手く行くでしょう。


aman_geld 24.09.06 (reframing) / centralasian

ピンチはチャンス「リフレーム」

顧客が激しくクレームを申し出てきたときも、「ああ、また失敗してしまった」「怒らせてしまった」と受け止めるのではなく、「このお客様は、こんなに真剣に考えて自分に伝えてくれているんだ」と受け止めれば、まったく状況が異なってきます。「こちらも真剣にクレームを聞こう」という気になるでしょう。

物事には裏表があります。例えば病気になったとしても、「体が疲れている証拠だから、このさいゆっくり休んで、日頃できなかった読書でもしよう」と前向きに考えることができれば、ピンチをチャンスにすることができます。

もちろん、失敗したときの反省は必要です。いつまで反省していても、なにも進みません。失敗は成功の素と言われるように、失敗をリフレームして、「同じことを繰り返さなければ、成功する」と考えて努力することで、人は成長できるのです。いつまでもクヨクヨしている場合ではありません。リフレームを駆使して、すべての行動・結果を未来へ繋げていきましょう。


Blog With Authenticity Without Getting Fired / Search Engine People Blog

NLP的ブログ運営術

ブログはコミュニケーション・ツールですので、NLPの考え方を多くの場面で利用することができます。記事の冒頭では、読者をひきつけるために「ラポール」を築く必要があります。物事を「リフレーム」することで、同じネタでも、他のブログとは異なる、新たな価値を生み出すことができます。

ブログを長く運営していると、ネガティブコメントを貰うことが増えてきます。ネガティブコメントは、運営側としてはかなり凹むのですが、「人はそれぞれ違ったマップを通して現実を見ている」という人間本来の性質を理解していれば、怖くありません。ネガティブコメントは普通のことなのです。ページビューが増えてきて、ネットでの影響力が大きくなってきたことを喜ぶべきです。

ネガティブコメントが来ることを想定して、先回りをして反対意見も考慮した記事を書いておくこともテクニックとして覚えておいたほうが良いでしょう。独りよがりの文章になってしまうことを防いで、内容に厚みが出てきます。

コメントやツイートに対して、いちいち反論していると、だんだん面倒臭くなってきます。これが「スルー力」の本質だと思います。スルー力は、我慢して身につけるものではありません。スルー力を提唱するブロガーは、みんな昔痛い目にあっているのです。その過程をパスして、本当のスルー力を身につけることはできないと思います。

via: 炎上を味方につけて、ブログを飛躍させる方法

以前私は、スルー力とは「レスが面倒くさくなること」と思っていたのですが、それは間違いでした。今は、「人はそれぞれ違ったマップを通して現実を見ている」という人間本来の性質を理解して、その上でネガティブコメントの内容とその背景を考えることで、身に付くものだと考えています。

言葉はその人の生き様を表しています。ネット上でひどい中傷を浴びせる人、人の揚げ足を取ってばかりの人は、一般の生活でも同じようなことを、無意識に周囲の人に行っているのです。煙たがられているのです。そんな人を相手にしても、時間と精神の浪費です。

NLP理論は、コメ主が抱えているものを分析する目を与えてくれます。余計な反論はせず、より高いレベルからコメ主を観察して、華麗にスルーできるようになりたいです。

※今こちらの本を読んでいます。最初はこちらの本の方が、例がたくさん紹介されていて、とっつきやすいかもしれません。

今日のわかった

NLPの考え方は面白いです。関連本を3冊読みました。どれも面白かったので、後日感想をポストしたいと思っています。

私もまだまだコミュニケーションは未熟です。日頃から意識してじっくりやっていきたいと思っています。

読書2011
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