私はブログでアフィリエイトを積極的にしない派です。とはいっても、ブログでアフィリエイトをすること自体は否定していません。ただし、ブログを始めてすぐにアフィリエイト広告を掲載することに対しては「ちょっと待った!」と言いたいです。
まずは信用の蓄積から
アフィリエイトは「今すでにファンが付いていて、ある程度のアクセスがあるブログ」に導入するものです。新しくブログを立ち上げて、一記事目からアフィ入り記事を書いているブログは、見向きもされないでしょう。
初めて会ったお客様に、いきなり仕事に関する話しや商品に関する話しをしても、なかなかきちんと聞こうとはしてくれません。 なぜ、こうなるのかというと、お客様は「営業マンから売りつけられたくない」と思っているからです。
via: なぜか挨拶だけで売れてしまう営業法
優秀な営業マンはいきなり商談を始めません。まずは御用聞きに徹して、時には世間話をしながら、お客さんのニーズを把握したうえで、お客さんの顔色を伺いながら、ちょっとずつサービスの売り込みへ持っていきます。
ブログの場合も同じで、いきなり商品レビュー記事をアップしてくるようなブログには、人々は反射的に拒否反応を示します。アフィリエイト記事ばかりのブログは、誰がどう見ても不自然です。提灯記事を書いていると思われても仕方がありません。
まずは読み手に信用されて、リピーターになってもらう必要があります。いまどきアフィリエイトを知らない人の方が少ないです。「このブログからなら、買っても良いかな」と思ってくれるから、買ってくれていることを理解すべきです。
The Crisis of Credit Visualized on Vimeo by Jonathan Jarvis / Son of Groucho
「ウチのブログはSEOが効いているから、一見さんでも買ってくれる」という方が居るかもしれません。検索エンジン経由の来訪者さんは、今すぐに問題を解決したい方々なので、アフィリエイトリンクを踏んで、そのまま購入してくれる場合が多いです。
果たして、SEOは永久的に続くのでしょうか?検索エンジンのアルゴリズムとの親和性が「たまたま」良かっただけです。検索エンジンのアルゴリズムが変更になれば、あっという間に順位が下落してしまい、アクセスを失ってしまうことは普通に起こります。SEOに頼るブログ運営は、心臓を検索エンジンに握られているようなものです。どこかで行き詰ることになるでしょう。
Floods in Sahrawi refugee camps in southwest Algeria / Saharauiak
ブログ・アフィリエイトの将来
そもそも、なぜ「アフィリエイト+ブログ」という不幸な組み合わせが、ここまで普及してしまったのでしょうか?
私の記憶が正しければ、「第四回アフィリエイトカンファレンス」が「ブログ・アフィリエイト」というテーマで開催されたことが、発端だったのではないかと思います。私も参加しまして、「いま波が来ているアフィリエイトとブログという二つのキーワードをむりやりくっつけてみた」のような説明が、運営者側からあったのを記憶しています。
ブログが登場したことによって、プレーヤーが一気に増えため、それに乗じてASP(アフィリエイトサービスプロバイダー、ECとブロガーの仲介業者)も「これからはブログ+アフィリエイト、レビューアフィリエイト」と猛烈なアピールをかけて、一気に広まりました。
ところが、ASPや広告主が本来考えていた姿とは、ちょっとずれた方向へ向かっているのではないでしょうか?ブログ運営者の魅力を生かして商品を紹介してもらおうと思っていたのに、商品紹介が中心のブログが乱立することになりました。
これまでは検索エンジンがネットプラットフォームとして君臨していたため、どんなページでもよいから、とりあえず自社の商品が掲載されているページが増えてさえくれれば、利益につながりました。
ソーシャルメディアの台頭によって、状況は大きく変わろうとしています。ソーシャルメディア上でお勧めされているページを集計して、アルゴリズムに加えることで、検索ランキングの精度を飛躍的に高められるからです。
via: SEO終了のお知らせ
状況は変わってきています。プラットフォームは、検索エンジンからソーシャルメディアに移行しつつあります。ソーシャルメディアにおいて重要なのは、検索エンジン上のランキングではなくて、ブログ運営者自信の魅力です。
レビュー記事を書いても書いてもまったく収益にならず、アクセス数も激減して、モチベーションが下がってブログは開店休業状態…。アフィリエイトブロガー難民が、今後は大量に発生してくるはずです。そんな時代は目の前まで来ています。
364/365 – oh yeah! alright! are you gonna be in my dreams tonight? / B Rosen
主役は「サイト」から「自分」へ
先日、でっちあげの記事ポストして名誉毀損で逮捕された方は、1,000個のブログを運営していて、日々の生活に困らないくらいの副収入を得ていたそうです。
1,000個のブログ間で自作自演リンクを構築してSEOでアクセスを集めて、収益を得ていたのだと思います。今後はこういう手法はソーシャルメディアの台頭により駆逐されていくはずです。なぜなら、1,000個のブログを定期的に真面目に更新できたとしても、自分の信用の蓄積が分散されてしまうからです。
ソーシャルメディア上では信用が第一です。1,000個のブログをちまちま運営するより、一つのブログを情熱を持って更新していくほうが、圧倒的な力を持つようになります。
これからネット上で存在感を出していくには、もう一歩前に踏み出して「自分が主役」のブログを目指すべきです。対象の書籍や商品、情報すらもダシにして、自分を語るスタイルです。
自分の視点を意識して、自分の言葉で語るブログを目指すべきです。商品レビューなどは、どうしても「商品」が主役になってしまいます。そこを無理やり自分を主役に持っていくのです。自分の経験や知見を補助線として、「商品」を語るのです。
自分が主役のブログは「ブロガー自身」に信用を効率よく蓄積できます。何を始めるにしても、「あのブログの運営者がやることだから面白そうだな」と周りが見てくれるようになります。
日本人は自分を積極的にアピールすることが苦手です。スタンドプレーも過ぎると「なんだこいつは」的な声も出てくるでしょう。でも、まったく知らない他人に声をかけてもらえることって、普通に生活していたら、まずありえません。ある意味奇跡のようなものです。もっと喜んでよいと思います。日本では、ちょっとでしゃばりすぎたくらいが、ちょうど良いと思います。
ブログの最終的な目標は?
「第4回アフィリエイトカンファレンス」で、講演者・パネラーの伊藤さん(旧はてなCTO 現グリー)がこんなことを言っていました。
「blogは、自己実現に繋げるツールとしては、大きな可能性を持っている。私がこうしてココで話しているのも、雑誌の執筆依頼が来たりするのも、ある意味Blogのおかげだと思っている。アフィリエイトに繋げるだけの考え方は勿体無い(伊藤氏)」
via: 第4回アフィリエイトカンファレンス
今でも鮮明に記憶に残っています。このひと言を聞いてしまった私は、これまでブログ上で大々的にアフィリエイトを行うことをためらってきました。書評記事に貼るアマゾンアソシエイト(書籍のカバーを表示するため)とアドセンス(勝手に表示されるため、純粋な「広告」といえる)といった、世間一般的に認められているブログ上のアフィリエイトのみしか行っていません。
アフィリエイトだけを目的としたブログ更新をするのはもったいないと思います。ブログは、もっと大きな目標の達成のために利用すべきものです。
これからでも遅くはありません。ちょうど今は時代の過渡期で、ネットのプラットフォームが検索エンジンから、ソーシャルストリームに移りつつある時期で、やり方を変えるにはちょうど良いタイミングです。アフィリエイト中心のブログ運営から、自分自身へ価値を蓄積していくようなブログ運営に、切り替えることをお勧めしたいです。
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