ベンチャー企業が成長していく流れと、成長の過程で会社と家庭で発生するトラブルを、一通り学ぶことができます。
ストーリー仕立てになっているため、自分の仕事や家庭の状況に置き換えて考えやすいです。身にしみます。私も独立して一法人を経営していますので、感情移入しすぎて、ラストでは思わず涙ぐんでしまいました。
独立して成功を目指したい人はもちろんのこと、企業内で上を目指したい方は一読をお薦めします。なぜなら、「成功者が踏む地雷」を避けることは困難ですが、あらかじめ位置を知ることで、被害を最小限に食い止めることができるからです。
…and I think to myself, what a wonderful world. / Labec Media
子供は夫婦仲を取り持つように行動する
衝撃的な内容でした。夫婦仲が悪くなると、それを見た子供は、夫婦の仲を良くするために、病気になったり、事故にあったりするのだそうです。
そして、このように夫婦仲が機能不全に陥ると、子供の出番になる
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悪い子は暴力をふるったり、病気になったり、事故にあったりする。そうなれば、夫婦が協力して問題に立ち向かうからね。こうして夫婦の絆を回復するように働きかける。
もちろん、科学的・統計的に証明された話ではありません。私も夫婦喧嘩をした後は、居場所がないような感覚になって、精神的に不安定になります。子供が、パパとママが喧嘩しているところを見たら、世界の終わりくらいに不安になるはずです。精神的に不安定になって、ストレスが病気や事故を引き起こしても不思議ではありません。
子供の病気が、夫婦関係のひずみが原因である可能性があることを、頭に入れておきたいと思いました。
1972 Animal Drawing Stencils / JD Hancock
最強のバカ
どうしてだかわかるか?これも典型的なパターンなんだよ。タクは仕事をシステム化しようとしたよね。ところが、もとの仕事の進め方こそが、そもそも非合理的・非効率的だった。その非効率なプロセスを自動化するために、コンピューターを導入したわけだ。
すると結局、バカがやっていたことを自動化するわけだから、バカがよりスピードアップしてバカをやることになる。要するに、最強のバカをつくりだすんだ。だから大変な問題が、数年にわたって起こるんだ。
最強のバカという言葉が、すごく印象に残りました。業務の効率化のために、システムを導入しても、よほど注意深く行わないと、足を引っ張るだけのシステムになってしまいます。
最近では、エクセルとマクロをちょっと勉強すれば、誰でもシステムを組めます。高額なパッケージを導入するより、現場でシステムを作って、日々改善していくほうが、結果的に使えるシステムが出来上がると思います。
land claim / ?anet
クレームの質が変ってきている
ほんの一昔前のクレームは、商品に対するものが中心だった。品質が悪いとか、使い方がわからないとかね。この手のクレームは、返品に応じたり、また使い方を教えたりするだけだから、クレームを受けても精神的な傷にはなりにくかった。ところが今は、商品に対するクレームではなく、自分を大切に扱ってくれなかったということに対するクレームが多くなっている。
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たとえば年配の男性が若い女性に対してクレームを言う際には、自分の娘に対する怒りを転嫁してぶつける場合がある。また女性なら、夫に対する怒りを転嫁する場合もある。この怒りを電話受付の担当者は受けるわけだけど、怒りというのは行動によってしか解消されない。ところがお客様は神様だという思想が社内に根強かったとするだろう。するとその怒りを社員は会社で出すことができずに、家庭に持ち帰るわけだ。
「怒りというのは行動によってしか解消されない」という一文に、すごく思い当たる節があります。私もこうしてブログを運営していると、辛らつなコメントやブコメを頂くことが多々あります。
私は相当キャパが狭いので、結構怒ってます(笑)。粘着されると面倒なので、コメントに直接返事をすることは避けています。でも、怒りは行動でしか解消されないのであれば、本書にあるように、私もストレスを家庭内で無意識のうちに吐き出しているのではないか?と不安になります。
「スルーすることも、怒りを解消するための行動の一つ」となればよいのでしょうけれど、なかなか難しいです。我慢するよりも、具体的に行動したほうが、家庭のためにもよいと思いました。
私が行ってる方法は、直接コメントに返信するのではなくて、一つの記事に昇華させてポストしてしまいます。そのほうが、あらゆる言葉や引用を駆使して、自分の意見を補強できますし、コメントでダラダラ対応するよりも、労力対効果的にお得です。
think hard work can wait / theilr
社長の役割はクレドを広めること
クレドというのは、リッツ・カールトン・ホテルが、全社の価値観・哲学をまとめたものだ。あまりに効果的だったので、今やいろんな会社が取り組み始めている。
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リッツ・カールトン・ホテルでは、ラインナップという朝礼のような短い会議を毎日開く。そこでクレドカードに書かれたベーシックと呼ばれる20項目について毎日一つづつ話合うんだ。この20項目に沿って組織全体が無意識に行動できるようになるまで、徹底して教育していくんだ。
個人でも組織でも、行動指針のようなものを決めておくと、迷ったときに行動しやすいです。私も経営理念と行動方針を当ブログ上で毎年公開しています。
単に自分で判断して行動しろといわれても、範囲が広すぎて困ってしまいます。個々の価値観に任せるだけでは、サービスの質がバラバラになってしまいます。基本的な枠組み(フレーム)は、決めておく必要があります。
もう少し子供たちが大きくなったら、家庭内でもクレドを決めて、定期的に親子で話し合ってみたいなと思います。子供には何が良くて何が悪いのか教えていく必要があります。もちろん親も約束を守らないと子供に示しがつきません。
親の背中を見て育ってもらっても良いですが、私はできた人間ではないので、しっかり話し合ってお互いに成長していけるような家庭になればいいなと思います。
文庫本もあります。
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