サラリーマンだった私が、副業でウェブビジネスを始めたのが2003年でした。あの頃は副業ブームで、ウェブビジネスか不動産投資が代表格でした。つまり「ビジネス」か「投資」です。
「お宝不動産」で金持ちになる!-サラリーマンでもできる不動産投資入門
2004年の本です。私はビジネスの方に走りましたが、もしその頃に本書に出会っていれば、不動産投資の方へ走っていたと思います。
不動産投資の魅力
さて、この地代、家賃収入ですが、他の収入(事業収入、給与所得など)に比べて決定的な違いがあります。それは、所有者の能力にまったく左右されない収入であるということです。
事業収入や給与所得は個々の能力の対価としての性格を持っています。汗水たらして得た報酬であるため、働く能力があり、実際に働かなければ収入にはなりません。当たり前のことですね。
一方、地代・家賃は何にもしなくても入ってくる収入です。することといったら、銀行に行って入金があるか通帳に記帳するくらいです。ずいぶん不公平な気がしますが、それが現実です。
不動産というと、一般の人からすると、ものすごく高い壁があるように感じてしまいます。管理が難しそうですし、なにより不動産は高額です。だからほとんどの人が参入しません。ところが、不動産投資に必要な知識は、IT技術のように日進月歩で進むようなものではなくて、ここ20年くらいまったく変わらないのだとか。
賃貸業界は、物件の増加で飽和状態で、競争が激化しています。しかし、物件の値段が下がっているため、これから不動産を始める人は、不動産を安く購入して、安く貸すことができます。
賃貸物件の運営は、昔から広い土地を持っていた地主さんが、本業の片手間に行っているものがほとんどだそうです。適当にやっていても何とかなる、ぬるま湯的な業界だったのです。しっかり考えて運営すれば、絶対に競争に勝てるはずです。少なくとも、私が住んでいる賃貸マンションの大家さん(おっさん)には絶対に勝てると信じてます^^;
不動産を見極める目
不動産投資を始めるにあたって、どうしてもわからないことがありました。それは「投資物件の価値を見極める方法」です。目の前の物件が相場と比較して安いのか高いのかがわからないことには、投資になりませんよね。
第一の条件 – 利回りの落とし穴を避ける
実質利回り=借入金利率+8% を確保すること第二の条件 – 不動産価格の落とし穴を避ける
投資して10年経過した時点で
市場価値で購入時の70%
賃貸収入で購入時の80%を確保すること
第二の条件は、今後の社会の動向によって変動するので、判断には皮膚感覚が必要です。(もしかすると、人口変動率を考慮すると上手く行くかもしれない) まずは、完全な客観的な値である第一の条件を利用して、物件を見極める能力を養っておきたいです。
Calculating Financial Figures Video / Dave Dugdale
資産としての不動産価値を計算する
不動産の値段は、「土地の値段」と「建物の値段」に分けることができます。
土地の値段は「路線価」と呼ばれる、国税庁が発表している、相続税や贈与税の算定基準となる値段に、土地の面積をかければ、計算できます。こちらは簡単です。
建物の値段の計算はちょっと複雑です。建屋の面積や、間取り、部屋数から経験的に計算することができます。築年数によって価値が下がっていく分も考慮しなくてはいけません。本書に掲載されている各々の計算方法を、ウェブ上で簡単に計算できるようにしました。興味のある方は、ぜひご利用ください
想定利回りから不動産価値を計算する
本書によれば、実質利回り =借入金利率+8%以上ないと投資として失敗する可能性が高くなるということです。借り入れ金利が3%だとすれば、実質利回りが11%以上ということになります。
単純に家賃収入を不動産価格でわり算したものを表面利回りと呼びます。よく不動産チラシなどに載っている値はこちらです。それに対して、実質利回りとは、空室率や管理費、不動産取得時の諸経費などを考慮した利回りです。
空室率+管理費=20%とし、不動産取得時の諸経費が10%だとすると、
となります。つまり、表面利回りに0.73をかければ、大体の実質利回りを計算することができます。
Information / heathbrandon
お宝不動産の情報はどこにある?
不動産屋さんが不動産を売りたいという申し出を受けると、まず最初にすることはなんでしょうか?情報誌へ広告を載せることでしょか?それともインターネットに登録しますか?
いいえ、最初からそんなことをする不動産屋さんはほとんどいません。まずはそのような一般的な情報媒体を使わずに、自前のコネだけで売却しようとします。<
物件の売却を頼まれると、不動産屋さんは他の不動産屋さんに呼びかけて、買い主を探してもらいます。そして、売買が成立すると、売り側、買い側双方の不動産屋さんに3%の売買手数料が入ります。値段が大きいだけに、3%とはいえかなりの高額になります。さらに、自分で買い主を探せば、倍の6%の手数料が得られることになります。よって、表に出す前に自前のコネを辿って買い主を探そうとするのです。
この早期段階で、不動産屋さんに声をかけてもらうためにはどうすればよいでしょう?色々調べた結果、こればかりは、不動産屋さんと広く交流して「買う買う!」と言い続けるしかないようです。良い物件が出たときに「あの人に連絡してみようかな?」と思い出してくれるかどうかが、勝負の分かれ目になります。
もう一つの有力な情報源として「競売物件」があります(本書には情報がありませんでした)。最近では法整備や検索サービスが充実して、入札しやすい環境ができてきたそうです。
そして最後が「インターネット」です。HOME’S不動産投資や、アットホームを定期的に眺めることで、相場観を養うことも大切だと思います。
Starting to fly / Tambako the Jaguar
不動産投資を始めるぞ!
私は以前から不動産投資に興味があって、実は私は昨年の春にも、10冊以上の不動産関連本を読み漁って勉強していました。どの本も同じようなことばかりが書いてあることに気づき、もっと深い情報を得るために、人づての人脈を辿って、東京の不動産投資の懇親会へ参加して、さらに不動産投資への意欲を増していました。このとき、本書の著者の沢さんと始めてお会いしました。
ところが、昨年の夏に妻が切迫流産&早産のハイリスク妊婦になってしまい、中断を余儀なくされました。年がかわって、我が家もようやく落ち着いてきて、不動産投資の研究を再開しました。
お宝物件に出会えるコツは、焦らず待つことだそうです。1年くらいかけて、勉強をしつつ、情報網を広げながら、じっくり探して行きたいと思います。
コメント
ご紹介ありがとうございます!
不動産価値計算ツール よくできてますね。
さすがです。
今度お宝不動産鑑定ツールをプレゼントしましょう。
>>沢さん
ありがとうございます!
1つ質問なのですが、通常の火災などの場合はある程度保険で担保されるのでしょうが、今回の大震災のような災害の場合でも大丈夫なのでしょうか。
25~35年くらいで投資を回収することになるとすると、その間にそういったことに遭うリスクは小さくはないと思うのです。
>>take1さん
私も気になって調べました。津波は地震保険で保障できます。ちなみに地震保険は火災保険の半額までかけられて、築年数は関係ないので、満額かけておくのが普通だそうです。
原発事故によって不動産価値が0になる可能性もあるわけですが、これは電力会社と国が補償します。どれだけ補償されるかは、今回のケースを注意深く見ていく必要があります。